プロメテウスの政治経済コラム

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新銀行東京元行員ら逮捕  中小企業金融を3セク営利企業でやる誤り

2008-10-28 14:22:51 | 政治経済
石原都知事は、新東京銀行に関する政治責任を認めようとしない。中小企業金融を3セク営利企業でやってうまく行くと考えたとするとバカもいいところだ。いくら言うことを聞かないバカ殿といっても、悪乗りして周辺で私腹まで肥やしていたとしたら、取り巻きの悪は度をこしている。3セク銀行に金をつぎ込んでもドブに捨てるようなものだ。素人は素人なりに公的機関としての中小企業支援に力を注ぐべきだ。

新銀行東京の融資をめぐり、警視庁捜査2課は27日、同行から約5000万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で、元同行行員青木千代美容疑者(56)ら7人を逮捕したという(時事通信10月27日17時34分配信)。

ど素人が、新規事業を3セクでやるほど愚かなことはない。中小企業金融を営利企業体でやるためには、長年のノウハウが要る。3セクの悪いところは、事業の難しさを知らない役人が大きな顔をして営業に口出すことにある。共同運営に呼ばれたその道の玄人は、だんだんやる気がなくなって無責任となり、金融界のことだから、うまく立ち回り、私腹を肥やすことを考える輩も出てくる。

調べによると、元行員は融資業務を担当。平成18年9月、都内の会社に返済能力がないことを知りながら、融資基準を満たすとして数千万円の融資を実行。融資金をだまし取った疑いが持たれている。新銀行をめぐっては融資審査の甘さからブローカーら詐欺グループが群がる一方、都議らの口利きも横行していたとされ、警視庁は元行員らの逮捕をきっかけに事件の全容解明を進める方針だ(産經新聞10月27日16時41分配信)。

都の役人が押しつけた過大な融資ノルマとコンピューターによる自動審査だけといういい加減さに乗じたのだろう。

東京都は、経営破たん状態に陥っている新銀行東京に千四百億円を出資しているが、その大部分はすでに棄損している。知事選の目玉として営利企業原則と両立しない無担保・無保証などのうたい文句で3セク銀行をトップダウンで設立したバカ殿石原知事とその取り巻きの政治責任は重い。ノウハウのない素人が無担保・無保証の中小企業金融を営利原則でやれるわけがない。新東京銀行の金利は高利貸しかといわれ、中小企業は寄り付かない。2008年3月末の中小企業への貸し出し残高は773億円で、大企業を含めた貸し出し総額(1895億円)に占める比率は40・8%である。結局、中小企業支援の設立目的を守って営業することができないのだから、3セク銀行は速やかに閉鎖すべきである。

傲慢な石原知事は相変わらず、同行の旧経営陣に責任を押しつけるばかりである。こんな知事の税金無駄遣いを黙って許している東京都民は本当にお人好しだ。

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