桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2012・2・22

2012年02月23日 | Weblog
苗字は分かっているのに名前が分からないある女性客に下の名前はなんですかと聞きづらかったので、彼女が所属している会社のプロジェクトをパソコンで検索してみたら簡単に彼女の名前が分かってしまった。日曜日に文学座の公演で数日前に店にきた新人俳優にあったのだけど、名前を忘れてしまっていてどうしようかと思っていたら、二年前にこの「大市民」という芝居に出演したと聞いたので、「大市民」を検索してみたら彼の顔写真が現われて、難なく名前はI君と分かった。便利な世の中だ。パソコンがあれば色々なことが解決する。そんな時、そのご時世に背くように高校時代の同級生で、会社の出資者でもあるI君から店の将来を心配し、俺を励ますハガキが届く。メールじゃなく万年筆での手書きの文章は心に響く。吹きだしの中に書かれた追加の文章が彼のナマの声を伝える。その彼の友情に報いる為にもこの窮状を解決しようと足掻くが、こっち立てればあっち立たずで、思考はいつもの様に壁にぶちあたり途中放棄してしまう。ホントどうすればいいのだかわからない。今、五百万円を貸すから何とかこの建て直せと言われても多分断るだろう。五百万とか一千万で何とかなる問題じゃないような気がする。逃げる様に一時間ほどポルトガル語の勉強に向かう。今週は毎日ポルトガル語で日記を書くことが出来た。予習と宿題も完璧に出来たし、個人授業でM先生に誉められる。女性に誉められると昔から図に乗るのが桃井章のいい(悪い)癖で、今日も授業が終わった後一時間ほど余裕があったので、マックに入って100円の珈琲で勉強してしまう。そう、してしまうのだ。中学、高校と女性教師ばかりだったら桃井章はT大に入っていたかもしれない……なんて与太を続けて問題が逃げたい気分だけど、現実はコレドと桃井章に深刻な問題が襲ってきているので、店でお客さんが来るまでの時間この一年間のイベントスペースとバーカウンター別の売上データを作り、分析にかかる。結果、どの様に足掻いてもバーカウンターだけでは月売上が百万にしかならず、最低月に二百万かかる店はやっていけないということが数字で実証されてしまった。じゃどうすればいいんだ?ここでまた堂々巡りに入る。そしてそこから逃げる為に女性に甘えたくなる。話したくなる。最後のお客さんのHさんは一時半に帰ったのに、一時間程店の行く末を考えるという名目で誰もいない店に一人いたのは、フラッと女性客が一人で舞い込んで来るかもしれないという淡い期待があったからだ。でも、その期待も虚しく、待っている間にいつの間にかウトウトしていて気づいたら四時すぎ。お店の行く末についても女性についてもどれだけ真剣に悩んでいるのか分からない。コレドのホームページのアドレスイベントスペースの使用要項などご参照ください。