平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

医龍3 下っ端に保障されても嬉しくないけど

2010年10月15日 | 職業ドラマ
 「医龍」って医療ドラマでありながらアクションドラマなんですよね。
 難病という巨大な敵に挑むスーパーヒーロー朝田龍太郎(坂口憲二)。
 ヒーローを苦しめる敵には、野口(岸部一徳)もいる。
 そんなヒーローを助ける伊集院(小池徹平)ら仲間たち。
 いざとなると荒瀬(阿部サダヲ)のように、今まで背を向けていた脇キャラが助けに来るし。

 これはもしかして「スターウォーズ」?
 ヒーローは朝田。
 ダースベイダーは野口。
 難病はデス・スター。
 伊集院と藤吉(佐々木蔵之介)はR2D2やC3PO。
 レイア姫は加藤晶(稲森いずみ)。
 助けに来たハンソロは荒瀬。
 ラストは皆の拍手を受け、凱旋行進もしていたし。

 ドラマとしては次の点が上手い。
 手術に向かう有希奈(桜庭ななみ)が伊集院に聞く。
 「先生、成功するかな?」
 伊集院は医療裁判になることを怖れて「成功する」とは言えない。
 しかし、それでは有希奈が不安になってしまう。医者との信頼がなくなってしまう。
 だから伊集院は叫んでしまう。
 「大丈夫。成功する。僕が保障する。だからがんばるんだ」
 伊集院の葛藤が見事に描かれている。
 一方、それを受けた有希奈のリアクションもいい。
 「下っ端に保障されても嬉しくないけど」
 本当は嬉しいくせに素直になれない有希奈。
 でも最後にはこうつけ加える。
 「ありがとう、先生」
 見事なやりとりだ。

 あとは運び込まれた荒瀬の手術の描き方。
 急いで駆けつける朝田。
 しかし肩を落とした藤吉の様子を見ると間に合わなかった?荒瀬は死んでしまった?
 ところが荒瀬は助かっていた。
 野口の呼んだカテーテル医・黒木慶次郎(遠藤憲一)の施術で。
 実に上手い。
 視聴者に死んだと思わせておいて見事に裏切る。
 そして黒木というすごいキャラクターを登場させる。
 このメリハリのつけ方。人物の登場のさせ方。

 人物の登場のさせ方では野口も上手い。
 運び込まれる奇怪な魚の入った水槽。
 これだけで野口が来たとわかる。

 脚本は林宏司さん。
 「離婚弁護士」「BOSS」「コードブルー」、前シーズンの「GM 踊れドクター」、林さんの作品はハズレがありませんね。

※追記
 こんなやりとりもかっこいい。
 荒瀬「出来るのか、朝田?」
 朝田「俺を誰だと思ってるんだ?」
 
 「医龍」では解説せりふもお馴染みだが、こういうのはかっこいい。
 藤吉、手術で朝田を補佐する伊集院の動きを見て
 「……朝田のスピードについて行っている」



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