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Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

日常的に収集されるICUデータの力を活用する

2024年12月30日 | AI・機械学習
ICMのePubでAI関係のeditorialがたくさん出ている。2025年1月号は編集長が代わって最初の号になるので、そこで特集が組まれているのかな?

Lijović L, Elbers P.
Leveraging the power of routinely collected ICU data.
Intensive Care Med. 2024 Dec 11. Epub ahead of print. PMID: 39661137.


このeditorialは、僕がいつも考えていることをそのまま文章にしてくれた感じ。特に、
"One notable challenge associated with the secondary use of routinely collected ICU data is concern over data quality, which may affect the reliability of any derived insights. This is typically referred to by the umbrella expression “garbage in, garbage out”, implying that flawed, incomplete, or low-quality input data will inevitably lead to faulty outputs, regardless of how sophisticated the data processing or analysis might be."
「日常的に収集されるICUデータの二次利用に関連する注目すべき課題の一つは、データの質に関する懸念であり、これは導き出される洞察の信頼性に影響を及ぼす可能性がある。これは一般的に 「garbage in, garbage out 」という包括的な表現で呼ばれ、欠陥のある、不完全な、あるいは低品質の入力データは、データ処理や解析がいかに精巧であろうと、必然的に欠陥のある出力につながることを意味している。」

電子カルテや部門システムが電子化されているのでデータとして利用しやすいとは言っても、その多くは人間が入力しているので、精度がデータ利用時に大きな影響を与える。とても大事なことだと思うのだけど、ICUの医療従事者はそこまで考えて入力していない。目の前の患者さんの方が重要だから、そこに関与しないことに関心を持たないのは当然と言えば当然だけど。

2023年にChatGPTが大きな話題になり、2024年はノーベル賞でAIが2つも賞を取り、来年はさらにAIが身近になる年になるでしょう。でもAIを使おうと思ってもまともなデータが無ければ使えない。気がついたらすでに遅かった、とはならないようにするには、今が大事。
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