平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

阪急電車 片道15分の奇跡 ①~まずは与えることから始めよう!

2012年05月08日 | 邦画
 この「阪急電車 片道15分の奇跡」は、さまざまな大切なことを教えてくれる。

★たとえば<話しかける>ということ。
 人は電車に乗る。
 しかし、周囲の人たちはみんな他人で、こんなにたくさんの人がいるのに、孤独だ。
 でも、話しかければ絆が生まれる。
 「大丈夫ですか?」「ありがとう」
 こんなわずかな言葉でも、繋がりを感じることが出来る。
 それは大きく育って、この作品の登場人物たちのように強い繋がりになるかもしれない。
 たったひと言を話しかけるか、かけないかで、その人の生活や人生は大きく変わってくるのだ。

★<与えればエネルギーを与えられる>ということもある。
 萩原時江(宮本信子)は、高瀬翔子(中谷美紀)に「よかったら話を聞かせて」と話しかける。
 さらに時江は、森岡ミサ(戸田恵梨香)に「最低の男ね。別れなさい」と言って、すりむいたミサの膝にバンドエイドを張る。
 時江はこうして翔子やミサにエネルギーを与えている。
 そして、時江からエネルギーを与えられた翔子やミサは他人にエネルギーを与える。
 翔子は、同じ名前でいじめられている小学生の樋口翔子(高須瑠香)に。
 ミサは、主婦の伊藤康江(南果歩)に。
 こうしてエネルギーは人から人へと受け継がれる。
 そしてまわりまわって、自分のもとに帰ってくるかもしれない。
 だから、与えることを恐れたり、惜しんだりしてはいけない。
 あるいは与えることで、すでに人はエネルギーを充電しているのかもしれない。
 翔子は小学生の翔子に、ミサは主婦の康江に「ありがとう」と感謝された。
 そして、この「ありがとう」の言葉が、翔子やミサにさらなるエネルギーを与えた。
 誰でも他人から感謝されたら、うれしい気持ちになりますもんね。力がみなぎった感じにもなる。

★<何気ない出来事が教えてくれる>ということもある。
 ミサはDVの彼氏と別れるべきかで悩んでいる。
 そこへ何気なく聞こえてきた女子校生の会話。
 「あたしの彼氏、バカでさぁ。大学生なのに絹っていう字が読めないの」
 しかし、話を聞いていくと、おバカな彼氏は「彼女の受験が終わるまではエッチをしない」と宣言している誠実な男らしい。
 この話を聞いて、ミサは「あたしよりいい恋愛しているな」とつぶやく。
 そして、DVの彼氏と別れる決心をする。
 目の前を通り過ぎた何気ない女子校生の会話が、悩むミサに解決のヒントを教えてくれたのだ。

 こんなエピソードもあった。
 結婚式の引き出物をどうするか迷っている翔子。
 すると、後ろから男がぶつかって、翔子は引き出物が入った袋を落とし、引き出物が割れてしまう。
 男が後ろからぶつかるというトラブルだったが、これで翔子は引き出物を棄てる決心がついた。
 これも<何気ない出来事が教えてくれる>という事例である。

 このように考えてみると、われわれの日常って案外<不思議>で<素敵>である。
 この<不思議>と<素敵>を味わうためにも、まずは<与える>ことから始めよう。


 『阪急電車 片道15分の奇跡② 美帆と圭一の出会い』はこちら



コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (けん)
2012-05-08 09:41:30
TBさせていただきました。
またよろしくです♪
返信する
こちらこそ (コウジ)
2012-05-08 19:35:17
けんさん

TBありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします。
返信する

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