プロメテウスの政治経済コラム

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働き方法案、実質審議入り=与党、連休谷間に強行 フランスの2倍以上働く日本の男性労働者

2018-05-02 17:46:31 | 政治経済

衆院厚生労働委員会は2日午前、安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案の質疑を行い、実質審議入りした。政権の不祥事続発で立憲民主党など6野党が審議拒否を継続する中、与党は委員会開催を強行。6月20日までの会期内を睨んだ審議時間の実績作りである。大型連休谷間の審議を単独で強行してでもご主人の財界に奉仕しようとする反労働者的執念である。

労働時間論と過労死研究の最大の古典であるマルクス『資本論』は、労働力商品の売買について、売り手(労働者)と買い手(資本家)にとって「どちらも等しく商品交換の法則によって保障されている権利対権利」という「二律背反」が生じるという。この衝突は、総資本家と総労働者の力ずくの綱引きで決着をつけるしかない。「資本主義的生産の歴史では、労働時間の標準化は、労働時間の制限をめぐる闘争ー総資本家すなわち資本家階級と、総労働者すなわち労働者階級とのあいだの闘争ーとして現れるのである」

日本の資本家階級は経団連に集結し、官僚、政治家を買収して労働時間の制限を取っ払って労働者が過労死するほどの超長時間労働を押し付ける力を持っている。これに対抗して労働時間の制限を勝ち取らなければならない労働者側は、連合という御用組合が主力で、味方である共産党の支持率は10%にはるかに及ばない。

欧米の労働時間の制限をめぐる闘争の成果を受けて1日8時間、1週40時間という立派な労働基準法を持ちながら、資本家階級がザル法化することをミスミス許している。その結果、日本の男性労働者はフランスの2倍以上働く。ドイツでは、1日10時間を超えて働くことは法律で禁止され、また6カ月間の平均で1日8時間を超えて働くことが法律で禁止されている。年間30日の有給休暇は100%消化である。

昨日、5月1日は労働者の日“メーデー”だった。メーデーは労働時間を8時間に短縮するとともに賃金を据え置く、つまり労働時間短縮による実質的な賃上げを求める運動を毎年5月1日に全米で行うことを1884年に決めたのが始まりである。「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は俺たちの好きなことのために」がスローガンであった。日本でも、第89回メーデーが全国307カ所で開かれ、15万人以上が参加した。労働者は、団結して闘わなければ、自分たちの運命を切り拓くことはできない。

 


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