Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

ICUにおけるβグルカン測定の経験

2018年06月08日 | 感染
というタイトルの、1ページのレター。

Dagens A, Mughal N, Sisson A, Moore LSP.
Experience of using beta-D-glucan assays in the intensive care unit.
Crit Care. 2018 May 12;22(1):125. PMID: 29751822.


ロンドンの教育病院。3年間で30例にβグルカンが測定され、提出から結果を得るまで平均で5日かかり、6例が陽性で、死亡率は50%だった。

所変われば検査も変わる。
日本では、病院によっては院内での当日測定が可能。慈恵ICUでもクサるほど測っている。

ロンドン、遅れているわー、という感想はダサい気がする。
頻回測定が予後改善につながっているのか、の方が気になる。

昨日紹介した研究などと関連するけど、慈恵ではトロポニンが院内で測定されない。昔からある定性検査(トロップT)しかない。
ちょっとダサいだろ、とずっと思っているけど、測定できるようになったら患者予後の改善につながるんだろうか。逆に無駄な検査や処置や処方が行われちゃったりしないだろうか。

βグルカンやトロポニンのエビデンスはあるけれど。
それなりの数、読んできたけれど。
検査って、思っているより難しくて、そう簡単に意義は語れない気がする。
コメント
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