「征夷大将軍! 征夷大将軍!」
後白河法皇(西田敏行)が亡くなり、頼朝(大泉洋)は征夷大将軍に。
ついに武士の頂に立った。
安定の時代。
敵がいなくなった時代。
目標を達成した時代。
でも、こういう時代になると内部に不満を持つ者が出て来るんですよね。
・鎌倉殿に近い者が幅をきかせている。
これでは平家がのさばっていた時代と同じだ。
・命を賭けて戦ってきたのに文民が優遇されている。
まあ、平和な時代になれば文民が登用されるのは当然なのだが。
・上総介や義経のことが引っ掛かっている。
これらは『征夷大将軍』の権威をもってしても抑えられない。
派閥闘争も起きる。
比企は北条を排除したくてしょうがない。
これらが爆発したのが『曽我事件』だ。
それにしても人間のおこないはいつの時代も同じ。
安定→不平不満・派閥→爆発
これを繰り返している。
………………………………
そんな中、世捨て人のようになっているのが、八重(新垣結衣)を喪った義時(小栗旬)。
遊ぶ孤児たちを見て、
「あの子たちを育て上げるのが八重への供養です」
金剛の教育もしっかりやっていて
「鶴丸を恨んではならぬ。その分、母を敬え」
「北条は他の御家人より高い位置にいる。その分、慎み深くなれねばならぬ」
義時、なかなか聡明ですね。
北条の置かれている状況を客観的に見ている。
他の御家人たちが心配し、「小四郎」と声をかけて来るのも、その聡明さと人徳ゆえだろう。
これが頼朝亡き後に活きてくる。
もっとも状況は世捨て人・義時を放っておかないようだ。
曽我事件で北条に危機が訪れつつある。
上手い作劇だ。
鎌倉幕府の内部問題を描きつつ、義時再登板を描いている。
後白河法皇と頼朝の対決は見応えがあった。
「奢った武士は皆滅んだ。朝廷を蔑ろにする。やれるものならやってみろ」
「新しい世のために朝廷は欠かせません」
「新しい世?」
「いくさのない世でござる」
「薄っぺらよのう。誰より業が深いくせに」
大河ドラマの主人公の目的は概ね「いくさのない世をつくる」だが、
これを「薄っぺら」と切って捨てた。
そんなものはきれいごとで本音は権力がほしいだけだろう、と後白河法皇(=作家)は言っている。
「薄っぺらよのう。誰より業が深いくせに」
このせりふがあるかないかで、作品の深さが違って来る。
役者さんの芝居も違って来る。
後白河法皇(西田敏行)が亡くなり、頼朝(大泉洋)は征夷大将軍に。
ついに武士の頂に立った。
安定の時代。
敵がいなくなった時代。
目標を達成した時代。
でも、こういう時代になると内部に不満を持つ者が出て来るんですよね。
・鎌倉殿に近い者が幅をきかせている。
これでは平家がのさばっていた時代と同じだ。
・命を賭けて戦ってきたのに文民が優遇されている。
まあ、平和な時代になれば文民が登用されるのは当然なのだが。
・上総介や義経のことが引っ掛かっている。
これらは『征夷大将軍』の権威をもってしても抑えられない。
派閥闘争も起きる。
比企は北条を排除したくてしょうがない。
これらが爆発したのが『曽我事件』だ。
それにしても人間のおこないはいつの時代も同じ。
安定→不平不満・派閥→爆発
これを繰り返している。
………………………………
そんな中、世捨て人のようになっているのが、八重(新垣結衣)を喪った義時(小栗旬)。
遊ぶ孤児たちを見て、
「あの子たちを育て上げるのが八重への供養です」
金剛の教育もしっかりやっていて
「鶴丸を恨んではならぬ。その分、母を敬え」
「北条は他の御家人より高い位置にいる。その分、慎み深くなれねばならぬ」
義時、なかなか聡明ですね。
北条の置かれている状況を客観的に見ている。
他の御家人たちが心配し、「小四郎」と声をかけて来るのも、その聡明さと人徳ゆえだろう。
これが頼朝亡き後に活きてくる。
もっとも状況は世捨て人・義時を放っておかないようだ。
曽我事件で北条に危機が訪れつつある。
上手い作劇だ。
鎌倉幕府の内部問題を描きつつ、義時再登板を描いている。
後白河法皇と頼朝の対決は見応えがあった。
「奢った武士は皆滅んだ。朝廷を蔑ろにする。やれるものならやってみろ」
「新しい世のために朝廷は欠かせません」
「新しい世?」
「いくさのない世でござる」
「薄っぺらよのう。誰より業が深いくせに」
大河ドラマの主人公の目的は概ね「いくさのない世をつくる」だが、
これを「薄っぺら」と切って捨てた。
そんなものはきれいごとで本音は権力がほしいだけだろう、と後白河法皇(=作家)は言っている。
「薄っぺらよのう。誰より業が深いくせに」
このせりふがあるかないかで、作品の深さが違って来る。
役者さんの芝居も違って来る。