プロメテウスの政治経済コラム

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今週の国会  道路財源めぐり攻防激化  現実味を帯びる「日切れ」 

2008-03-23 17:53:22 | 政治経済
3月年度末を目前にした今週の国会は、2008年度予算案を審議している参院予算委員会での論戦や、道路特定財源問題をめぐり、与野党の攻防が激化することが必至の状況だ(「しんぶん赤旗」3月23日)。歳入関連法案(日切れ法案)の年度内成立が差し迫った焦点となる。民主党が対決姿勢を強める揮発油(ガソリン)税の暫定税率だけでなく、他の租税特別措置も審議停滞で期限切れとなる可能性が出てきた。与党は、民主党が参院に提出している歳入・税制関連の「対案」が可決された場合、政府案が否決されたとみなし、政府案の衆院での三分の二以上による再可決という奇策を再び狙っているという。なにはともあれ、参院予算委員会や各委員会など国会の正規の場で徹底審議を行うことが先決だ。

民主党の鳩山幹事長は22日朝、TBSの番組で、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案など税制関連法案をめぐって与党が呼び掛けている修正協議について、「暫定税率の廃止と道路特定財源の一般財源化の2つは切り離せない。先送りはダメだ、今ここでやるといってくれなければ信用できない」と強調。福田康夫首相が国会での答弁などで確約しない限り、修正協議には応じられないとの考えを示した。 これに対し、同番組で同席した自民党の伊吹幹事長は、暫定税率維持の必要性を強調したうえで、議長斡旋について「両院議長が週明けに行動する。議長が判断すれば従わなければならない」と述べ、年度内採決に向けた議長の調整に期待感を示した(「読売」3月22日)。

参院予算委員会では24日午前に一般質疑が、同日午後に外交・防衛問題に関する集中質疑が行われることが決まっている。25日には公聴会が開催され、その後、さらに一般質疑や集中質疑が行われる予定である。自民、公明の与党は、2月29日深夜の衆院本会議で、2008年度予算案とガソリン税の暫定税率10年延長を盛り込んだ租税特措法改定案を含む歳入・税制関連法案の採決を強行・可決した。予算案は憲法60条の規定により、衆院から参院に送付されてから30以内に議決されない場合、衆院の議決が国会の議決となり、「自然成立」する。一方、歳入・税制関連法案については、この規定の適用はない。現在、参院での審議日程はまったく立っておらず、年度内に成立しなければ、暫定税率は期限切れとなり失効する(「しんぶん赤旗」3月23日)。

国会が現状のまま推移すれば、政府案は年度内に成立せず、4月からガソリンが一リットルあたり約25円下がる。しかしその場合には、政府案にあるすべての「日切れ措置」も失効することになる。土地売買時にかかる登録免許税の軽減措置、オフショア取引での預金利子の非課税措置、関税暫定措置法など3月31日で期限切れになれば、税負担が大きく変動する可能性もある。民主党内には、そのことへの国民の批判を懸念する声があり、道路関係とそれ以外を切り離して「対案」を提出しているのもそのためだ(「しんぶん赤旗」同上)。

暫定税率の日切れをなんとしても避けたい自公政府・与党は、民主党の「対案」が参院で早く可決されることを望んでいる。民主党が道路関係以外の「対案」を3月末までに同院で可決させた場合、政府案の「みなし否決」と解釈し、衆院での政府案を再可決するという「奇策」が使えると考えているからだ。
憲法第59条④(参議院が,衆議院の可決した法律案を受け取った後60日以内に,議決しないときは,衆議院は,参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる)の事態となると、4月出荷分からのガソリン価格は1リットル当たり約25円下がる。
他の日切れ法案の処理も含めて今週の国会は波乱含みだ。

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