緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ガバペンチン!

2008年04月02日 | 医療

80代くらいのご高齢の悪性骨髄腫の患者さん。
痛みで身動きができず
血液内科から外来に急な依頼がきました。

骨髄腫による骨変形が強いのですが
非ステロイド性抗炎症薬は最少量との条件。

モルヒネ徐放剤のMSコンチンを240mg内服され
眠気でほとんどうとうとするほど十分な増量にもかかわらず
体を動かすと突出的な疼痛が走るため
外来受診もストレッチャーでした。

主治医の診療科にベットの空きはないとのことで
外来通院で除痛を行うことも条件でした。

ガバペンチンについて説明し、了解をもらい
(200mg) 2錠 分2
高齢で、眠気も強いので200mgから増量すべきか
悩んだのですが、
疼痛があまりに強いこと
肝・腎機能は良好であったこと
何か気になることがあったら電話を頂くことで
結局、上記のように400mg/日でスタートしました。

結果、MSコンチンは60mgまで減量し
外来には、車椅子で来院
眠気も改善しました。

普通に座って、
ニコニコしながら話ができるようになって
本当に、本当によかった~


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (ゆきんこ)
2008-04-06 23:58:35
やっと暖かくなってきてうれしく感じる毎日です。雪国に住んでいるのに寒いのが苦手なんです。ガバペンチン、私が今一番気になっているお薬です。海外ではよく使われているようですが、先生は補助薬を加える時1番にガバペンチンの使用を考えるのでしょうか?どんな時に追加するのか是非教えてください!
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ガバペンチン早く使いたいです (みのれな)
2008-04-07 20:58:34
ガバペンチン、良さそうですよね。アメリカではファーストチョイスだとも聞きますが・・当院でも使いたいと薬剤部に新規薬剤申請したら、まずは鎮痛補助薬全般を院内の倫理委員会にかけて通してからにしてくださいね、と宿題を出されてしまい書類作成に追われてます。テグレトール同様、保険が認めてもらえるように、症状詳記も頑張って書いて出すつもりです。緩和ケア学会も取り組んで下さっているのでしょうね・・・早くどの薬も気軽に使えるようになって欲しいです。
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適応 (aruga)
2008-04-07 21:37:57
ゆきんこさん
こんにちは。雪国の方は、春のありがたさや美しさを本当にご存知なのだと感じます。
ガバペン・・海外文献を何本も読んだ結果・・ 1stラインは、三環系抗うつ薬・SNRIまたはガバペン。2ndラインは、電激痛に抗痙攣薬またはバクロフェン、持続痛にはその他の抗うつ薬または抗不整脈薬。ですから、上から順に適応を考えていきます。三環系は、心血管系副作用、精神作用などで結果的に除外され、SNRIは増量し効果がでてくるのに三環系より時間がかかり量も結構増やさなければいけない等から、結果的にガバペンを選択することが増えてきています。

みのれなさん
こんにちは。適応外投与ですから、副作用や目的、代替薬などについて十分な説明が必要ですよね。院内周知してもらう努力も求められますね。現在、プレガバリンが補助薬として治験中とのこと、ガバペンチン(ガバペン)については学会の動きはないと思います。現場の症状詳記の積み重ねが動かしていくようです。がんばりましょうね。
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ありがとうございます! (ゆきんこ)
2008-04-07 23:15:29
いつも丁寧に教えていただきありがとうございます。先生、その内容を記載している文献を探すキーワードは、ガバペンチン、鎮痛補助薬で検索可能ですか?私、検索下手で取り寄せてみても???な内容のものになることがあるのです。かなり検索しているのですが、、こんな平凡な質問してしまい、すみません。
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ゆきんこさん (aruga)
2008-04-10 22:24:06
英文の論文なので、それを英訳した単語で検索になります。10本以上は読みました。
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お久しぶりです (佐々木)
2008-04-19 22:57:10
以前コメントした医療センター卒業生です。今、シドニーの病院で働いているのですが、こちらでは、ガバペンチンは、脊髄損傷患者や痛みに、普通によく使われます。が、こういう痛みにも効くとは!勉強になります。
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佐々木さん、こんにちは! (aruga)
2008-04-20 22:50:19
シドニーは秋でしょうか。お元気でご活躍のことと思います。
脊損の方にもそちらでは普通に投与されるのですね。私は、数えるほどしか脊髄損傷の方への投与経験はないのですが(がんが大多数のため)、手ごたえはよかったです。私こそ、勉強になります。また、そちらでの投与状況をお時間があるときにでもお教えください!
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私は効果がなかった様子 (はた坊)
2009-08-20 08:51:22
私は、『筋筋膜性疼痛症候群』らしく、【プレガバリン】【ガバペンチン】を、使用してみました。疼痛をとめる効果は、あまり期待できませんでした。人によって、それぞれの症状によって、効果のでる場合・効果の目立たない場合などがある様です。効果がないからと、【むちゃ飲み】しないで、使用限度量を守って下さいね。痛みから解放される日を、祈っています。
因みに、今は市販の筋弛緩薬・鎮痛薬を使っています。
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はた坊さん (aruga)
2009-08-21 23:51:18
貴重なコメントを頂き、ありがとうございます。治療への取り組みに心が打たれます。痛みが少しでも癒えますように。
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