平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ゲゲゲの女房 C調に生きる

2010年06月12日 | ホームドラマ
 「悪魔くん」誕生秘話。
 不公平な世の中を糺すために悪魔の力を借りる。これが「悪魔くん」のモチーフ。

 そうですね、物語というのはこういうものなんですね。
 正義。努力すれば報われる。永遠の愛、固い友情。ドラマチックな人生。
 現実ではなかなか実現できないこれらのことを描くために物語はある。
 物語によって、われわれはこれらのものをもう一度信じてみようと思う。
 非日常の体験、スカッとするためのうっぷん晴らしでもある。
 物語は生きていくためのビタミン剤。

 また物語は現実を理解・把握するための手段でもある。
 茂(向井理)たちの<貧乏>という現実。働いても働いても楽にならない暮らし。
 経済学的には、貸本漫画はもう時代遅れ、映画がテレビに食われていったようにひとつの産業は衰退するものという説明がなされ、茂は新しいニーズ=漫画雑誌に転身すべきと結論づけられるだろうが、物語の説明は違う。
 <貧乏>なのは<貧乏神>のせい、貧乏を抜け出すために<貧乏神>に勝たねばならないと説明される。
 物語は現実を通常とは違った論理で説明してくれるものなんですね。

 というわけで今回は理屈っぽくなりましたが、物語論。
 ドラマとしては、布美枝(松下奈緒)は内職とかすればいいのにとかツッコミたくなるが、ツッコムと物語が崩壊してしまうので敢えてツッコまない。
 それよりも「何とかなる」
 この言葉をどんな時でも忘れずに生きていきたいですね。

 あと印象に残ったせりふは、はるこ(南明奈)の「浦木さんってC調なんですね」というせりふ。
 <C調>。
 サザンの歌にあったと思うが、時代を感じさせる味のある言葉。
 なかなか出来るものではないが、<C調>に生きられれば世の中、結構楽しく生きられるだろうな。


コメント
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