桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2012・3・24

2012年03月25日 | Weblog
昨日上の店からクレームがあったので、今日の午後の公演の開場が12時半だったけど、その前のリハーサルでのチェックをする為に10時半には店へ。俺が聞く限りそんな大問題になる声とは思えない。今までにもこの位の声や音響はあった筈だ。でも、上の店としてはお客さんに文句を言われたらこっちに苦情を言ってくるのは分かるし、実際に上の店に大家さんと入らせて貰うと、確かに聞こえることは聞こえるのだけど、昨日に比べると煩さが半減していると上のスタッフはいう。となると音の通りかた伝わり方を含めて店やビルの構造的な問題なのか?とにかく来週になったら管理会社も含めて調査に入ることになるけど、そんな打合せをしている内にマチネの観客の入場が始まる。今日は誰もスタッフがいないので、一人で38人分のワンドリンク、更にはパスタ、ピザ、カレーなどフードも12人分対応して、始まった時にはぐったりとカウンターに座り込むが、ふと今頃の時間に二度目の結婚の時の妻だったYさんの母上のご遺体が火葬場に向かっていることを思い出して、一人黙祷する。今の俺にはそれしかできない。そして何も食べてなかったことに気づいて余ったパスタを食べる。食べ終わって今日夜働きにきてくれるYさんの給料計算や溜まった経理事務を片づける。2時半マチネが終了して観客は一斉に引き揚げたのだが、一人の少女がまだドリンク券を引き換えてなかったので飲んで言ってもいいですかとカウンターに坐る。本当はカクテルなんか飲みたいんだけど、私まだ16だし……と言われて焦る。私、いつかこういう店に飲みに来れるような女になりたい……と言われて更に焦る。私、メイクや服装で20才以上に見られることがあるんですよ。今度バッチリ決めてここに来ちゃおうかな……そこまで言われると、君が16才だということを忘れてしまいたいよと言ってしまう64才。ホントに忘れてくださいねと辛口のジンジャエールを飲み干すと帰って行った16才。こんな会話ができるなんて桃井章の人生っていい。ソワレが始まるまでに3時間も時間があったので、買い物のついでに六本木のシネマートで予てから気になっていた「エンディングノート」(砂田麻美監督)を見る。この映画は監督の父上である砂田智昭さんがガンを告知され亡くなるまでの様子を娘が克明に記録したものだが、勿論切ない描写が一杯あるのだけど、それにもまして死んでいく砂田さんの明るさ、遺族になる監督たち家族たちの父親に対する愛情の強さが全面に出た「明るい映画」だった。特にラスト近く(つまり死ぬ寸前に)砂田さんが病室で妻と二人にして貰っていう言葉(×××××)は今まで見た映画の中で最高の×××××で、そこまで堪えていた涙が一気に流れ出て、とまらなくなってしまった。部屋に帰ったらもう一度エンディングノートを書き直そう。いや、今は一人暮らしだし、壁に大きく貼っておこうか?6時半からソワレ公演の開場。マチネに比べてそんなに大勢じゃないので拍子抜け。カウンターのお客さんも映画プロデューサーのKさん、悠々セカンドライフのSさん、四月でデビュー40周年を迎える俳優のTさんの三人だけだったのでのんびりモード。KさんとSさんがお帰りになった後、俳優修行を始めたばかりのYさんと40周年のTさんの俳優談義を俺は傍らでラムを飲みながら聞いていた。コレドのホームページのアドレスイベントスペースの使用要項などご参照ください。
[3月の予定]3/23(金)~25(日)演劇集団AutoFocus公演  3/28(水)~29(木)グリーンフラッシュ公演
「4月の予定」4/6(金)~8(日)藤尾京子作演出作品  4/17(火)公演予定あり 4/20(金)乃木坂de575 4/24(火)朗読イベント  4/28(土)~29(日)マサコルト公演