パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

セモリナ・バゲットを焼いてみた

2008-03-30 06:41:14 | パン
日清製粉から昨年、パン用に改良したセモリナ粉が発売された。デュエリオという名前でパスタにも使えるらしい。丁度、パスタ用のセモリナ粉がなくなったので注文して使ってみた。

↑上の日清製粉のページを見るとレシピも掲載されているが、実際、海外で食べられているセモリナ粉のパンはどうなんだろう?という疑問がわいたのでsemolina bread で検索してみたところ、Pane Siciliano  というのが一般的らしい。ん?シシリアのパン?日清製粉のページにはミラノとか書いてあったが、、、まあ、いいや。さらに検索してみるとセモリナ・バゲットというのもある。これは面白そう。早速、やってみることにする。

が、、、色々調べてみると水の量を多くしないといけないみたいだ。日清製粉のページではハード系ではあるが、油脂を加えて72%を推奨しているし、海外の油脂を加えないレシピのページを見ても70~80%前半ぐらいだ。この粉、バゲットを作るにはかなり手ごわそう。初めてなので他の粉を加えて、ここは日清製粉の推奨に近い72%を目標とする。それと失敗した生地の再利用もかねて発酵種で作ることとした。
出来上がりは香りもさることながら、食感も味もいい。バターも何もつけずにどんどん食べられる。おかずさえいらない。一気に食べてしまった。食べた後で思いついたが、唐辛子風味のオリーブオイルをつけて食べればよかったかもしれない。感じとしてはペペロンチーノのパン版。でも、そんなことさえ思いつかないほどパンだけで十分おいしかった。



ミニバタール 1個分。

粉 リスドオル 50g
  デュエリオ 100g
水       110ml
塩       2.5g
発酵種     50g

MKホームベーカリーのフランスパンコースで捏ねた。
発酵種はちぎって入れた。
捏ねの時間は約10分。

オーバーナイト発酵。 成形後 室温で二次発酵 約1時間強。
焼成 ガスオーブン 蒸気を入れて

260度 予熱 230度10分 210度10分。

SOB-14でクッペ ~発酵生地でオーバーナイトレシピ~

2008-03-29 09:32:53 | サンヨーSOB-14 チャレンジシリーズ
先週末、バゲットを作るつもりで一次発酵している間に仕事に行った。30分程度ですますつもりでいたが、予想外に時間がかかり、結局、一次発酵させすぎとなってしまった。仕方がないので、これを発酵タネとして冷蔵庫に入れて保存。それから数日間、あれこれ使い道を考えた。

まず、考えたのがクッペ。せっかくだからSOB-14で作ってみた。
イーストは新たに入れず、天然酵母のように発酵生地のみでオーバーナイトで発酵させた。オーバーナイトで発酵させるので一生懸命こねたりせず、ほとんど混ぜるだけの方法。実に簡単、捏ねに別段技術を必要としない。



長時間発酵のおかげか気泡が見事に出来た。パン自体の香りも良い。
捏ねも含めてほとんど手がかかっていない。SOB-14も見事な働きをしてくれる。



クッペ6個分

リスドオル  220g
水      135ml
塩      4g
モルト    1g
発酵タネ   50g

まず発酵タネ以外の材料をボールに入れてヘラでまぜて捏ねる。ざっと混ざったところでちぎった発酵タネを入れて均等になるまでこねる。

室温でオーバーナイト発酵。

60~70gで6個に分割 30分ベンチタイム 成形。

2次発酵 40度 1時間

焼成 SOB-14 最高温度 18分
いつもどおり、霧吹きとスチームオーブン化計画の方法でスチームをおこした。

Cuisinartの石釜オーブン、いいなぁ。。。でも、SOB-14で焼き豚はおいしく焼ける!

2008-03-27 00:18:14 | サンヨーSOB-14 チャレンジシリーズ
この間の日曜日、なかなかいいバラ肉をスーパーで購入した。脂が少なくて肉もしっかりしているバラ肉だ。それにyamageigeさんの叉焼がおいしそうだったので、簡単叉焼を作ってみた。

SOB-14は母親の形見でもなんでもないんだが、安物なんだがね。。。しっかりオーブンしています。 漬けて焼くだけで綺麗にできました。

でも脂がはねている。。。。こんなことばっかりやってるから汚れるんだよな。7年使って1万円の元はとったからよしとしよう。 とは言うものの国産ではSOB-14ぐらいしかカウンタートップのオーブンはないので発売中止後に壊れたら困る。

日本こそカウンタートップのオーブンの市場があると思うのに、あっても国産はSOB-14と東芝程度でデロンギのオーブンが高い値段で売られている。アメリカでは種類が豊富なのでうらやましい。

そうそうそんなアメリカにて少量のパンを趣味で焼いたりする人の間でちょっとした話題になっているカウンタートップオーブンがある。CuisinartのBrick Oven(石釜オーブン)だ。内部は本物の(!)石で覆われていてハード系のパンがきちんと焼けるという話。オールステンレスでなんだかかっこいい。260度(!)まで加熱できて鶏の丸焼きでくるくる回るやつもついてくる。youtubeでも紹介ビデオがアップされていた。


Susan Tenneyっていうアメリカで趣味でパンを焼いている人たちの間で有名なWild Yeastというブログを書いているブロガーがいる(ちなみに彼女は看護師で彼女のブログのレシピにはメロンパンのレシピがmelon panなんて紹介されていて笑ってしまうのだが)。Just Bakingというホームページに彼女が熱く批評を書いている。

ただ安くはない。アメリカではオーブン容量50Lは軽く超えるビルトインレンジ(コンロ)+オーブンが400ドルから買えるのに、これは実売200ドルもする。ま、お金持ちの普段使いのセカンドオーブンという位置づけかな。

日本で発売して欲しいな、と思うが、発売されても、F○Iあたりがとんでもない値段で売りそう。



ばら肉 300gの物 1
こしょう 少々
醤油 大1 みりん大1 

半日漬けて SOB-14 200度で30分 焼くだけ




手を汚さずに誰でも簡単に丸パンを作る方法 ~SOB-14で簡単丸パン~

2008-03-25 22:38:44 | サンヨーSOB-14 チャレンジシリーズ
コメントなどで当ブログを見てSOB-14に興味を持たれた方が意外と多いのに気がついた。それも初めてのオーブンとして考えられている方が多いということも。
初めてのオーブンとして考えられているということはパンなど作った経験がない方もいらっしゃるに違いない。パン作りはある程度の知識やテクニックがないと難しいことは確かだ。ちょっとした「こつ」がいるし、そんなこんなで敷居も高い。 

もし、当ブログを参考にしてSOB-14を購入されてパン作りに困っている方がいたら申し訳ない。

ということでここに書きます。

手を汚さずに誰でも丸パンを簡単に作る方法

パンの製造は基本的にパンの中にグルテンの膜(壁)からなる部屋を作って、この部屋の中に発酵で空気を充満させ、焼くことによって空気を膨張させるとともに壁を崩れないようにする、ということだ。

具体的な製造工程は

1)計量
2)捏ね
3)一次発酵
4)分割・ベンチ・成形
5)二次発酵
6)焼成             からなっている。


この中で一番難しい工程は2)捏ね であろう。捏ねによってグルテンを引き出せなければ、どうにもならない。捏ねは力もいるし、コツもいる。力仕事が面倒な人にはこの工程は苦痛でしかない。だからこの工程をホームベーカリーにまかせたり、ニーダーを使ったりするわけだ。
じゃあ、ホームベーカリー、ニーダーを購入したらいい、と言われるかもしれない。でも、パン作りを始めてやるような方にSOB-14よりも高価な機器の購入を勧めるわけにもいかない。

先日、ポーリッシュ法でライ麦パンを作っていた時に昔、アメリカで読んでいたBetter Homes & Gardenの料理書(とても長い歴史がある本です)にパン作りでハンドミキサーを使う方法が書いてあったのを思い出した。


要するに捏ねの過程というのはグルテンの生成、熟成の過程だ。小麦粉の中にある2種類のタンパクを水で反応させ、グルテンを形成させ、それを鍛えるわけだ。手でやるのは難しいのは鍛えるのに力がいるからだ。これをハンドミキサーで行う。ハンドミキサーならホームセンターに行けばいまや1000~2000円程度で売っている。中高生のこづかいでも買える。キッチンエイドなど必要ない! これはいける!早速、引っぱり出して読んでみて参考にして自分なりにアレンジしてみた。 




要はポーリッシュ法、液種法のように粉の一部と水を最初にとっておいて比較的柔らかい種を作り、ハンドミキサーでこねるというものだ。ただ、ポーリッシュ法と違ってあらかじめ捏ねるのは柔らかい種から最大限にグルテンを引き出すためであるので塩などを最初から入れてしまう。グルテンをある程度引き出した後に卵、残りの強力粉、最後にバターを入れて生地作りを行う。

1)材料 丸パン 8個分
 
  ☆ハンドミキサーで捏ねる分
  強力粉(スーパーキングなどの最強力粉推奨) 100g
  ぬるま湯(40度程度)            90ml
  砂糖                     20g
  塩                      2g
  スキムミルク(今回は全粉乳)         5g
  イースト(赤サフ ただ、金サフの方がいいかも)2g

  ★後で足す分
  卵                     1個
  強力粉(スーパーキングなどの最強力粉推奨) 100g
  バター                    15g

2)捏ね

まず☆ハンドミキサーで捏ねる分、の材料を全部ボウルに入れハンドミキサーでしっかりと粘り気がでるまで捏ねる。この工程は2~3分以上かけて行う。飛び散らないように気をつける。

卵を加え、さらに泡立つ直前まで1~2分捏ねる。



次に残りの強力粉を加え、ヘラなどで捏ねる。ハンドミキサーでしっかりグルテンを引き出していれば、このヘラでの捏ねはざっとでいい。

最後にバターを加え、ヘラでのばすように生地に練りこむ。


この過程は唯一力がいる。ただ、しっかりこねる必要はない。バターの粒が見えなくなる程度でいい。バターの粒がなくなったら丸めて2~3倍になるまで一次発酵。この生地は少しゆるめ。だが、これくらいでも大丈夫。


3)フィンガーテストなどで確かめて、発酵後、分割、成形する。丸パンなのでベンチタイムはとらない。





4)2次発酵後、当ブログ、SOB-14でスチームを起こす方法を参考にスチームを加えながら180度15分で焼成。(SOB-14でオーブンメーターを見ながら焼成)



手を汚したのは一次発酵のために丸めたところと分割・成形のところだけだ。洗い物も少ない。

整形外科を生業としていて本当にいい手術方法というのは誰でも簡単に出来て一定の結果がえられる手術方法だと常々思っている。(もっとも稀な疾患に稀に行う難しい手術も必要ではあるが、、)パン作りも通じるものがあるかもしれない。パン作りにも色々な方法・技法があるが、技術を必要とせず、簡単に出来る方法がよいパン作りの方法だと思う。(もっとも手のこんだおいしいパンも時には作ったり食べたりしてみたいが、、、((笑)) )

手前味噌で申し訳ないが、この方法、ちょっとずつ改良していけば誰でも簡単にそれに安価に色々なパンを作れる良い方法になると思う。

パスオーバーにチャパティ?

2008-03-23 22:16:50 | パン
今はユダヤ教で一番重要なパスオーバー(過ぎ越しの祭り)の時期で今日はイースターだ。イースターの日は春分の日のあとの満月に一番近い日曜日と定められている。ユダヤ教のパスオーバーはどうやって決めるのか知らないが、だいたい決まってイースターの前後になっている。アメリカではユダヤ・キリスト教徒が多いせいもあるが、パスオーバー・イースターの時期はとても重要な時期でテレビ番組でも宗教的な番組がよく放送されていた。
イースター・パスオーバーの時期が3月だと春が早い、というようなことが言われていて、そうなった今年は春が早い気もする。

キリスト教徒はイースターをゆで卵とパンと特に卵やウサギの形をしたチョコレートで祝う。自分も幼少時、アメリカにいた頃、よく卵やウサギの形をした大きなチョコレートをもらって嬉しかった記憶がある。イースターに対し、ユダヤ教徒はパスオーバーは発酵させないパンと羊の骨、オーブンで焼いた卵と発酵させないパンで祝うらしい。ちなみにユダヤ教徒はパスオーバーの時期は発酵させたパンを家にもおかないようにする。発酵させたパンは膨らむから傲慢の象徴で「悪」らしい。
ユダヤ教徒以外のひとにあげてしまうとのことだが、(発酵させた)パンで祝うキリスト教徒にあげてしまうのだろうか?

ところでチャパティを食べたくなって焼いてみた。チャパティは発酵させないパン。別にユダヤ教徒ではないのだが、タンカンを見ていたら食べたくなった。
チャパティにはアターという全粒粉が必要だが、別に中~強力粉で作ってみてもそれらしい味にはなる。



アター 200g
水   120ml(60%)
塩   ひとつまみ

ざっとひとまとめにした後、ホームベーカリーなどでこねる。
30分ねかして7~8等分して、出来るだけ薄くのばす。
フライパンか直火(モチ焼き網)で焼く。






信州産シラネ小麦で手打ち・自作ラーメンに挑戦

2008-03-21 23:03:27 | 料理
以前、江別製粉・中華麺用小麦でうどんに挑戦したが、その小麦粉も使ってしまったのでうどんなどの麺用に小麦粉を物色していたところホクシン、シラネ、農林61号、ASW(オーストライアン スタンダード ホワイト)あたりがよさそうなことがわかった。うどんには実はASWがいいらしいが、せっかくだから国産にこだわって値段も比較的安い信州産シラネを購入した。

うどんを打つつもりで購入したのだが、先日作ったチャーシューがまだ残っていて、なんだかふとラーメンが食べたくなったし、休日(20日)だったのでラーメンをパスタマシンで打ってみた。

ラーメンを打つのは久しぶり。アメリカにいるときに田舎なのでインスタント麺や乾麺以外に中華麺が手に入らず、生めんを食べたくて手がかりもなく打って以来だ。パスタマシンで打つのははじめてだ。記憶があやふやになるが、アメリカにいた当時、ネットで調べて、たぶん水分率35%程度で打っていたと思う。一応、これが中華麺の標準の水分率らしいが、結構、この水分率は腰が強くて延ばすのに苦労した記憶がある。これ以上になると多加水麺といわれるらしいが、手打ちだと多加水麺が打ちやすいらしいので久しぶりであるし、多加水麺でいくこととする。
でも、多加水麺といってもどれだけの加水率にするか?悩むところではある。40%?45%?50%? パスタマシンで麺道楽って本を読むとやはり初心者を対象にしているのか打ちやすいように45~46%程度を目標にしているようだ。

でも、以前調べたうどんだと加水率はやや多くて45~50%程度が標準らしく(麺道楽の本ではやはり46%)、冬場は50%程度、店によっては50%を超えることもあるらしい。ということで延ばしやすさも考えて50%でいくこととする。ここはあえて文献(麺道楽)に逆らってみようと思った。一つの理由は初心者だし、打ちやすい方がいい。この際、腰は多少弱くなっても仕方がない、と考えたからだ。もう一つの理由は卵を入れるつもりだったため(文献では卵は入れていない)、多少、加水率が多くても腰はそれほど弱くないだろう、とふんだからだ。あと、卵を入れることによって(腰も出せるので)その分、文献よりも塩分、重曹(かん水代わり)の量も減らせる。卵の水分率食品成分データベース で調べたところ76.1%(この数字はパン作りにも役立つので覚えておくといいですね)

ということで以下のレシピで打ってみたところ、シラネにぴったりの加水率だったのか腰が適当でもちもちした麺が出来た。
ただ、寝かせの時間が終わった時に思いのほか柔らかかったのでちょっと心配したが、打ち粉を多めにきかせたためか時に問題はなかった。

あまった端っこはもったいないのでワンタンにした。



スープはガラで取ったりはできなかったのでウエイパーを使った。
たぶん、ガラと豚骨で出汁をとったスープとかつお出汁のスープのあわせスープで作ったら化学調味料無添加でおいしいスープが出来たんだろうな。麺がうまく出来ただけに残念な気がする。



3人分


  シラネ小麦粉 200g

  卵 1個(60g) 
  水 55ml    加水率 約50%
  塩 1.5g 重曹 1.5g

  以上を手で捏ねた後、餅つき機で打つ。30分ほど常温で休ませて後、
  パスタマシンでのばし、切る。

スープ
  ウエイパーをお湯に溶かし、干しエビ、粉かつおを適量入れて一煮立ちさせ、
  チャーシューのたれ、塩コショウで味をととのえる。
  うちのたれは脂を漉していたので風味付けにごま油を加えました。

タンカンはインドの味?

2008-03-20 06:44:31 | Weblog
昔、20年ほど前の3月、カルカッタ(現コルカタ)を旅行した時にのどが渇くと生水は危ないのでよくミカンを食べていた。ミカンといってもいわゆるtangerineというやつだ。一昨年、タンカンを食べて、この味はまさにその味だと思った。以来、毎年2~3月になるとタンカンを楽しみにしている。

wikiでみるとタンカンはポンカンとネーブルの自然交配種らしい。どちらも好きだ。それにポンカンはインド原産らしい。でも、ポンカンはインドが原産のはずなのにタンカンの方がカルカッタで食べたミカンの味に近いのはなぜだろう?

冬に家の中で焙煎は厳しい

2008-03-18 05:47:09 | パン
自動焙煎機(メイコーヒー)で手軽に焙煎ができるのだが、冬になって家の中で焙煎していると換気扇の下でも結構な焙煎臭さが残るので家族に不評だった。早朝、換気を兼ねながら焙煎ということもしていたが、寒いしめんどくさい、ということでしばらく焙煎から遠ざかっていた。
最近は朝もそれほど寒くなくなってきたし、家の中で焙煎、ぼちぼち再開しました。

ガテマラSHB コロンビアスプレモ パプアニューギニア それぞれ同量、フルシティというので最近は飲んでいます。ガテマラはさすがSHB、ほとんどクズ豆がないのですが、パプアニューギニアはクズ豆がそれなりに出ます。でも豆自体の質は悪くないのでハンドピックをきちんとすればいい豆です。

ポーリッシュ法(変法)で一工夫、ドライフルーツ入りライ麦パン 

2008-03-17 06:35:20 | パン
サフ青缶は乳化剤などの添加物なしのドライイースト。インスタントドライイーストである赤や金と比べて発酵力が弱く、予備発酵を必要とするが、香りがとてもいい。やはりこの香りはハード系のパンにあいそう。いい天然酵母の香りがする。
2ヶ月ほど前、ホシノ天然酵母を使ってフルーツ入りライ麦パンを作った時にいい味だったのでそれを思い出し、しばらくぶりでドライフルーツ入りライ麦パンを作ってみた。

ライ麦パンはpHを下げておかないとグルテンの形成が妨げられ、膨らみのあるパンが焼けないそうなので、以前からポーリッシュ法にレモン汁を使って独自の方法(だと思う)で焼いていた。


でもレモン汁を使わないでやる方法はないかな、と考えて今回、ちょっと思いついた。pHを下げるだけなら、過発酵させればいいわけでポーリッシュ法でオーバーナイトで発酵させる種の中にイーストのえさである糖分を多めに添加すればいい。砂糖とかモラセスとかモルトシロップとか、、、、でも、それでは面白くない。もしかして酸っぱすぎるパンが出来るかもしれない。そこでさらにひらめいたのは、どうせオーバーナイトで発酵させるのならライ麦粉に加えて小麦粉をちょっと加えればいい。ライ麦粉と小麦粉、イーストがどっちを分解しやすいかをどっかで読んだわけではないが、普通に考えて精製度合いの高そうな小麦粉を分解しやすいだろう、分解しやすいと言うことはそれだけ酸の生成が高まるというもの。

で、やってみた。

写真の通り、膨らみはよく、ライ麦パン特有の味わいはあるものの口当たりは軽め。これは成功。ただ、発酵が遅く、2日目の朝、6時から始めて焼きあがったのは13時ごろだった。焼き終わった後で西川氏のパンの教科書を読んでいたらドライイーストの分量はインスタントドライイーストの約半分に相当するといったような事が書かれていた。別に意図したわけではなかったが、この方法は結果的によかった。



1)前の晩 ポーリッシュ法(変法) 

  まずはドライイーストの予備発酵

  サフ青缶 3.5g
  水 15ml
  砂糖 1g

  青缶のインストラクションにしたがって予備発酵させ、このうち3gをとる。

  その3gと ライ麦粉190g キタノカオリ10g 水200mlで一晩発酵

2)当日 こね、発酵、焼成

  イーストを予備発酵
  サフ青缶 7g
  水   30ml
  砂糖   1.5g

  ポーリッシュ種と以下を混ぜ合わせる
 
  予備発酵させたイースト全量
   メゾンカイザートラディショナル 400g
   モルト             3g
   水              150ml

  ざっと混ざったところで 塩 10gを捏ね入れ一次発酵

  1.5倍くらい膨らんだところで以下を捏ね入れ
   干しブドウ 150g クルミ 70g オレンジピール60g
  
  2倍に膨らんだところで持ち上げてガス抜き、さらに発酵

 
  一次発酵終了後、約200gに分割 2次発酵

  クープを入れて焼成 230度 18分
 


  
  

サフ青缶

2008-03-16 07:36:49 | パン
イギリスパンに1月から挑戦していたのだが、途中で今まで使っていたサフ金のイーストが尽きてしまい、青缶に換えたところ、膨らみがうまくいかなくなってしまった。予備発酵など面倒くさいし、金に戻してもいいのだが、風味などは青缶の方がいいのであえて青缶で現在、試行錯誤している。

試行錯誤してみて、ひとつわかったのはこの青缶はイーストの量を減らせば、天然酵母的な使い方ができて、そのように使うのがおいしく作るこつだということ。

色々やってみてまた報告します。ただ、本業が忙しくていつになることやら。