プロメテウスの政治経済コラム

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米原子力空母ジョージ・ワシントンが火災   日本の安全保障と関係ない空母は受入拒否を!

2008-05-25 20:26:33 | 政治経済
日本及び日本周辺の安全保障にとって、原子力空母はまったく必要ない。横須賀に空母が常駐するのは、ひとえにアメリカの都合である。横須賀は、先制攻撃までの時間短縮のための前進基地及び修理基地であることは明らかだ。原子力発電所で火災が発生すればどんなに大騒ぎになるか。8月から、横須賀に常駐予定の原子力空母ジョージ・ワシントンが火災を起こし、乗組員24人が治療を受けていた。こんな物騒な、アメリカの都合だけで配備される原子力空母は、アメリカに帰ってもらおうではないか。

米海軍によると、8月に神奈川県の米軍横須賀基地に配備される原子力空母ジョージ・ワシントンで22日午前8時前、エアコンや冷蔵施設、予備ボイラー室がある船尾の一角で火災が起きた。火はケーブルを伝って数カ所に広がり、一時は船体の一部が高熱を帯びたが、乗組員らによる消火作業で延焼を食い止め、数時間後に鎮火した。艦の原子炉の安全には問題ないとしている。乗組員1人が軽いやけどを負い、水兵23人が軽い熱中症で治療を受けた(「朝日」05月24日10時58分)。
米海軍は「原子炉の安全性に問題は発生しなかった」と発表したが、8月の横須賀配備を控えて米軍が正直に情報開示するとは思えない。軍事機密はつねに隠蔽されることになっている。ジョージ・ワシントンでは火災発生後、12時間にわたって総員配置となり、非常事態態勢が敷かれた。海軍報道官は米CNNテレビに対し、「深刻な」火災に分類されると語ったという(「しんぶん赤旗」5月25日)。

原子力空母ジョージ・ワシントンで起きた火災を受け、ジェームズ・ケリー在日米海軍司令官は24日、報道陣に対し「船体の損傷程度を調査した上で修理が必要となる。修理にかかる期間や場所は未定だが、日本への配備スケジュールに影響する可能性もある」と話した。 これまで米海軍は、ジョージ・ワシントンを8月19日に横須賀基地に入港させる方針を示していた(「朝日」05月24日19時44分)。

原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会は23日、原子力空母配備について質問・申し入れ書を横須賀市長に提出し、回答を求めた。
米軍「星条旗新聞」(Stars And Stripes)5月16日付は、米国下院軍事委員会が米海軍の空母12隻現役体制を保つため、退役したケネディまたは横須賀基地からの退役を予定しているキティホークのいずれかを5年以内に現役復帰させることを検討するための修正予算を可決したとしている。日本政府や市長が主張する「通常型空母が残る可能性はまったくない」という前提が崩れたわけで、至急、情報収集し、原子力空母配備でない選択肢のための行動をとることを求めた(「しんぶん赤旗」同上)。

原子力空母には、火薬庫、航空燃料タンク、離発着する戦闘機・飛行場が原子炉と隣り合わせに在るということだ。原子力発電所が火薬庫や航空燃料タンクと一緒に在り、そのうえを戦闘機が離発着する恐ろしさを想像すれば、原子力空母の火災がどんなに危険なものかわかろうというものだ。
蒲谷亮一市長や市議会は原子力空母母港化の是非を問う住民投票の要請を却下した。もしも、ジョージ・ワシントンに大事故があったら、どのように責任をとるつもりか。

ジョージ・ワシントンのようなニミッツ級の原子力空母は二基の原子炉をもち、その熱出力は百二十万キロワットといわれている(標準的な原発の熱出力は三百万キロワット)。核事故をおこせば被害が甚大となるのは必至だ。
なぜ、横須賀に原子力空母なのか。
重油を燃料にする通常型のキティホークでは四日ごとに給油しなければならない。原子力を推進力にする原子力空母は、25年間連続運航できる。重い重油を積む必要がないので、その分、艦載機用の航空燃料や武器・弾薬を積むことができる。
ジョージ・ワシントンの横須賀母港化の狙いは、ただ一つ、世界のどこであれ迅速に展開して、アメリカの意に逆らう諸国に対して先制攻撃をするための能力を飛躍的に高めることである。アメリカの都合だけで配備される原子力空母は、安保条約の規定からいっても、アメリカに帰ってもらおうではないか。

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