プロメテウスの政治経済コラム

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郵便制度悪用  厚労省文書偽造事件  マスコミはもっと地に足をつけた報道を!

2010-09-21 20:45:14 | 政治経済
郵便制度悪用に絡む厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元局長村木厚子被告(54)の判決で、大阪地裁(横田信之裁判長)は10日、文書偽造を部下に指示したことを否定し、無罪を言い渡した。
この間、マスコミは大阪地検特捜部の密室での自白偏重の捜査の問題点を大々的に報じ、村木被告が逮捕された当時の障害者団体の名を騙った政官業癒着による郵便制度悪用という組織犯罪の追及という本来の任務を忘れてしまったようだ
確かに、自分たちがでっち上げたストーリーに沿うように供述調書を作成誘導し、そのストーリーに合う証拠だけを用意する検察の密室捜査は糾弾されなければならない。しかし同時に、本件郵便制度悪用事件は、自称障害者団体「白山会」にとどまらず、ほかにもいかがわしい団体が、政治家の口利きを利用しニセ証明書を発行させ、広告代理店「博報堂」なども絡んだ政官業癒着の組織犯罪の一角であったのだから、長年にわたって不正を見て見ぬふりをしていた日本郵便会社の責任とともに、利権構造こそ問われるべきであった
村木事件について言えば、課長公印を日常的に誰が保管し、その押印のためにはどのような手続きが必要かを究明することこそが問題の本質であった。

 村木被告が無罪となったことに追い打ちをかけるように、大阪地検特捜部が証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)が改ざんされた疑いがあると「朝日新聞」を先頭に騒いでいる。
検察が、自分たちのストーリーに合う証拠だけを用意することにとどまらず、客観的証拠資料を改竄するとなるともはや犯罪行為である。最高検の伊藤鉄男次長検事が「(データの改ざんは)証拠隠滅などの犯罪にあたる可能性があり、捜査せざるを得ない」と語ったというが、当然である。
同時に、改竄されたという押収データは、公判には証拠提出されなかったというから、「朝日」が誰かに頼まれて大阪地検特捜部の主任検事をスケープゴートにした可能性が強いだれが何のために国民の目を大阪地検特捜部バッシングに向けさせているのか。正義漢面して、権力の片棒を買ってでている「朝日」にも要注意である。

 自称障害者団体「白山会」が、障害者のための郵便割引制度を悪用して、大手家電販売店のダイレクトメール代を浮かし、儲けていた事件は、当時もいわれた通り、あくまでも氷山の一角である。その後の日本郵便会社などの調査で制度の悪用や、条件を満たしていない例が次々明らかになった。とくに悪用が確認された21件のうち、年間の差し出しが百万通を超していたのが16件もあったというのだから、この制度の組織的悪用は明らかであった。制度の建前としては、障害者団体への料金割引制度が適用されるためには、障害者団体としての活動実態があり、機関紙の発行にも一定の要件が求められるなど、きびしい条件がある。なぜ尻抜けになったのか。
大手広告代理店や印刷会社、家電量販店などがメール代節約のスキームを障害者団体に持ち込み、政治家が厚労省に口を利き、ニセ証明書を発行し、日本郵便会社が不正を見て見ぬふりをする利権構造が出来上がっていたからである。
日本郵便会社は、障害者団体が十万、百万単位という大量の郵便物を差し出しているということだけでも異常なことに気付くはずである。

 村木課長(当時障害保健福祉部企画課長)は2004年6月、課長の公印入りの証明書を部下の上村被告に偽造させたとして起訴された。ところが、証明書の作成を指示した事実はないとして、無罪となった。
私がよく理解できないのは、課長の決裁がなくてどうして公印を押すことができたかということである。対外的に発出する文書の公印は普通ライン部門ではなく、スタッフ部門(会社なら総務など)が保管し、ラインの人間だけで自由に押印はできない。押印を依頼するライン部門の人間は、しかるべき決裁書を添えてスタッフ部門に持ち込み、押印してもらう。
村木課長がニセ証明書を知らないという限りは、決裁していないということになる。部下の上村被告は、村木課長の決裁印をどのように手にいれたのか。決裁書をデッチあげたとすれば、村木課長の印鑑を偽造したのか。いつもと違う村木印なら、スタッフ部門は疑うだろう。そして、上村被告に決裁書起案の依頼をしたのは、一体誰なのか。「朝日」はこのような疑問こそ取材で明らかにするべきなのに、誰かの情報リークに乗って世論操作に精を出している。気を付けなければ・・・。

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