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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

天皇の料理番~俊子役の黒木華さんの静かな演技が秀逸

2015年04月28日 | 職業ドラマ
 高浜俊子役の黒木華さんが上手いんですよね。

・篤蔵(佐藤健)が美人の妹を結婚相手と勘違い~俊子はそれを受け入れる。
・変顔。
・篤蔵が自分との結婚の喜びを語ってくれた時のうれしそうな顔。
・のめり込みやすく、飽きやすい篤蔵のことを知った時の戸惑い。
・外まわりの仕事をする篤蔵から何かを感じて、自分から離れていってしまうのではないか、という不安。
・篤蔵のために高価な生地で浴衣をつくりたいと思う気持ち。
・篤蔵が陸軍で料理をつくっていたことがバレて父親が責める中、「今日はどんな料理をつくったんです?」と尋ねる姿~この時、すでに別れを感じている。
・出て行く篤蔵を眠ったふりをして見送り、流す涙。
・娘が傷ものになったと怒る父親に、「離縁しなければ傷ものにならない」と語る聡明さと篤蔵への思い。

 これらを黒木華さんは、静かに表現する。
 大きな芝居もせりふもなく、ほとんど表情だけで表現する。
 篤蔵が<動>の芝居なら、俊子は<静>の芝居。
 俊子はただ篤蔵を見つめる。
 
 篤蔵は自分勝手などうしようもない男なんですよね。
 視聴者はほとんど感情移入出来ない。
 一方、深く感情移入できるのが俊子。
 同時に、俊子が篤蔵を愛し、許しているから、視聴者も彼を見放さない。
 俊子が応援しているんだから、篤蔵も応援してやろうという気持ちになれる。
 上手い作劇だと思います。

 大河ドラマ『花燃ゆ』の主人公・文も見つめる女性なんですけど、俊子の方が存在感があるのはなぜだろう?
 人物の気持ちがしっかり描かれているからか?

 篤蔵を見守る存在は他にも。
 兄の秋山周太郎(鈴木亮平)がそうだ。
 周太郎は、篤蔵を客観的に見つめ、時に叱咤する。
 視聴者も「うん。そのとおりだ」とうなずく。
 これまた上手い作劇だと思います。

 どうしようもない男・篤蔵。
 そんな主人公をやさしく見つめる俊子と客観的に見つめる周太郎。

 俊子と周太郎がいることで物語に厚みが出ている。
 視聴者もこのふたりがいることで共感できる。

コメント
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