平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」 第27回「宿縁の命」~まひろ、宿縁の命を宿す。定子も皇子を宿して宮廷は暗雲……

2024年07月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 石山寺でのまひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)の再会。
・困難なことがあると、まひろに試されていると思っていると語る道長。
 道長が宮中でがんばっている理由は、まひろとの約束なんですね。
・宋の言葉を話すまひろ。
 道長はまひろが宋に行かなくてよかったとポツリ。
 宋の言葉で「越前の紙に歌や物語を書いてみたい」と語ったことは
 後に『源氏物語』を書く伏線。
・一方、ふたりは一番言いたいことを話せない。
 宣孝(佐々木蔵之介)との結婚のことだ。
 いくら時間が経ったとはいえ、道長にしてみれば、他の男との結婚は複雑だ。
 文句のひとつも言いたくなる。
 まあ、あの時、まひろは「妾でもいい」と言おうとしたんだけどね……。

 そして……。
 想いが募って、まひろは『宿縁の命』を宿した。
 不実の子である。
 この子も、ある意味『光源氏』ですね。
 光源氏は帝の落し子。
 ……………………………………………………

 まひろが子を宿したことを知った時の宣孝は懐が深い大人の対応。
 まず、まひろが他の男の子を宿したことを気づかぬふりをして受け入れた。
 おそらく道長の子であることをわかっている。
 まひろが正直に話すと、お互い『不実の存在』だからと受け入れた。
 それよりもまひろを離縁で失うことの方がつらいと語った。
 この子のおかげで出世できると言って、まひろの罪悪感を少なくした。
 宣孝は酸いも甘いもかみ分けた人物だ。
 そして根が明るい。
「人並みになるなよ」
「憎まれ口もたまにはよい」
 大きいねえ、人間が。
 汚濁でいっぱいの世間を淡々と生きている。
 自分も含めた人間の愚かさを愛している。
 ……………………………………………………

 宮廷では権力闘争。
 定子(高畑充希)が皇子を生み、伊周(三浦翔平)が台頭の兆し。
 道長は彰子(見上愛)を、公卿たちの支持を表わす屏風と共に入内させるが、
 相変わらず彰子に感情や意思はない。
 艶と明るさもない。
 彰子はどうしてこうなってしまったのだろう?
 生来のものなのか?

 一条天皇(塩野瑛久)と母・詮子(吉田羊)は決裂。
 一条天皇はこう考えている。
 自分は詮子の「操り人形」「政治の道具」として生きてきた。
 詮子が自分を優れた帝にしようとしているのは、先々帝の下で虐げられて来たことへの復讐。
 だから自分はもう詮子の操り人形にはならない。
 どんなに後ろ指を差されても定子を愛する。
 定子を愛することは操り人形から脱することでもある。

 さて、この絡み合った糸はどう解ける?
 やはり呪詛などで排除するしか方法はないのか?

 最後は赤染衛門(凰稀かなめ)。
 倫子(黒木華)とこんな会話。
「艶もだけどまずは声に出して笑うようにしてほしいのよ。声を出す、声を!」
「閨房の心得としてのお声については……」
「そうではなくて普段の声! 閨房はその先のことでしょう?」
 赤染衛門、そういうキャラだったのか!笑


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2 コメント

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賢子、彰子、定子 (コウジ)
2024-07-15 21:15:11
TEPOさん

いつもありがとうございます。

史実の行間を読み取ってフィクションをつくる。
これが歴史小説であり、大河ドラマ。
大石静さんは作家としておおいに楽しんでいることでしょう。
以前も書きましたが、宣孝は大石さんの理想の男性像なんでしょうね。

さて道長とまひろの間に生まれた子。
子供は女の子だったんですね。
ブログ本文に書いた、生まれた子=光源氏は間違いでした……。
果たして賢子はどのような人物になるのか?

彰子は漏れ聞こえて来る情報に拠ると、今後、大化けするみたいですね。
どんどん変わっていく姿が楽しみです。

そして、彰子の住まいの呼び名が「藤壺」。
「藤壺」は光源氏の憧れの女性ですが、彰子の気持ちを明るくするために敢えて「藤壺」にしたのかもしれませんね。

定子は伊周と違って、達観した所がありますよね。
おそらく権力闘争の虚しさを知って達観したのでしょう。
半分死んだ人間なので、大きな欲を持たず、抗うこともせず、流れに任せて生きていくという姿勢なのかもしれません。
定子の今後も見逃せませんね。
返信する
設定についてのあれこれ (TEPO)
2024-07-15 15:50:44
まひろの娘である藤原賢子(「大弐三位」)の実父は道長。
前回紹介したインタビューどおり、大石静さんは考証の専門家たちによる「あり得ないこと」の外枠ギリギリ一杯までの大胆な設定をしているようです。
今回は、「道兼によるまひろの母殺害」に続く第二弾というところ。

>まひろが子を宿したことを知った時の宣孝は懐が深い大人の対応。大きいねえ、人間が。
前回、まひろとの喧嘩―まひろの心に対する無理解―で少し陰った宣孝に対する好感度は今回「爆上がり」の模様。
しかしその「陰り」のもととなった「喧嘩」も、まひろの懐妊が道長によるものであることを明確化するための設定だったわけです。
私は「源氏物語」には暗いのですが、今回の宣孝についての描写に見られるような「心憎いまでの優しさ」は、モチーフとしては「源氏物語」のどこかにあるのでしょうね。
また、宣孝の「睡眠時無呼吸症候群」についても、おそらく何か資料―おそらくは紫式部自身による手記のどこか?―に裏付けられており、宣孝の余命があまり長くないことに対する暗示となっているのでしょう。

>彰子に感情や意思はない。
「源氏物語オタク」を自称する知人によれば、藤原彰子は実際(史実として)そのような人だったようです。
今回、赤染衛門が「閨房」にばかりこだわっていたのはギャグでしょうが、この人の「限界」を示しておくことは「紫式部」の役割の必然性を示すためにも不可欠な手続きかと思います。

>やはり呪詛などで排除するしか方法はないのか?
定子の死は今回の舞台から2年足らず後第二皇女(媄子内親王)出産直後(1001年1月13日)とのこと。
自然な死というよりは安倍清明あたりが暗躍しそうな気がしますが、問題は「闇落ちしない」道長自身がここにどこまで関与するかでしょうね。
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