プロメテウスの政治経済コラム

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鳩山首相元2秘書 起訴  首相も幹事長も献金疑惑の民主党  あきれる言行不一致

2009-12-25 18:59:44 | 政治経済
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(「友政懇」)をめぐる偽装献金事件で、東京地検特捜部は24日、政治資金規正法違反罪で、会計事務担当だった鳩山氏の勝場啓二元公設第1秘書を在宅起訴、会計責任者だった芳賀大輔元政策秘書を略式起訴した。一方、小沢一郎幹事長側への西松建設からの違法献金事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた小沢氏の公設第1秘書大久保隆規被告の初公判が18日、東京地裁(登石郁朗裁判長)で始まった。鳩山氏も小沢氏も「知らない」「秘書がやった」と言い訳するだけである。首相は、かつて「秘書の行為の責任は議員の責任だ」などと自民党を批判し、小沢氏もつい最近ソウル大学で、「言い訳するな」「自分自身でやったことは自分自身で責任を持つことが人間として一番大事」などと講演した。首相も幹事長もあきれ果てる言行不一致である。民主党は小沢氏についても鳩山氏についても、党として疑惑を調査し国民に説明しようとしない。小沢氏、鳩山氏は言わずと知れた民主党を代表する中心幹部である。これでは自民党となんら変わらない。折角、政権交代したが、民主党と自民党は「同質・同類」ということだ。

 起訴状によると、勝場元秘書は2004~08年、鳩山首相や母親から提供された資金を、個人献金や政治資金パーティー券収入として処理、同会の政治資金収支報告書に総額約3億5900万円の虚偽記入をしたとされる。また、関連政治団体「北海道友愛政経懇話会」(室蘭市)が鳩山首相の母親と姉から05~08年に計1200万円の寄付を受けたのに、これを記載せず、06~08年のパーティー券収入についても計約3000万円を水増しして記載していたとしている。芳賀秘書は、友愛政経懇話会の収支報告書に目を通していれば、パーティー券収入の記載などにウソがあることに容易に気づいたのに、それを怠った重過失により、虚偽記入を防げなかった責任が問われた。鳩山氏は特捜部に提出した上申書で、「元公設第1秘書にすべてを任せていた」と自身の関与を否定。特捜部は、虚偽記載は勝場元公設秘書の独断だったとして、首相を不起訴処分とした

 小沢氏の公設第1秘書大久保被告の裁判では、検察側は冒頭陳述で、小沢事務所が東北地方などの公共工事で複数のゼネコンに対し「天の声」を出していたと暴露した。秘書が罪に問われているのは、自ら会計責任者となっていた小沢氏の資金管理団体「陸山会」と実質的に会計業務を管理していた「民主党岩手県第4区総支部」を受け皿に、「西松」から2003年から06年までの4年間に合計3500万円の企業献金を受けとり、政治資金収支報告書には政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」からの献金のように仮装隠蔽して届け出た疑いである。西松ダイレクトでは、政治資金規正法違反となるので、ダミー団体経由としたのだ。工事受注期待の献金を身元がわからないまま支出するお人好しでバカなゼネコンはいない。小沢氏は「西松建設の社長はじめ、トップの経営者とはまったく面識がない」などと言っているが、西松建設の国沢幹雄元社長は、工事受注のために小沢氏側の要求に応じて献金したという起訴事実を認め有罪が確定している。面識があるなしに関係なく、西松からの献金で小沢氏の東北における政治力を背景に工事受注調整に動いたということだ

 鳩山首相は、自身の活動資金について「すべての政治団体の活動にかかるものに加え、個人としての政治活動、プライベートの経費についても、勝場(被告)が処理を一手に引き受けていた。長年にわたる信頼から、すべて安心して任せていた」と述べて、実態をまったく把握していなかったと主張。事件捜査の過程で発覚した実母からの巨額の資金提供についても、「知っていただろうと疑問に思うのは当然だが、私はまったく知らなかった」と重ねて釈明。02年以降の贈与税の対象が12億6千万円に上ることを公表し、修正申告した上で6億円以上納税する考えを表明した。しかし、友政懇代表の首相は本来、政治資金規正法で監督責任を負っている。また、資金の引き出しについても指示書に署名していたことを認めており、首相の関与がないと言われても誰も信用しないだろう

 税務行政に詳しい浦野広明税理士は、次のように怒る(「しんぶん赤旗」2009年12月16日)。
鳩山首相自身は、上申書を書き贈与税を払って済ませようとしているが、その程度でゆるされてよいのか最初は、故人などから献金があったように偽り、発覚すると首相自身の金だと説明し、その後は実母からの貸付、最後は実母からの贈与を受けたと次々と説明を変え、明らかにまわりをごまかす偽計を使った。これは意図的な仮装隠蔽による脱税そのものである泥棒が人の物を盗んだのがばれて、盗品を返しても泥棒であることに変わりがないように、脱税もこれと同じで、修正申告したからといって、ごまかした瞬間から脱税であることに変わりがない。これだけ多額の申告漏れを検察が本人に事情聴取すらしないのはどういうことか。中小業者に対する税務調査とはえらい違いではないか

この国では、国民が怒らないから、本当に何から何まで「強きを助け、弱きをくじく」ことが平然と横行している

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