パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

久々にメランジェ

2010-09-29 22:57:20 | パン
暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものでやっと涼しくなってきた。
これでハースブレッドも焼けるようになる。
そこでブドウ、くるみ入りライ麦パン(メランジェ)を久々に焼成した。
ちょっと武骨だがいい感じに出来た。



ポーリッシュ法で以前とほぼ同じ配合で

ライ麦粉  200g
ブルーメ  300g
ウーヴリエ 100g


おやき? パン? ピロシキ? 

2010-09-24 17:46:37 | パン
久しぶりにおやきを作った。おやきはいつも「いろは堂」という某テレビ番組で紹介されていた立川の駅ビルにある店のものを参考にして作っている。ただ、信州人の知り合いによるとここのおやきは家庭などで作られているおやきとはちょっと違うらしい。家庭で作るおやきの皮は小麦粉に塩と水を入れてこねるだけで、蒸すか焼くか、あるいは焼いて蒸すかで「いろは堂」のようにイーストで発酵したり、油で表面を揚げたり、オーブンで焼いたりなどはしないらしい。話を聞いていてどうも「いろは堂」のおやきはパンみたいだ、と思っていたら、その通り、もともとここはパン屋さんだったらしい。妙に納得。

さて、作ったおやきを食べながら、このおやきはどこかで食べたことがあるような、、、と既味感(既視感ならず)におそわれていたら、思い出した。ちょっと皮のバイトは重めだが、ロゴスキーというロシア料理店のピロシキのようだ。そう野菜でなく肉に中身を替えればピロシキ。

自分の作っているのはおやきのようでパンのようでもあり、でもその実はピロシキなのかもしれない。




ウーヴリエ      300g
塩            5g
にがり         10g
水           195ml
赤サフ         3g

こねて発酵。70~80g 程度に分割して中身(今回は切り干し大根の煮たもの)をつめる。
スキレットに油を投入してその中で表面をかりっとさせる。投入する油の量はスキレットの中でおやきの厚さの半分ぐらいの厚さになる程度。片面を適当に揚げてもう片面を揚げる。

180度15~18分程度で焼成。

ライ麦入りイギリスパン

2010-09-21 17:54:17 | パン
ライ麦入りイギリスパンを焼いた。
本当はポーリッシュ法で一日ほどライ麦だけで予備発酵した種を作っておきたかったが、このところ忙しくて焼成当日、時間が取れるかどうかわからないので当日、ライ麦発酵は2時間ほどで作った。

急速に予備発酵を進めるためにイーストを大量投入した。
ライ麦を使ったのにもかかわらず、この方法で時間をそれほど取らずに外はしっかり、中はふわふわ、それでいて味わいのあるパンが焼成できた。



ライ麦   100g
水     100ml
赤サフ   7g
モルト   大匙1

以上を混ぜて2時間ほど予備発酵

1CW    1020g
水     640ml
全粉乳   20g
砂糖    54g
塩     14g
にがり   10g
赤サフ   6g

以上を混ぜて捏ね、ある程度グルテンが出たところで

バター   56g

投与し、さらに捏ねる。

一次発酵、分割、ベンチタイム、成形、二次発酵、
焼成コールドスタート 200度15分 180度25分


ドーナッツ

2010-09-15 06:30:15 | パン
ドーナッツを久しぶりに作った。もちもち感をあげて冷めても固くならないようにするためにはデンプンを入れるといいらしいのでタピオカスターチを配合した。

確かにもちもちして翌日もそうは固くなっていなかった。でも、もう少し入れても良かったかもしれない。



ウーヴリエ    300g
カナダ100     110g
タピオカスターチ  40g

水        230ml
卵         1
全粉乳       40g
砂糖        40g
塩         2g
バター       大2
イースト      7g

全部混ぜて機械捏ね。1時間ほど一次発酵、のばして型抜き、油で揚げる。

シフォン・ケーキ

2010-09-06 23:13:18 | 菓子
アイスクリームを作ったので卵白があまってしまい、消費目的に久々にシフォンケーキを焼いた。最近、パンごねは餅つき機で行っているのでこのところ休業中のキッチンエイドだが、久々に卵白の泡立てに大活躍。シフォンケーキは卵黄が余ってしまうので作る機会がどうしても少なくなってしまう。余った卵黄はアングレーズソース、カスタードクリームを作ってもよいのかもしれないが、なんとなく面倒になってしまっている。でもキッチンエイドを使ってこれだけ簡単に出来るのならもう少し作ってもいいかな。



A
卵黄           6個分
牛乳           110ml
グレープシードオイル   90ml
薄力粉          120g


B
卵白           8個分
グラニュー糖       120g

卵黄に牛乳を入れてかき混ぜ、ついで油を少しずつ分離しないように加えて乳化させる。その後、2度ふるった薄力粉を加えてよくまぜる。Bでメレンゲを作り、Aに混ぜて型に流し込んで焼成180度30分。 焼成後、さかさにして冷却し、ケーブインを防ぐ。


マドンナとパン

2010-09-05 23:03:48 | Weblog

先日、久しぶりにマドンナのLike a Virgin を聴いた。当時、日本でもアメリカでも過激な詞の曲として認識されていたが、よく詞の意味を吟味して聴いてみるとこの詞の裏にはキリスト教的な内容が隠されているのではないかと直感した。そう直感したのは  wilderness “ という単語が耳に入ったからだ。そして、もし冠詞がちょっとだけ違っていたら、、、、、a virgin じゃなくて the Virgin (Mary) だったら、と思った瞬間、この詞にはやはりキリスト教的な裏の意味があるのではないかとどうしても思わざるをえなかった。詞を読んでいくと該当する聖書の部分が浮かんでくる。

 

Like a Virgin

 

私は荒野を彷徨い、道を失い、疲れ果て不完全な存在だった。

でも、あなたは私を輝かせ、新たにしてくれる。

 

あなたの鼓動がそばにある時、初めて触れられた時のように、私の恐れは早くも消え去る。ただ愛だけが永遠に続く。

 

あなたは私を強く、恐れない者としてくださる。恐怖と寒さのもとを溶かしてくれる。

 

あなたは私のものであり、時の終わりまで私はあなたのもの。私はあなたに隠すものなどなくなる。

 

以上 概訳

 



以下 聖書 新共同訳より

 

詩篇23 4節

死の陰の谷を行くときも私は災いを恐れない。あなたが私とともにいてくださる。あなたの鞭、あなたの杖、それが私を力づける。

 

詩篇27 1節

主は私の光、私の救い、私は誰を恐れよう。主は私の命の砦。私は誰の前におののくことがあろう。

 

力を与えてくれる源泉は違うが、旧約聖書の詩篇と同じ構造ではないか?



列王記 上 19章 4節

彼自身は荒れ野に入り、さらに一日の道のりを歩き続けた。彼は一本のえにしだの木の下に来て座り、自分の命が絶えるのを願って言った。「主よ、もう十分です。私の命をとってください。私は先祖にまさる者ではありません。」彼はえにしだの木下で横になって眠ってしまった。御使いが彼に触れて言った。「起きて食べよ」見ると枕元に焼き石で焼いたパン菓子と水の入った瓶があったのでエリヤはそのパン菓子を食べ、水を飲んでまた横になった。主の御使いはもう一度戻ってきてエリアに触れ「起きて食べよ。この旅は長く、あなたには耐え難いからだ」と言った。エリヤは起きて食べ、飲んだ。その食べ物に力づけられた彼は四十日四十夜歩き続け、ついに神の山ホレブに着いた。

 

ルカ福音書

 

4章1節~

イエスは荒れ野の中を霊によって引き回され四十日間悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。そこで悪魔はイエスに言った。「神の子ならこの石にパンになるように命じたらどうだ」イエスは「『人はパンのみで生きるのではない』と書いてある」とお答えになった。(中略)悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。イエスは霊の力に満ちてガリラヤに帰られた。

 

荒れ野を彷徨い、力尽きようとしたとき、救いの手が差し伸べられる、あるいは荒れ野での試練に耐え、新しく生まれ変わる、この構図も同じだ。

 

第一コリント人への手紙 13章 8節~

愛は決して絶えることがありません。(中略)完全なものが現れたら、不完全なものはすたれます。(中略)いつまでも残るのは信仰と希望と愛です。この中で一番優れているのは愛です。

 

そしてその愛は永遠である。


ところでエルヴィスのゴスペルソングに“He touched me ”という歌がある。これはBill Gaitherという南部のゴスペルシンガー・ライターの作った曲で、彼は聖書の中にあるtouchという表現が重要な意味を持っていることに気づいてこの曲をつくったらしい。詞の内容では「重荷を背負った自分」が「神のみ手」に「触れ」、「浄化され、完全なものになる」。同様にLike a Virgin でもこのtouchが重要な意味を持っている。

Like a Virginでは前半の部分で「なんとか荒野を抜け」たが、「道を失い lost」「不完全な」存在である自分がいるが、コーラスの部分でこの自分は変化する。「初めてtouchされたように感じ」この自分は浄化されていくのだ。

He Touched Me Elvis Presley




"He Touched Me" By The Gaither Vocal Band/Mark Lowry




Like a Virginの作詞家が意図してキリスト教的な裏の意味を入れたのかどうかはわからない。しかし、「何かに触れて重荷と罪から解放され、力を得て新しいものになれる」というテーマ、構造は影響を与えるのが神という大きな存在か人という小さい存在かの違いはあるが、He touched Me Like a Virginまったく同じである。多分、これは背景にキリスト教文化を有する社会において共通の構造、認識なのかもしれない。

 

飛躍してしまうが、パンも同じかもしれないと思った。こねて(touch)発酵させて(変化)、焼成する(完成)。この一連の流れが「洗礼(水)や聖霊光臨(炎)によって新たな自分へと生まれ変わる」というキリスト教的なモチーフを連想させる。いや、反対に原始キリスト教信者はパンの製造過程を見てそう思いついたのかもしれない。キリスト教ではパンは「キリストの体」というではないか。以前「フィリップ・ビゴのパン」という本でビゴ氏がパンはキリストの体であり、自分にとって神聖な物、と書いていたが、その意味がマドンナのLike a  Virginをきっかけに色々考えて少し理解できたような気がする。





増田製粉所・グラーノドゥーロ

2010-09-04 06:20:25 | パン
増田製粉所のグラーノドゥーロという小麦粉を使ってピッツァ(一応ナポリ風?)を焼成した。宣伝文句どおり、「クラストはカリカリ、クラムはモッチリと香ばしい」ピッツァが出来た。



配合

グラーノドゥーロ 300g
塩        5g
にがり      10g
水        195ml

トマトソースはニンニクと玉ねぎをいためてトマト缶(塩入り)とローレルを加え、煮ただけのシンプルなもの。

キッチンエイドでこねて一次発酵、100g程度に分割し、トマトソースと具をのせピザストーン上で300度焼成。