平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

レッドクリフ PART1

2009年04月14日 | 洋画
 人物の描き方がうまい作品でしたね。
 冒頭の戦い。
 劉備の子を背中に担ぎ奮闘する趙雲→<動>。
 一方、盾を構えた兵士達の中で戦況を見つめる張飛→<静>。
 この<動>と<静>の対比。
 また三国志ファンならご存じのとおり、張飛には<動>イメージがあるから<静>の張飛は意外。何をするんだろうと観客に思わせる。
 そしてここまで登場して来ない関羽。
 関羽は何をしているんだろう?と思わせる。
 そして満を持して援軍という形で関羽登場。
 うまいですね、このメリハリで趙雲、張飛、関羽を描き分けた。

 描き分けは他にも。
 曹操と劉備。
 漢の傀儡皇帝に劉備討伐を脅迫まがいで迫る曹操。
 一方、劉備は危険が迫っても民を見捨てない。「自分を慕ってきてくれる民を見捨てて何が仁だ」と主張する愚直者。
 この対比で曹操と劉備の<悪>と<善>の立ち位置がわかる。

 周瑜の描き方も見事。
 牛を略奪された民の訴えにどう対応するか?
 普通なら略奪した兵を厳重に罰するところだが、周瑜は兵全員を泥の中に走らせ犯人が誰であるかわからなくする。
 観客にしてみれば意外な対応。
 しかし裏があった。
 周瑜は許すことで逆に兵を心服させた。
 そして代わりの牛を与えることで民に許しを乞うた。民は周瑜に「指導不足でした」と頭を下げられて恐縮するばかり。
 周瑜の対応は<柔>の対応ですね。
 <剛>の力で兵や民を従わせることも出来た。つまり兵を罰して殺してしまうとか苦情を言ってきた民を殺してしまうとか。
 力、恐怖による支配。
 それをしなかったことで周瑜のキャラクターが一段と引き立った。

 PART1の見せ場は<八卦の陣>での戦いですね。
 僕もいろいろな人の三国志を読んできましたけど、こんな戦いありましたっけ?

 それにしても「三国志」をこの様な形で見られるとは幸せですね。
 まさにCG技術のお陰。
 そしてリン・チーリン。
 彼女の写真集がでたそうですけど本当に美しい。
 絶世の美女とはああいう人のことを言うのでしょうね。


コメント (2)
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