プロメテウスの政治経済コラム

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混迷 教育再生会議  即刻廃止を! 無駄な経費はごめんだ!

2007-10-19 18:31:33 | 政治経済

町村信孝官房長官は926日の記者会見で、教育再生会議について「引き続き活動していただく。会議の報告を実現していく姿勢は、福田内閣でも変わらない」と表明した。また、「文相、文部科学相を経験した私が官房長官にいるわけだから、教育問題をおろそかに扱うことはない」と強調した。ただ、12月にとりまとめが予定されていた第3次報告は、「努力目標は12月らしいですが、充実した報告書をまとめるにあたって、いつでなければならないという会議ではない」と述べ、とりまとめを急がない考えを示した(産經新聞9261520分配信)。

この発言について、教育再生会議事務方は「まだ今後のスケジュールは決めていない。官房長官の個人的な考えとして、年内には間に合わないという一般論を述べたのではないか」と困惑気味である(「しんぶん赤旗」101日)。

927日のNHK番組では、渡海紀三朗文部科学相が、同会議が今後議論する重要なテーマに挙げている教育バウチャー(利用券)制度について、「これで学校を選択するといっても地域差がある。義務教育という憲法26条で保障されている権利が国民に担保されるのか。差ができる心配がある。教育には競争原理になじまない部分もある」と慎重姿勢を見せた。同番組では、増田寛也総務相も「地方、とくに中山間地域では(バウチャー制度は)まったく考えられない。地域の実情をみてもっと議論する必要がある。地方部では、あそこ(再生会議)でなされている議論でどうかなというのはある」と不信感を示した(「しんぶん赤旗」同上)。<o:p></o:p>

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中央教育審議会は1015日、道徳教育のあり方を議論する専門部会(主査=本田和子前お茶の水女子大学長)を開き、「すべての子どもたちに高い規範意識を身につけさせる」ためとして、徳育を「従来の教科とは異なる新たな教科」に格上げし、指導内容や教材を“充実”させることを提唱した教育再生会議提案の「徳育の教科化」について議論した。部会では「道徳教育の充実を掛け声倒れに終わらせないため、教科化を一つの有力な選択肢とすべきだ」との意見も出されたが、「良心の自由との関連などハードルも多く、決めるのは拙速だ」「教科にすれば重視されるというのは安易だ」など反論も相次ぎ、本田主査が議論を引き取り、教科化については「一つの選択肢」と指摘するにとどめて部会での議論をまとめる考えを示した。道徳を新たな教科とするには時間が不足しており、教科化が見送りとなることはほぼ確実である。改悪教育基本法のもと、すべての子どもに「規範意識」を持たせるためとして徳育の教科化を狙ってきた安倍「教育再生」路線の事実上の破綻が濃厚だ(「しんぶん赤旗」1016日)。

 

そもそも、教育再生会議が安倍内閣の発足とともに内閣直属の機関として20061010に設置されたときから、この会議そのものが無責任な素人の井戸端会議に過ぎないとういう批判が多かった。会議は、安倍のお友達であり、事務局長である山谷えり子が持ち込んだテーマが議論されることがしばしばであるが、これらは産経新聞日本会議等により支援・設立された私的組織日本教育再生機構の影響を色濃く反映したものであると指摘されていた。山谷の主導で行われた人選は、委員には教育現場の経験者が二人のみで、教育問題を専門に研究している学者が一人もいない。

福田内閣は教育再生会議を存続させたが、安倍の辞任後会議は開かれていない。福田内閣は同会議のあり方を含め、安倍「教育再生」路線を根本的に見直すべきだ。これ以上の無駄な経費はごめんだ!


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