プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

政務調査費問題―バウチャーで使途明細を明らかにするのは当たり前 公明党のひどい実態

2006-12-25 18:35:58 | 政治経済
目黒区の公明党区議団と前議長(自民=11月30日に議長辞任)の政調費のむだ遣いが問題になったのは、市民団体が10月に監査請求をしたのが発端である。公明党区議団は11月24日、不正支出を認め、2005年度に支出した政調費の一部、約773万円を区に返還し、11月30日ソソクサと辞任して後は知らぬ存ぜぬの態度である。02,03年度分にも不正支出が判明しているが、返還額はゼロのままである。不正使用の一端は次のようなものである。
区議の自家用車の車検整備費や事故の修理代を調査研究費の名目で支出。05年度は約13万円、02年度も約12万円もある。沖縄県那覇市のタクシー会社の領収書(昨年9月9日)には、「上目黒3丁目→北新宿」と都内区間を記入するというお粗末さ。05年度の会議費は約146万円で、このうち98・5%は飲食費。横浜中華街の有名料理店で約四万五千円、山梨県の郷土料理店で三万円余、焼肉、イタリア料理、ホテルのレストラン、すし、天ぷら・活魚・ふぐ料理店からラーメン代まで請求している。昨年の都議選(7月3日投票)期間中は当然のように毎日、飲食費を支出。ある女性前議員は昨年11月の山梨県バス旅行で、美術館などの入場料50人分・約3万円、昼食代約7万5千円、バス代を請求。同12月は、神奈川県の土産店を“はしご”しており、ようかん店で3千円、最中店で二2680円、仕上げは海産物店の5775円、食事代約1万3千円を請求というぐあい(「しんぶん赤旗」2006年12月7日)。
自分の小遣いを税金に負担させていたのか、あるいは支持者に税金でご利益を与えていたのか。「返金し、議員辞職すれば済むというものではない、公明党は区民に説明する責任がある」(日本共産党野沢まり子区議団幹事長)というのはまさにそのとおりだ。

公明新聞(12月15日付)は、目黒区議団問題についての太田昭宏代表の陳謝と、中央幹事会が「政務調査費の基本的考え方」なるものを決定したことを伝えている。しかし、これまた公明党のいい加減さを露わにするものである。
公明党は、約4年前の2003年年1月18日の第十七回全国県代表協議会で、藤井富雄・全国地方議員団会議議長(当時)の提起を受けて、地方議会における政務調査費のあり方について次の決定をした。「一、政務調査費は、会派および議員の調査活動を行うために支出されているものである。政務調査費支出条例等に基づく支出項目に則(のっと)り、厳正に使用し、いささかも市民に批判されるものであってはならない。二、支出に当たっては、必ず帳簿を作成し、領収書を添付するなど透明性を高める。なお、余剰金が出た場合は返却する」(「しんぶん赤旗」2006年12月25日)。 一体この決定は何だったのか―党の「清新さ」をアピールするだけに使い、実際にやることはまったく正反対。信仰心の厚い人には論理は要らぬといってもあまりにもひどいではないか。

全国の自治体で、日本共産党議員団が、政調費の領収書提出を義務付ける条例改正案を提案するたびに、公明党は反対しつづけ、自民、民主とともに否決に追い込む役割を果たしている。東京都議会でも、日本共産党が昨年10月6日、今年3月30日と二度にわたり提出した同様の条例改正案に、公明党は自民や民主とともに反対し、否決してしまったのである。今回、中央幹事会が決定した「考え方」は、4年前の「決定」について一切言及しないばかりか、「近年、その使途に対する住民の関心が高まってきており」などと、政務調査費問題があたかも今回、初めて浮上してきたかのように印象づけようとしている。日ごろ、「公約実現」「実績」を最大の売り物にしている公明党の、これが実態である(「しんぶん赤旗」同上)。

議員報酬(給与)とは別に支給される補助金を使った場合、使途明細を明らかにするバウチャーを添付することは、普通の人間なら誰でも考えることである。しかし、この普通のことが出来ないのが特権階級の人間なのだ。いわく、「議会の自立性」、「他の会派に調査研究活動を知られたくない」。住民がしっかりしないと、税金が特権階級の飲み食いに使われ、身内に支給されたりという私的流用が全国ではびこることになる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「近未来通信」詐欺事件――事... | トップ | 安倍内閣3カ月―危うさと冷酷... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

政治経済」カテゴリの最新記事