プロメテウスの政治経済コラム

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菅内閣 発足9日目で不信任決議案 発言と言動の落差は鳩山前首相以上 目眩ましに協力するマスコミ

2010-06-16 19:04:02 | 政治経済
8日に発足した菅内閣が発足から9日目で不信任決議案を提出された(与党・社民党で否決)。国民の怒りの前に退陣を余儀なくされた鳩山内閣。普天間基地問題も「政治とカネ」問題も何ら状況が変わっていないのに、都合の悪いことには目を瞑り、開き直る菅首相。ところが、発言と言動の落差は鳩山前首相以上なのに、あれだけ鳩山前首相の発言と言動の落差を報じていたマスコミも、菅首相については沈黙。普天間基地報道も、風がやんだようにパタッと止まってしまったようだ。いくらマスコミが菅・民主党の目眩まし戦略に協力しても、反省のない菅内閣の実態が露呈するのにそう長くはかからないだろう。

 衆院は16日午後の本会議で、自民党が提出した菅内閣に対する不信任決議案を採決し、与党と社民党の反対多数で否決した。7月11日投開票の参院選に向け、選挙戦が事実上スタートする。
民主党は、菅直人首相、荒井聡国家戦略担当相の各問責決議案と、江田五月参院議長の不信任決議案を嫌い、参院本会議を開かないまま葬った。都合の悪いことには目を瞑り、開き直る菅首相にふさわしいやりかただ。

 本日付「しんぶん赤旗」が菅直人首相の発言と言動の落差がいかに大きいかをわかりやすく報じている。
<「国際的状況も踏まえながら物事を考えるのは政治家として当然のことだ」
菅直人首相は、かつて自らが沖縄からの米海兵隊撤退を米国に求めると「約束」していたことと、海兵隊普天間基地の「県内移設」という日米合意を推し進めるという現在の立場との矛盾を突かれ、こう開き直りました。首相になる前となってからの発言がこれだけ落差のある政治家もいません。>(「しんぶん赤旗」2010年6月16日)

「しんぶん赤旗」2010年6月16日より

首相になった途端に「日米同盟」は「国際的な共有財産」「着実に深化させる」とまで言う菅首相。情けないを通り越して国辱である。民主党は、参議院沖縄選挙区で候補者の擁立をあきらめたらしい。沖縄県民の怒りは決して一過性ではなく、後戻りすることのない限界点を超えている。民意を読めない政権は、早晩行き詰るほかないだろう。

 菅首相が「クリーンな民主党」を訴えても、早くもその地金が見えるありさまだ。荒井聡国家戦略相の事務所費疑惑。知人宅を「主たる事務所」として届け、6年間で4000万円を超す事務所経費を計上。その経費には、マッサージ代や女性用下着であるキャミソール代まで含まれていたというのだから、どこが「クリーンな民主党」か。

 菅首相は所信表明演説で、「政権交代の原点に立ち返って」「国民の信頼を回復する」と語りながら、廃止を先送りした後期高齢者医療制度の問題や、改正を骨抜きにした労働者派遣法の問題については、いっさい頬かむり。民主党のスローガンの「国民生活が第一」も投げ捨てたようだ。

 鳩山前政権がなぜあのような失敗をしたかということから教訓を引き出すにあたって、民意にそって教訓を引き出すのではなく、反動的に米国には忠誠を誓う、財界への追随を明確にする、この道に踏み込み、ここに“後ろ盾”を得て『長期・安定』政権をめざす――これが菅政権の本質的な路線なのだ。
 いくらマスコミが菅・民主党の目眩まし戦略に協力しても、反省のない菅内閣の実態が露呈するのにそう長くはかからないだろう。

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