10月12日のブログで緩和ケアと在宅医療をテーマとした研究会に参加したことを書きました。 この会場は、がん治療最先端病院だったのですが、そこの外科系医師が、「我々が、エビデンスに基づいて、ここまでだ(これ以上の治療はするべきではない)と患者に説明すると、患者は他の病院で何か出来ることは無いかと回り始める。 ところが、こうした病院、中には緩和ケア医までもが、意味も無い化学療法や治療を提案し、拾い集め始める。 これでは、患者は切り替えるチャンスを無くしてしまう。」
+++++++++++++++++++
お元気でしたか?ここをクリックお願いします。
人気ブログランキングの「緩和ケア医の日々所感」をクリックしていただけるとここにもどってきます。
+++++++++++++++++++
この言葉を聞いた瞬間は、心は反発しました。
しかしながら、 “治療はここまでだというと患者は失意に立ち直れないだろうからあまり効くとは思っていないけれど、治療を小出しにして続けていく” と主治医が言ったあるケースに院内で関わるほど、この外科系医師の言葉が繰り返し頭に浮かんでくるようになりました。
嘔吐で苦しみ、疼痛で一時は鎮静までかけた患者さんが、やっと今週に入って落ち着いたかと思うと、明日適応外のほとんど効果がない抗がん剤のオーダーが入っていました。 病状説明が十分要っていて、どのような状況になっても、とことんやり続けて欲しいと言われているならまだしも、人生に沢山のやるべきことを持っている方にこれでは・・・・ かなり前にセカンドオピニオンを他の診療科医に求めるべきだと患者さんに伝えましたが、未だにそうされていません。
緩和ケアはサポーティブ・ケアです。 でも、それは、治療医がしっかりとした医療を行っていてサポートする意味が出てきます。 また、主治医で無い限りは病状説明はできません。 ただ、この7月頃には家族にストレートに話ました。(その時見学に来ていた学生さんは、目を白黒させていました・・これって緩和ケアなのですか??って) でも、このままでは患者さん自身が、人生の自己決定のタイミングを失ってしまいそうです。 主治医の言葉は、一見患者のためのように聞こえますが、現実を説明できない自分の保身のためではないかとまで最近は感じるようになりました。
+++++++++++++++++++++++++++
ここ、クリックお願いします。人気ブログランキング参加中です。
今日も、お付き合いくださりありがとう。明日も、来て下さいね。
+++++++++++++++++++++++++++
今日はあんぐり続きでしたね。
明日の治療は予定通り行うそうです。
主治医と同科の別の医師と副作用のことなどQOLをさげるようなことを本人は望んでいるのか?副作用のICもちゃんといっているのか??と突っ込んだらちゃんと説明もしてるし本人同意のうえだ。そこになんでとやかく言われるんだ!!!と切れられ、悔しさのあまり上司と話していて泣いちゃいました。。。
彼にとってこの選択は正しいのでしょうか?
もっと大切にしてほしいものがあると思うんですが私がそう思い込んでいるだけなんでしょうか??
彼は少しでも長く生きたい、そのためには勧められる治療はどんなことでもしたいと思っているんでしょうか。
きっと答えは「お任せします」な気もしますね。
私が心配している以上に治療を始められるということに彼は前向きになっているんでしょうか。
悩んでも答えがでませんね。
明日の結果次第ですね。
先生、また相談にのってください。
主治医がしっかりと正しい見解を言ってくれて、私どものところに来てくれたときには問題は少ないのですが・・・。
実は、昨日、まだ抗がん剤や放射線治療をやったほうがいいと思われる患者さんを、主治医に連絡してお返ししました。主治医に電話で「緩和治療を望んで相談しに来ています」とお話したら、びっくりしていました。主治医の意向をお話したら、患者さんやご家族は安心して帰られましたが、緩和ケアの医師が一通りのがん治療を知らない場合は、問題ですね。私たちはセカンドオピニオンも求められているように思います。
先生のいる立派な病院で、疑問に思うような治療をされているのも、主治医のコミュニケーション不足があるのかも?時間がなくても、あるように見せて、患者さんとゆったり話したいものです。難しいですが・・・。
私がいるところは、がん専門病院ではなく高度総合病院という位置づけで(何それ??って言われます)現場では普通にあることが普通に起きています。ただ、それをチーム医療でオープンネスにしていっているところは頑張っている所だと誇りに思っています。
先生が書かれているように私も緩和の立場でありながら、治療を進めることも少なくありません。ご指摘の通り、がん治療を学び続けなければならないなあと痛感しています。
全く同じ意見です。
テレビ等で、ホスピスって天国みたいなところだと報道されがちです・・・。先生も前に書いておられました。
一般病棟の緩和ケアも、緩和ケアチームに相談しない主治医が真っ先に悪者に・・・。みんな、悩んでいるのに。なんだか、私たち以上に、現場をきちんと知らない人間が先走っているようです。悩んで、落ち込んで、それでも続けていくことが大事だと感じています。あきらめないで静かに燃えていきましょう。(ああ、燃えてもいけませんね)
悔しい思いをしても、他人が変わることを期待すると、さらにその相手が憎くなってしまって、もっと変なほうに変わってしまったりします(よね)。ごめんなさい、先生のほうが1年先輩。今、出来るだけのことを、今までどおり続けていきましょう。同じ思いの仲間と一緒に。
それが本当に患者さんのためになっているのでしょうか?
自分たちの主張や信念を患者さんに話すことで、患者さんを惑わせているという自覚はありますか?
患者さんの気持ちを考えているおつもりですか?
私は腫瘍内科で看護師をしていますが、同じようなドクターがいて、患者さんが非常に気を遣い、悩み、苦しんでいるのを見たことがあります。
いろんな意見を持っているドクターがいるのはいいと思いますが、患者さんのことを一番に考えてほしいです。
突然失礼致しました。
ここに登場してくれるさチキンは、緩和ケアチームの看護師さんではなく、病棟受け持ちの看護師さんで、患者さんの立場で患者さんを一生懸命守り主治医と話し合ってきた看護師さんです。これはご理解頂きたい。そのことを一番わかっているのは患者さん自身だと思っています。
疼痛の一時悪化で、主治医不在の中、家族や仕事などの状況はわからないまま、静注モルヒネ1400mg投与下で緩和ケアに鎮静導入が一任されミタゾラムの併用を開始しました。呼吸数を見ながら、眠りの状態と疼痛の状況を、モルヒネのレスキューを保留にしながら調整を続けました。そのまま疼痛緩和に至れなかった時は鎮静が続き、ご家族とのコミュニケーションも十分取れなくなるところでした。幸いケタラールが疼痛に奏功して鎮静は中止でき、数ヶ月ぶりに嘔気も疼痛も無い状態に落ち着かれました。そこから直ぐ始まろうとした抗がん剤治療、これが、十分効果が期待できるものなら異論は無かったと思います。本文に書いたようにそうではないものであったため、今他になすべきことがあるのではないか、これは、患者さんにしかわかりませんので、症状が落ち着いたからこそ、患者さんに直接話しました。人生という大きな流れの中での説明が主治医からなされていない中、仕事のこと、家族とのこと、鎮静の後でやっと聞くことができました。
これを契機に、患者さんはご家族に時には泊まるなどができるよう仕事の調整に入ってくださったことは本当に安堵しました。症状が落ち着いている今週末こそご家族とよい時間を持っていただけたらと願っています。週明けからまた、その抗がん剤ではないのですが、治療を開始されるようです。
直ぐに始めてもらわなかった化学療法が患者さんから主治医に伝わったとはいえ、そこに異を唱えたのは私自身であり、そのことで患者さんを大変悩ませたことも事実です。
今回のことは、単なる化学療法をするしないの問答ではありません。
症状だけをとってくれればよいと主治医から依頼されることがありますが、家族への説明なくしての緊急鎮静などサポートチームとしては責任を持ちきれないものがあります。また、落ち着けば、そうしたプロセスもまた意識の外になってしまい、治療をし、また症状が出て、依頼が来て・・
これ以上時間が経ってはいけないと、治療に待ったをかけ、仕事や家庭の状況を意識が良い状態でお伺いし、無いことを願っていますが再度鎮静を必要とした時に患者さんもご家族もそんなはずではなかったと思われないようにしたかったのです。
症状をとる緩和ケアだけではなく、安全という命題にどう答えるかということで幾度も自問しました。
砂肝さんにおかれましては、本文やコメントを読まれて、これは違うという気持ちを感じられたのでしょう。十分伝えきれなかったこと、すみません。また、コメント頂けますと幸いです。
ただ、医療はチームで行うものですので(特にがん治療はそうだと思っております)、主治医との話し合いを十分に持たないまま、違う方針を提案された患者さんの苦悩を思うと、果たしてそうすることがベストであったのか疑問です。
もちろん私には詳しい事情は分かりませんので、正しいとか間違っているとかは言えないのですが‥。
主治医の方針に疑問を持った場合、その主治医がどんな人格であろうとも、患者さんのところへ行く前に、主治医とじっくり話し合うことが必要だったのではないでしょうか?そんな時間はなかったとおっしゃられるかもしれませんが、そもそも主治医と普段からコミュニケーションをとっていれば、こんな事態にはならなかったのでは?
患者さんにとっては、どちらも信頼できるドクターには変わりないと思います。だからこそ、苦悩も大きいのではないでしょうか。
医療職にどっぷり浸かってしまうと、なかなか患者さんの立場になって考えることが難しいと思います。
患者さんにとって、医師や看護師がどういう存在であるのか、自分の患者さんに対する発言の影響力がどの程度のものなのか、そういうことを私自身いつも忘れないようにと思っています。
患者さんは想像以上に医療者の様子を観察しています。医師同士はもちろんのこと、医師や看護師が仲違いしていたのでは、患者さんへの影響がとても心配です。
それから、私も医師に治療方針について意見を言うことがありますが、怒鳴られたことなどありません。
ストレートに言ったのでは、誰だって怒るにきまっています。看護師であれば、コミュニケーションスキルを生かし、よく考えてからおっしゃったらいいのではないかなと思いました。
怒鳴られたからって泣くなんて、ちょっと恥ずかしい感じがします。
医師と患者さんの関係を良好に保つのも看護師の仕事だと思いますので、医師と看護師の関係が悪いのでは、元も子もないと思います。医師が看護師よりも忙しく、プレッシャーやストレスが多いのはどこの病院でも一緒だと思いますので、そういう点を尊重したうえで、コミュニケーションをとったらいかがでしょうか?医師だって人間ですから、自分の考えを真っ向から否定するような言い方をされたのでは、憤慨するのも当然のことです。
「最後までがんと闘ってやる」という強い意志を持って、少ない可能性にかける患者さんもいます。その頑張っている姿は、家族や周囲の方や私たちに、いろんなことを伝えてくれます。
多額なお金をかけて民間療法にすがる方もいれば、治療を一切しない方、苦痛を取ることを最優先にする方、CPRを望む方、がん患者さまの生き方は様々です。
「彼にとってこの選択は正しいのでしょうか?」それは、医療者が決めることではないのではないでしょうか?ご本人が説明を聞いたうえで決めたことです。結果から周りがどうこういうことは簡単ですが、ご本人の意見がすべてです。ご本人が決めたことを、できるだけうまくいくようにサポートするのが私たちの仕事ではないでしょうか?副作用が出てしまったのであれば、それをどう軽減していくか、できるだけ苦痛のないようにするのはどうしたらいいか、それを考え実行するのが私たちの仕事であって、情報を提供されたうえでご本人が決めたことを正しいだの間違っているだのを言うのはおこがましいことだと思います。患者さんの決定したことを、尊重し支えていくことが、今すべきことではないのでしょうか?
長文失礼致しました。
若輩者ゆえ、感情的になってしまい、読みづらいところが多々あるかと思いますが、お許しくださいませ。
貴重なご意見ありがとうございました。