日本国の道路の元標は東京・日本橋。旧道路法(大正8年公布)によって全国各市町村に設置され 写真のブツは盛岡市の元標。ついでながら…新道路法(昭和27年施行)によってその役目は終えている。
それは 街中のど真ん中にありながら大ユリノキの下に目立たぬよう静かに佇んでいた。材質も文字も素晴らしいの一言に尽きる。
これまで 知らずにこの前を何度通り過ぎてきたのだろうか。この標柱は ほぼ約百年も前から行き交う人々をジッと観ていたのか…と かじかんだんだ手をスリスリしながら これまでの百年とこれからの百年を思うと その文字は墓石に刻まれた文字の如くに なにかの暗号のようにも思えてくる。
そんな訳はないが 時代の記憶が遠過去となりつつあるのは確か と思いました。
「悴みてさらにその日のおもひだせず:久保田万太郎」
位置(参考)
https://www.google.co.jp/maps/@39.702488,141.154221,117m/data=!3m1!1e3