平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

龍馬伝 第24回「愛の蛍」

2010年06月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 龍馬(福山雅治)とお龍(真木よう子)の恋物語が本格的に始まった。
 「家族を放り出して好き勝手をやっている人は嫌い」といきなり<嫌い発言>のお龍。
 でもこの発言の背後には父親への思いがある。
 父親は龍馬同様、志のために家族を放って好き勝手やっていた男。
 お龍は龍馬を父親と重ねていた。
 父親を否定しながらも同時に求めているお龍。
 その父親を求める気持ちが龍馬への関心を嫌がおうにも向けさせる。
 龍馬が病気の母親や兄弟たちといっしょにいるのを見て、お龍は龍馬に父親を見たのではないか。
 そして、それが恋に発展する。 
 なかなか複雑な心情だ。
 加尾や佐那が「好き」と直球で向かっていったのに対し、お龍は変化球。
 なかなか心を開かないお龍に龍馬はやきもきする。
 いきなり「嫌い」で、「お借りしたお金はお返しします」ですからね。
 やはり恋は追いかけた方が負け?
  
 また、お龍が龍馬に的確な言葉を与えたのもヒット。 
 彼女は亀弥太の死についてこう言った。
 「志を貫かれたのでしょう、あの人は。坂本さんはほめてあげなくては。よう頑張った。侍らしく死んだと」
 亀弥太の死についてどう考えたらいいか迷っていた龍馬。
 <無駄な死?><虫けらの死?>
 それをお龍は<志を貫いたほめるべき死>と意味づけた。
 龍馬にとっては救われたことだろう。
 龍馬の心に響いたお龍の言葉。
 龍馬の心の中にお龍はしっかりと刻まれたことだろう。

 そして今回はもうひとつの愛。
 半平太(大森南朋)とお冨(奥貫薫)。
 「つらい牢生活に美しいものを」「あなたと同じものを見ていたい」
 そんな思いを込めて送ったホタル。
 なかなか上手い小道具だ。
 そんな冨と比べて、武市の「おまんに辛い思いをさせてすまん。まっこと、すまん」は芸がないが、これは武市の性格で仕方がないか?
 弥太郎(香川照之)夫婦との比較も面白い。
 比較の中で子供がいないことをお冨さんは悔いているのかと視聴者に思わせておいて、実は乙女の話で、子供がいないことが逆にふたりの強い絆になっていることが告げられる。
 上手い。
 これが弥太郎夫婦のことをうらやましく思うお冨の描写だったら、何と趣のない薄いシーンになっていただろう。

 お龍もお冨の心情描写もこれだけ複雑にすると、ドラマは深くなる。


コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする