平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

古畑任三郎 三谷幸喜さんが言いたかったこと

2009年11月05日 | 推理・サスペンスドラマ
 古畑任三郎の再放送「再会」を見た。
 津川雅彦さんが小説家で犯人の話。

★この話について古畑は「最終回でやりたかった話」と言っているが、おそらく三谷さんが一番言いたかったことが凝縮されているからだろう。(以下ネタバレ)

 自分が自殺して妻に罪を着せ、復讐しようとする安斎(津川雅彦)に古畑(田村正和)は言う。

 「どんなことがあっても生き続けることが義務なんです」

 古畑はこのせりふの前にこうも言っている。
 「私は強制的に死を選ばされてきた人達の無念を見てきました」
 数々の殺人事件を知的にゲームのように解決してきた古畑だが、実は人が殺されることを「強制的な死」「無念」と考えていたんですね。
 だから生きている我々は<生き続けることが義務>だと言う。
 <どんなことがあっても>。
 これが三谷幸喜さんの根本。
 三谷さんが喜劇を書き、娯楽作品を作るのも、つらくきつい我々の人生を少しでも楽にしたい、楽しくしたいと考えているからでしょう。
 これが三谷さんが物を書くスタンス。

★古畑は、妻に裏切られ作家としての名声も失うことを嘆く安斎にこうも言っている。

 「たとえ明日死ぬとしても、やり直してはいけないって誰が決めたんですか!」

 何と力強く、希望に溢れた言葉だろう。
 絶望に打ちひしがれた時はこの言葉を思い出すといい。
 人生はいくらでもやり直しがきく。
 もちろんやり直しをしても、うまくいかず、裏切られ、つらいことの方が多いだろう。
 でも、もしかしたら一瞬でも「よかった」と思える瞬間があるかもしれない。
 だから人生を諦めてはいけない。
 そして古畑が言ったように「どんなことがあっても生き続けることが義務」。

 どうしても楽しさに目を奪われがちな三谷幸喜作品。
 でも、そのメッセージも無視できませんね。
 メッセージ性に注目して三谷作品を見直してみるのもいいかもしれません。

※追記
 三谷さんは「ザ・マジックアワー」でも老俳優にこんなせりふを言わせています。
 「マジックアワーをのがしたらどうすればいいか知ってるか。
 簡単なことさ、次の日まで待てばいいのさ。
 やめるのは早過ぎる。
 わたしだって待っているのさ、次のマジックアワーを。このままくたばってたまるか」

 「たとえ明日死ぬとしても、やり直してはいけないって誰が決めたんですか!」というせりふに通じるものがありますね。

 三谷幸喜さんが言いたかったこと その2はこちら



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オトメン 乙男 最終話 | トップ | 不毛地帯 第4話 山崎豊子作... »

コメントを投稿

推理・サスペンスドラマ」カテゴリの最新記事