がん対策基本計画から10年
当たり前のように
「早期からの緩和ケア」
「診断時からの緩和ケア」
と言われるようになりました。
ところが・・・
市民の方から、
緩和ケア外来に行ったら、
「癌治療が終わってから来てください」
と言われたとか、
「まだ早い」
と言われたとか、流れに逆行していることが
専門的緩和ケア従事者から言われていると
何度も耳にしました。
まさか・・・と思うことも度々でした。
緩和ケア病棟がある病院の支援に行くようになって、
本当にそうした会話が普通にされていることを知り、
心底驚きました。
「がんの治療が終わったら緩和ケアに・・」
でも、それは、よくよく話を聞いていると、
「癌治療を行っている病棟」から
「緩和ケア病棟」への転棟のことを
そう表現しているようなのです。
緩和ケアに従事しているものは、
全体を包括した言葉としての
「緩和ケア」と、
緩和ケアの中の一部の役割を示す
「緩和ケア病棟」とを
意識して分けながら説明しなくてはいけないことを、
ごっちゃにして説明していました。
だから、その病院では、緩和ケアチームへの依頼も、
死が近くなったからという意識が抜けておらず、
患者さんにもそういうイメージが蔓延していました。
当然、依頼数は多くありません。
さらに、症状緩和のスキルが
急性期病棟の医療に適応していませんでした。
緩和ケアなら、検査もしない・・わけはありません。
ちなみに、今所属している大学では、
多分、どの診療科より、身体所見は詳細にとり、
全身評価を行っているのが緩和ケアチームです。
はあ・・、自施設だけではだめなんじゃないかな・・
2月5日は札幌へ
http://www.kanwacare-atarimae.com/event01.html
2月12日は東京丸の内で、
厚労省委託事業の市民公開講座です。
http://www.kanwacare-atarimae.com/event02.html
もうすでに、200人以上の申し込みのようです。
こうした経験を踏まえて、多くの方にメッセージを送りたいと思っています。
2月12日は、市民公開講座のあと、
医療者向けのセッションになります。
http://www.kanwacare-atarimae.com/event03.html
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