Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

SAH後の痙攣予防の期間

2018年06月13日 | 神経
Human T, Diringer MN, Allen M, et al.
A Randomized Trial of Brief Versus Extended Seizure Prophylaxis After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
Neurocrit Care. 2018 Apr;28(2):169-174. PMID: 28831717.


84例の1施設RCT。レベチラセタムをSAH発症後3日投与するか退院するまで投与するかで比較。痙攣は3例と1例に発生(p=0.2)。痙攣が起こったほとんどの症例で、CTでSAH以外の異常が認められていた。神経予後は有意に短期群で良かった。

早期の痙攣は予後の悪化と関連がない。
抗痙攣薬は神経の回復に悪影響を与える。

という可能性が以前から言われていて、でもほぼすべての脳損傷(頭部外傷、脳梗塞、脳出血)で予防的抗痙攣薬についてのちゃんとした研究がない、はず。
そんな中、1施設とはいえRCTが行われて、やっぱり予後に悪影響があるかもという結果を示した研究で、ちょっと意義深い。ピュアなSAHでは短期で十分かも?そもそも不要かも?
コメント
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