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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第9回「八月の動乱」~会津の忠心がお上の御心に届いたぞ!

2013年03月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 八月十八日の政変。
 対峙する会津軍と長州軍。
 じっと敵を見据え、不動の覚馬(西島秀俊)。
 アクションシーンというのは、別にチャンバラや銃撃戦をやらなくても十分見応えのあるものなんですね。
 今回はまさにそれだった。
 不動の武士たちと右往左往する貴族たちを描けば、背後で静かに行われている戦いを感じられる。
 役者さんにとっても、せりふもなく派手な動きもなく、自分を見せる芝居のしどころ。

 それにしても現実の政治の世界というのは非情だ。
 朝廷のために真摯に愚直に働いた忠臣・容保(綾野剛)が数年後には<逆賊>になっている。
 容保はブレず、つねに一貫しているのに、周囲の情勢が変われば、たちまち逆の立場になってしまう。
 世の中の流れに合わせて生きればいいのか、愚直に自分を貫いて生きればいいのか?
 会津のご家訓と「ならぬものはならぬ」の精神、そして孝明天皇(市川染五郎)との絆が、容保を縛る。
 しかし、人が生きるとは多かれ少なかれ、こういうこと。
 人は自分を取り巻く環境や人間関係に縛られて生きている。
 自由になりたいのなら、すべてを捨てて世捨て人のように生きることなのだが、これはこれで厄介だ。

 生き方としては、勝麟太郎(生瀬勝久)くらいのスタンスが、頭のいい生き方かもしれない。
 幕臣でありながら、幕府に縛られていない。
 この距離をおいて、大きく縛られない生き方って大事だと思う。
 立場の違いはあるが、容保のように自分を何重にも縛ってしまうと、身動きがとれなくなり、滅びの道に至る。
 明治まで生き残った斎藤一(降谷建志)とかは、今後どのように描かれるのか、気になる。

 八重(綾瀬はるか)は自分の居場所探しと恋愛フラグ。
 尚之助(長谷川博己)は語る。
「新式銃を作るには、八重さんの助けが入ります。私一人の力ではどうにもなりません。八重さんの代わりいない。これはあなたにしか出来ぬ仕事です」
 照姫(稲森いずみ)との関係も出来た。
 八重の本格的な物語が始まるのは、少し先になりそうだ。

 最後は頼母(西田敏行)の言葉。
 頼母は佐川官兵衛(中村獅童)にこう語る。
「待つこともご奉公のひとつだ」
 このせりふを聞いて、佐久間象山(奥田瑛二)が「自分を必要とする時代が来るのを待つ」と言っていたことを思い出した。
 現在、八重は<自分を必要とする時代が来るのを待っている>状態だが、今回の脚本・山本むつみさんは、<待つ>という言葉をキイワードにしているのではないか、と思っている。


 
コメント (2)
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