平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ウチの娘は、彼氏が出来ない!~恋愛ドラマを書けなくなった北川悦吏子さんの心の叫び!

2021年02月03日 | 恋愛ドラマ
 水無瀬碧(菅野美穂)は恋愛小説家。
 しかし恋愛小説を書けなくなっている。

 碧って、脚本・北川悦吏子さんの分身ですよね。
 かつてトレンディドラマで名を馳せた北川悦吏子さんだが、
 もはやキュンキュンするような恋愛ドラマを書けずに足掻いている。

 現在の恋愛ドラマの定番と言えば、火曜10時のTBS。
 現在、放映中の『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
 僕も見ているが、面白い。
 仕事や恋愛に翻弄され、悩みつつも、最終的には仕事も成功し、恋愛も成就する。
 ハラハラドキドキ! ときどきキュン♪
 高級犬の菜々緒さんの下で雑種の子犬のようにがんばってる上白石萌音さん!
 結末はわかっているのだが、過程がなかなか波瀾万丈で、つい見てしまう。

 一方、『うちの娘は、彼氏が出来ない!!』は、この過程がない。
 碧や娘の空(浜辺美波)は男性を好きになるが、すぐに幻滅したり、フラれたりして、最後は「母と娘の世界」に帰っていく。
 恋愛成就までのスッタモンダがほとんどない。
 すぐに結論が出てしまう。
 北川先生、このスッタモンダが書けなくなってしまったのかな?
 起承転結で言えば、「承」の部分があっさりしている感じ。
 物語では、この承の部分をいかにふくらまして面白く描くかが重要なのに。
 そして、承がなくて尺が埋まらないから、俊一郎(中村雅俊)や沙織(福原遥)のエピソードを入れたりしている?

 それと、碧たちは「恋愛をするために恋愛をしようとしている」感じだ。
 自分の心の中でぽっかり空いた穴を埋めるために誰かを探している。
 碧は小説を書くために恋愛しようとし、空は自分を変えたくて恋愛しようとしている。
 で、最終的に彼女らの心を埋めるのは、母娘関係。

 この作品は「恋愛ドラマ」というよりは「母娘ドラマ」として見た方がいいのかもしれない。
 とは言え、リアリズムという点では、『オー! マイ・ボス!』よりは、『ウチカノ』なんだよな。
 僕たちの日常は『ウチカノ』のように平坦で淡々と進んでいき、
『オー! マイ・ボス!』のような波瀾万丈なキュンキュンなどほとんどない。
 でも、現役の若い人たちは日々キュンキュンしているのかもしれない。

 僕も北川悦吏子さんも歳をとったということか。


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2 コメント

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失礼ながら虫唾がはしるほどです (megumi)
2021-02-03 21:58:38
コウジさん  こんばんは。

「うちの娘・・・」は見ていませんが
台詞は聞こえてきます。
私には個室が無く リビングでPC遊びをしているのですが
家族が 遅めの夕食を食べながら見るのが このドラマなんです。
聞きたくないのに 嫌いなモノが聞こえるって 地味にストレスですよ。

「半分 青い」の鈴愛とそっくりな空の言葉使いは キュンキュンならぬ ムズムズイライラします。

あんな素敵な恋愛ドラマを書いていた北川悦吏子さんが!
そう思うと 残念です。
人は 誰しも老いるんですね。
彼女の書くドラマを受け入れられなくなったってことは
私は老いてない?(嘘です)

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気持ちいいほど (コウジ)
2021-02-04 09:35:22
megumiさん

いつもありがとうございます。

>虫酸が走るほどです
気持ちいいほど斬って捨てましたね(笑)

昨日(2月3日)の映画化にまつわるエピソードは、物づくりの現場が垣間見えて面白かったです。
おそらく、これには北川さんの実体験や怨念がこもっているから迫力があるんでしょうね。
でも、こちらの方がインパクトがあるので、ラストの漱石との恋愛がかすんでしまうというマイナスも。
空の恋愛もとってつけたような感じで、恋愛ドラマにしたいなら、碧の恋愛をメインに据えてじっくり描いた方がいいのでは、と思ってしまいました。
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