Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

敗血症の臓器障害と長期予後

2018年06月11日 | 感染
Schuler A, Wulf DA, Lu Y, et al.
The Impact of Acute Organ Dysfunction on Long-Term Survival in Sepsis.
Crit Care Med. 2018 Jun;46(6):843-849. PMID: 29432349.


約3万例の敗血症患者を中央値で2年以上追跡、急性期の臓器障害と長期の死亡率との関連を調査。
臓器別に見ると、神経はすごく長期予後と関連があって、肝臓はちょっとあって、凝固と腎臓はあまり関係なくって、呼吸と循環は臓器障害がある方が予後がいい。

読み込めば違う印象を持つかもしれないけど、ざっと読んだ限りでは不思議な結果。
多変量解析だからお互いに潰しあって、こんな結果になるのかしら。さすがに、おお呼吸不全と循環不全があるから長期予後はいいな、嬉しいな、と思うべし、ということではないだろう。

それよりも、ちょっとどうかしらと思ったのは。
AKIは短期予後だけでなく長期予後も悪い。その理由は一旦は腎機能が改善しても数年でCKDが発生するから。
ということになっているけれど。
それって、投入する因子によって変わるんじゃないだろうか、という疑問。
臨床への影響はないし、悩んでも仕方のないことだから、考えるだけ時間の無駄かもしれないけど。
コメント
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