プロメテウスの政治経済コラム

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文大統領は口だけではなく実行をー「平和経済」非難した北朝鮮

2019-08-18 18:30:53 | 政治経済

 韓国の文在寅大統領が北朝鮮から厳しく叱責された。米日韓の枠組みに囚われたままで南北融和を口にしても何も進まないことを早く自覚せよということだ。

 北朝鮮の対南組織である祖国平和統一委員会(祖平統)は16日、報道官談話を通じて、文大統領の光復節演説を非難し、「我々は南朝鮮当局者らとこれ以上話すこともなく、再び向かい合うつもりもない」と述べた(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34121.html)。

 最近の文在寅韓国大統領には失望させられることが多い(http://kenpo9.com/archives/6229)。
文大統領の光復節演説は、▲「責任ある経済強国」▲「大陸と海洋を共にする平和と繁栄を先導する橋梁国家」▲「統一にむけた平和経済」と決意だけは華々しいが、「部下が書いたものを読み上げるだけの人」(祖平統報道官談話)と揶揄される有様である。なぜなら、米日韓の枠組みの中で米国の顔色を窺い、日本政府とコップのなかの争いをするばかりで本気で南北融和を進める腹を固めたのか、口先だけなのか、ふらついているように見える。 

本気で南北融和を進めるのなら、なぜ米国との軍事演習を続けるのか。南北融和を進める気があるなら、北朝鮮を仮想敵国とする米韓合同軍事演習を止めるべきでないのか。また、なぜ「共和国の北半部全地域を攻撃するための精密誘導弾、多目的大型輸送艦などの開発や能力の確保を目標にした『国防中期計画』」を策定するのか。そして文大統領がもっと生ぬるいのが南北統一のロードマップだ。光復節演説は、遅くとも2045年までに朝鮮半島の統一を実現すると。その前に、2032年に、ソウルとピョンヤンで五輪の共同開催を実現すると述べた。あまりにも遅い。2032年はいまから13年後だ。2045年は更に10年以上も先だ。

安倍政権が韓国に対する経済報復措置に乗り出した核心的意図は何か。今回の経済報復を通じて韓国政府の方向性をもう一度2015年の朴槿恵政権時期の外交路線(米日韓の冷戦構造の枠組み)に戻そうということだ。「昨年から南北和解と朝米対話が進展したことにより、米国と日本が同盟を結んで韓国を朝鮮半島で唯一の政権と認め、東アジア冷戦構造で米日韓がソ連・中国・北朝鮮と対峙していたもう一つの65年体制も動揺している。日本は請求権協定体制の動揺だけでなく、南北の和解に対してもブレーキをかけるため、強力な対応に乗り出している」のだ(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/34107.html)。
米国にも日本にもいい顔して冷戦構造の歴史的転換を成し遂げることが出来るほど現実は甘くない。


 北朝鮮は「先朝米会談、後南北対話」の基調を明確にし、韓国に対してはきちんと準備を求めるメッセージを送った。祖平統の談話は「南朝鮮当局が今回の(韓米)合同軍事演習が終わった後、何の計算もなしに季節が変わるように、自然に対話局面が訪れると妄想しながら、これからの朝米対話で漁夫の利を得ようと首を長くして待っているが、そのような叶わない未練は前もって断ち切った方がいい」と述べた。文在寅韓国大統領は、この忠告を真摯に受け取るべきだ。南北朝鮮の統一の話もいいけれど、まず南北融和の実現だ。文大統領は、金剛山観光や開城工業団地の再開に今すぐにでも取り掛かるべきだ。

 




 


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