プロメテウスの政治経済コラム

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日本の税金で建設するグアムの米軍住宅は“超豪華住宅”

2006-05-19 18:17:04 | 政治経済
日本の税金で建設するグアムの米軍家族住宅の一戸あたり建設費(もちろん土地代を除く)が、約八千万円に達する“超豪華”住宅であることが18日、分かりました。日本国内に「思いやり予算」で建設する家族住宅の2・5倍の予算です。病院に入院するお年寄りを追い出す医療「改革」法案を強行可決する一方でのこの“異常なアメリカいいなり”ぶりには日米安保肯定派も驚くほかありません。

18日の参院行革特別委員会での共産党・井上哲士議員の質問に対し、額賀福志郎防衛庁長官は、国内に「思いやり予算」で建設している家族住宅の一戸あたりの建設費について、約三千万円と三千百万円(三寝室タイプ、最大で百四十五平方メートル)と答弁しました。
在日米軍再編で日米両政府が合意した、グアムへの家族住宅の建設費は、25・5億ドル(約2800億円)。日本政府は、約三千五百人分=三千五百戸を建設すると説明しており、一戸あたりの金額は、約73万ドル、約八千万円になります。「思いやり予算」による建設費に比べ、二・五倍に達します(「赤旗」06・5・19)

日本政府が「思いやり予算」で建設してきた家族住宅については、その豪華さが批判され続けてきました。
日本の公営住宅の平均面積は51・56平方メートル(総務省調べ、〇三年)ですから、平均で約2・7倍の広さです。グアムにつくる家族住宅はその2・5倍の費用をかけます。井上氏は「なぜ、こんなに費用がかかる豪華住宅なのか」と告発しました。
額賀長官は、建設資材をグアムの島外から搬入しなければならないことなどをあげ、「米側の説明によると、どうしてもコスト高になる」と要するにアメリカいいなりの積算であることを認めています。

今度のグアム移転合意には、高規格道路の建設が含まれていますが、既存の米海軍基地と米空軍基地の間を結ぶためのものであることも18日までに分かりました。
沖縄海兵隊の移転が、グアムに新たな海兵隊基地を建設するとともに、既存の海・空軍基地と一体化し、三軍の出撃拠点づくりを進める米国の事情による狙いの一環として進められていることを示すものです
共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書は、米軍再編「最終報告」で合意した道路について、「(グアムにある)アプラ海軍基地とアンダーセン空軍基地を結ぶ高規格道路」であると指摘。「米国からは、(現在、沖縄にいる)第三海兵機動展開部隊のグアムへの移転に伴い両基地に同部隊の施設が整備されることから、両基地間の人員の移動や物資の輸送のために道路が必要であるとの説明を受けている」としています。

そもそも米国領にある米軍基地の建設費を米国以外の国が負担する例は、歴史的にも、国際的にもありません。もともと米軍は、グアムを戦略拠点として強化する方針を打ち出しており、沖縄の海兵隊の移転もその方針の一環として行われるもので沖縄の負担軽減を目的にしたものではありません。しかも建設予算は「(アメリカから)必要であるとの説明を受けている」というだけです。アメリカのいいなりに基地建設費を負担することは、二重三重に無法なもので、決して許されるものではありません。




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