プロメテウスの政治経済コラム

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黒田総裁続投で出口戦略は遠のくばかり 待つは地獄への道

2018-02-19 18:39:27 | 政治経済

2012年末に政権復帰した安倍政権のもとで、黒田氏は13年3月に総裁に就任(前任の白川方明氏は任期途中で辞任)、政権と一体で異常な金融政策を拡大一辺倒で進めてきた。黒田氏を日銀に強引に押し込んだ安倍首相にとって黒田総裁を代える選択肢はなかったのだろう。

黒田総裁は5年前、マネタリーベース(日銀券発行残高、貨幣流通高と銀行が日銀に預ける日銀当座預金の合計)を2年で2倍にし、2%の物価上昇率を実現すると断言し、国債の大量購入を軸とする異次元緩和を開始した。さらに、2014年10月の追加緩和での国債購入額、ETF(上場投資信託)購入額の拡大、16年1月のマイナス金利、同年9月の長短金利操作導入など新たな金融緩和策を繰り出してきた。しかし、就任後約5年たった現在に至るまで、14年4月の消費税引き上げの影響を除けば、消費者物価上昇率が2%に達したことは一度たりともない。(http://diamond.jp/articles/-/160342)

日銀がこうした異常な金融政策によって資金供給を増やした結果、資金が余って投機が進み、円安や株価の上昇は続いたが、それは、輸出などでもうける大企業や株式などに投資する大資産家の利益を増やしただけだった。消費不況で景気は低迷し、事実上の財政ファイナンスで安倍政権のバラマキを支えただけだった。

株式市場も金利市場も機能不全に陥り、もはや経済指標の意味を持たなくなった。緩和のために購入してきた日銀の国債保有額は、総資産の85%を占める449兆円にまで膨らんだ。年間購入額6兆円が目標のETFの保有額も同17兆8058億円に上る。

こんなことを続けていたらどうなるか。国債買入れの限界、日銀の財務状況の悪化は避けられない。しかし、異次元緩和策を中止すれば国債暴落、政府財政の破綻、株式の暴落が待っている。確実に言えることは、黒田総裁の再任は、地獄へ向かう道であるということだ。



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