平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

亡くなった小田嶋隆さんの言葉~新自由主義者にとって世界は「トロッコ問題」そのもの。この前提はあるタイプの人間を興奮させる

2022年06月25日 | 事件・出来事
 コラムニストの小田嶋隆さんが亡くなった。
 ご冥福をお祈りいたします。

 そんな中、ツイッターを見ていたら、こんな小田嶋さんの言葉がタイムラインで流れて来た。

『あるタイプの新自由主義者にとってこの世界は「トロッコ問題」そのものなのだね。
 彼らは人間を2つの集合(AとB)に分断して、
「コストとベネフィット(利益)を勘案して、生き残るべきなのは、AとBのうちのいずれなのか」という問いを立てるところから話をはじめる。
 維新とかモロにそうだよ』


『二股に分かれた線路の先にいる人間たちのうちのいずれかを必ず殺さなければならない」という、トロッコ問題が踏まえている前提の残酷さは、あるタイプの人間を興奮させるのだね。
 なんとも不愉快なことに』


 最近の僕の関心で言えば、たかまつなな氏がこれに当てはまる。
 彼女の問題の立て方は「老人か? 若者か?」
 つまり具体的に言えば、
「全体の利益のためなら老人を優遇すべきか? 若者を優遇すべきか?」
 これが行き着く所は──
「全体の利益のためなら老人を生かすべきか? 若者を生かすべきか?」だ。
 たかまつ氏が批判されているのはこの点で、
 おまけに、彼女には自分の発言がこうした優生思想に発展するという想像力がないようだ。

 このトロッコの問題の問題設定は間違いなんですね。
 社会は「老人」も「若者」も助けなくてはならないんですよ。

 これに関しては立憲民主党の枝野幸男さんが的確かつ明解なことを言っていて、
「老人福祉に予算を投入すれば若者の利益にもなる」
「なぜなら老人介護を行政が引き受ければ若者は活動できるし働ける」
「ヤングケアラー(親の介護のために仕事をやめる人)がいなくなる」

 新自由主義者やトロッコ問題にとらわれている人にはこういう思考が持てない。
 すぐに「ムダなものは切り捨てればいい」という発想になってしまう。
 行政改革を訴える日本維新の会がそうだ。
 そして小田嶋さんが言っているように、この方がわかりやすくて気持ちいいんですね。
 Aの問題もBの問題も解決する連立方程式を解くのは大変ですから。

 物事を「経済効率」で考えることも問題で、
 以前、「LGBTは子供を産まないから生産性がない」と言った自民党の杉田水脈の言葉がまさにそれ。
 人間はそろそろ「経済効率優先」の思考から脱却すべきではないのかな?
 少なくとも
『経済効率のために、AとBどちらを切り捨てるべきか?』
 こうした新自由主義的な問題設定は改めた方がいい。

コメント (4)
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