Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

ARDSにステロイドはねー。

2018年06月10日 | 呼吸
今月号のCCMにこの話題が2つ。

Meduri GU, Bridges L, Siemieniuk RAC, et al.
An Exploratory Reanalysis of the Randomized Trial on Efficacy of Corticosteroids as Rescue Therapy for the Late Phase of Acute Respiratory Distress Syndrome.
Crit Care Med. 2018 Jun;46(6):884-891. PMID: 29432350.

Meduri先生が、negativeに終わったNEJM2006の研究データを再解析して、ステロイドの減量はもっとゆっくりやらないとダメだということを示した。

Gerard L, Bidoul T, Castanares-Zapatero D, et al.
Open Lung Biopsy in Nonresolving Acute Respiratory Distress Syndrome Commonly Identifies Corticosteroid-Sensitive Pathologies, Associated With Better Outcome.
Crit Care Med. 2018 Jun;46(6):907-914. PMID: 29521713

治りの悪いARDS51例に肺生検をしたら、そのうち19例でステロイドが効きそうな病理像が得られた。

うーん。
Meduri先生、頑張るわー。
でも正直、あまり影響されない。
病理はちょっと、へー、とは思ったけど。

敗血症に対するステロイドもそうだけど、いつまでたっても論争が終わらない。不思議な薬だ。
大量ステロイドが有効→有効どころか有害かも→少量は有効→やっぱり無効→いやいや、効くかもよ

もういい年なので、振り子に付き合ったりする気にはならない。
おお!
という結果が出ない限り、基本的には使わないっす。
というのが個人的見解っす。
コメント
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