平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第12回 「十兵衛の嫁」~泣きわめく信長、うろたえる道三! 新しい人物描写だなあ。煕子さんはポエマーだった!

2020年04月06日 | 大河ドラマ・時代劇
「褒めてもらえない」「たわけと言われる」と泣きわめく信長(染谷将太)。
 鷹の爪の毒で暗殺されそうになってうろたえる利政・道三(本木雅弘)。

 新しい信長像・道三像だなあ。
 人間の弱さをしっかり描いている。
 信長も道三も決して英雄・英傑などではない。
 司馬遼太郎史観とは大きく違う。

 もっとも、うろたえた後の利政は果敢。
 狼煙を上げて家臣一同を集めると──
「こうなれば土岐頼芸と一戦交えるのみじゃ!
 異論のある者はここから立ち去れ!
 これから鷺山城に近づく者は成敗致す。おのおの覚悟されよ」

 とは言え、高政(伊藤英明)や国衆たちは納得していない様子。
 場を立ち去ることはしなかったが、腹の中では別のことを考えている。
 高政は光秀(長谷川博己)に耳打ちして、父親を裏切る宣言。
 さて、光秀、どうする?
 …………

 帰蝶(川口春奈)が信長に伝えた父・信秀(高橋克典)の言葉は本当だったのかな?

「信長はわしの若い頃と瓜ふたつじゃ。良い所も悪い所も。
 それゆえかわいい。
 信長に伝えてくれ。
『尾張を任せる。強くなれ』と」

 おそらく『尾張を任せる。強く慣れ』は帰蝶の創作だろう。
 この言葉で信長は立ち直った。
 帰蝶、しっかり信長を支えている。
 夫の操縦方法を心得ている。

 帰蝶に関しては、同じことを沢尻エリカさんが演っていたら、どんな感じになるんだろう?
 といつも想ってしまう。
 おそらく沢尻さんだったら、夫の尻を叩く強い帰蝶になっていた気がする。
 一方、川口春奈さんの帰蝶は芯がありつつも、どこかやわらかい。
 面白いな、役者さんの違いで人物像が変わってくる。

 煕子さん(木村文乃)はポエマーキャラ。
「耳を澄ますと静かな音がします。空の音がします」
 光秀がどういう理由・きっかけでプロポーズに踏み切ったかは定かでないが、こういうやすらぎを与えてくれる所がよかったのかな?
 大人になっても鬼ごっこしてたし(笑)
 熙子は政治や現実を忘れさせてくれる存在なのかもしれない。

 この光秀の結婚に対して、帰蝶は「問い詰めてやります!」
 駒(門脇麦)はしばし考えて受け入れた様子。
 それぞれのリアクション。
 男たちが権力闘争に明け暮れる中、女性パートも面白い。
 女性たちは諦めることを知っている。

 ラストは東庵先生(堺正章)。
 信秀の死をすごろくにかけて、
「ひと足先にお上がりになったか」

 落語のサゲみたいで、きれいな終わり方だった。
 堺正章さんが言うと、味がある。

コメント (8)
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