プロメテウスの政治経済コラム

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感染のピークを見通せない日本の新型コロナウイルス対策

2020-04-17 20:39:06 | 政治経済

 感染症防止対策の基本は、早期発見、早期隔離、早期治療の「三つの早期」である。ところが、安倍政権は、3月24日に東京オリンピックを1年延期することを表明するまで、政権「得意」のいつものその場限りの取り繕いに終始し目先を誤魔化するだけで初動を決定的に誤ってしまった。このままでは、欧米諸国が感染のピークを脱した後になっても、先進国の中で日本だけが、アフリカ、中東、南米などとともに感染者の激増に見舞われるという悲劇的状況が現出する可能性が極めて高い。人と人との接触を減らす(目標「接触8割減」)といっても、ウイルス検査を抑え込み、潜在的感染者を野放しにする現在の無責任な方針を維持する限り、いつまで経っても感染のピークを見通せない。

 安倍政権は非常事態宣言の発令と同時に、日々のPCR検査数を徐々に増やすことで統計上の感染者数の増加幅を拡大してきたが、発生したクラスターに重点的に対応するという基本方針に変更はない。日本では、現在、もともとの感染症医療体制の貧弱さが露呈し、感染者、特に軽症者・無症状者の収容先で今、大騒ぎしている。しかし、中国や韓国の教訓は、できるだけ検査数を増やし、潜在的感染者を早期に炙り出し、軽症者なども含めて徹底的に隔離することがピークを乗り越える王道である。

 新型コロナウイルス対策として、安倍政権は、市民に集会やイベントの禁止や外出の制限、営業自粛要請などで協力を呼び掛けている。このような危機で必要なことは、為政者が誠実無私に職務を果たしていると人々が感じ、納得することである。人々が、自発的にルールを守り、社会を伝染病から守ろうとする気にならなければ、いくら弥縫策的に経済補償をちらつかせても自ずから限界がある。コロナウイルス禍という危機的事態で日本国民は、歴代でも最悪の為政者を選んでしまった。安倍首相が誠実無私に職務を果たしているとは誰も思わないであろう。日本のコロナウイルス感染のピークが見通せない最大の事由である。


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