パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

イギリスパン

2011-02-23 22:39:15 | パン
イギリスパンを焼成した。本当はバゲットやメランジェみたいなハースブレッドを焼成したいのだが、時間がかかるのでなかなか焼く気になれない。

2斤を2つ焼成したのだが、そのうちの一つは窯のびも最高で、ひび割れもいい感じに出来ている。




ただ、同じように作ったはずなのにもう一つの出来はそれほどでもなかった。同じように焼成してもオーブンの中のちょっとした位置でこれだけの差が出てしまう。本当に難しい。






配合

1CW  1120g
全粉乳  25g
水   730ml
にがり  20g
塩    14g
砂糖   56g
赤サフ  14g
バター  52g


ピロやき?

2011-02-14 23:15:45 | パン
切り干し大根を煮た物があまったのでおやき(もどき?)を作ることにした。大根ばかり皆が食べるので人参が多い切り干し大根のおやき(もどき?)だ。このおやき(もどき?)を作る時はケンミンショーというテレビ番組で見た作り方を参照してパン生地を使って作っている。以前にも書いたが、信州人の知り合いによるとそれは昔ながらの正統派のおやきとはちがうらしい。

おやきのようでおやきではない。

ピロシキのようでピロシキではない。

ピロやき

とでも呼ぶか(笑)。



パン生地のレシピはいつものイギリスパンの配合で

60~70gに分割して具を包み
油で表面を揚げてから
SOB-14で約180度 15分 焼成

Baby-led weaning 続き

2011-02-13 18:40:02 | パン
上2人の子どもの離乳ではせっかく離乳食を作っても食べないことが多かった。テレビでも本でも雑誌でももっともらしく赤ちゃんが喜んで食べる離乳食作りについて解説しているが現実は赤ちゃんが食べなかったりして苦労している家庭が多いのではないだろうか。もしかして、うまいやり方があるのではないか?一番下の子どもの離乳を考える時期になって海外の事情はどうだろうと調べたことがBaby-led weaning を知るきっかけだった。

初めてBaby-led weaning を知った時、面倒だなと思った。面倒なのはその方法自体ではなく、日本では実践している人がいないため当然日本に紹介されておらず、日本語の情報が皆無で英語の情報しかないことだった。でも、調べていくうちにこの方法は実に合理的な離乳法だということに気づいた。いい方法だったら皆に紹介しないといけない。そして、うちの子どもで実践すれば本邦初症例になるのでやってみるのも面白いと思った。自分は基礎医学研究者として大成はしなかったが、あと10年たってこの方法が日本で主流になった時、日本で初めてこの方法で子供を離乳した医者ということで有名になるかもしれないし、、、、(笑)

冗談はさておき、、、
その合理性というのはBaby-led weaning の根本をなす以下の考え方だ。その考え方とは、、、、
咀嚼力、嚥下力、消化力、などの食べる能力は物を手で持つ、手で持った物を口に入れるなどの運動能力、そして食べ物を食べ物であると判断し、自分が必要とする栄養を自分で判断して摂取する知的能力と平行しているはずだ、という考え方である。神経・運動系の発達を考えればもっともな考え方である。また、太古の昔、はじめての人間がホモ・サピエンスとして誕生したとき、裏ごしをして離乳食を作ったなどとはとうてい考えられず、その後、人間が種として生き延びてきたことを考えればきわめて自然で妥当な考え方だと思った。

赤ちゃんが自分の手で持つことが出来なければその食物を食べる能力がそこまで至らず、食べさせるべきではないと考え、無理はしない。例えば、窒息しやすい細かいものはつまむ力が無ければ本来は食べられず、食べられなければ無理に食べさせようとしない限り、窒息しない。だから赤ちゃんにまかせて離乳を行えばいい。そう、月齢に応じた決まったやり方がBaby-led weaning にないのは新しい方法だからではなく、赤ちゃんの発達に応じて行う(というよりも赤ちゃんが勝手に行う)方法だからである。(前回の繰り返しになってしまうが、この根本を理解することがBaby-led weaning を行ううえで重要だ。でないと窒息で赤ちゃんを殺すことになるかもしれない。)でも、決まった方法がないため逆にBaby-led weaning とことさら構える必要がないのかもしれない。そういえばBaby-led weaningの提唱者、Gill Rapleyも書いていた。

“The baby-led approach to the introduction of solid foods is based on common sense. It is neither new, nor ‘mine’. Many mothers of more than one child have discovered it”

ーBLWは常識に基づいている。新しい方法でも私自身の方法でもない。多くの一人以上子供がいる母親なら見つけている方法だ。ー

あ、そういえば実家の兄弟姉妹でも末に近いほど放置されていたな。日本で初めてこの方法で子供を離乳した医者というわけではなさそうだ。残念(笑)。



写真は子供たちが作ってくれたチョコレートです。

Baby-led weaning

2011-02-11 21:15:21 | Weblog
Baby-led weaning (BLW)は実際に実践している方が日本でほとんどいないので英語の情報しかないに等しく、日本で行うにはかなり敷居が高いが、それほど難しいものではない。要はスプーンで与える離乳ではなく赤ちゃんが自分で食べ物を選んで持って食べさせる離乳、赤ちゃんが自分で遊びながら学ぶ離乳、あるいは自分の能力に応じた食べ物摂取を応用した離乳ということだ。

最初から固形物と言っても硬い物は無理でやわらかい果物ややわらかく煮た野菜を持てるサイズにして遊ばせておくことからはじめるとよいと思う。最初のやわらかさとしては大人の舌と口蓋でつぶせるぐらいの硬さにするとよいかもしれない。ただ、硬すぎると赤ちゃんが自分で判断したら食べられないし、食べないのなら無理に食べさせなくて良いので、やわらかくして食べさせるということに固執しなくてもよい。食べないのなら食べない、手で持てないのなら無理に持たせないで放置が重要だ。無理に持たせて無理に食べさせようとすると窒息する危険性もある。見ているうちに何が大丈夫でなにがまだ早いかなんとなくわかってくる。ここらへんは赤ちゃんとの阿吽の呼吸によるコミニュケーションだ。これが出来ないと無理をしてしまい窒息の危険性も高まる。このコミニュケーションは別の意味でも大事だ。自分はBLWにより子供との信頼関係が築けたと思う。

BLWは

1) 乳児の消化器は4~6ヶ月頃に固形物消化にも対応できるようになるので、6ヶ月頃ではマッシュしたものやピューレしたものをスプーンで与える必要はなく、固形物を与えてもいいだろう

2) だいたい6ヶ月ぐらいには知能もある程度発達しており、色々な物に興味を示すようになり親のやることを真似るようになるので自分で食べられるようになれる

3) 身体の発達に伴い乳児は自分で食べられるものを自分で判断する

などという考えに基づいている。

BLWの基本はその名のようにあくまでも「乳児主体」の離乳で乳児が欲しがるまま自然に離乳を図ることが重要だ。いついつ頃は何を食べさせてなど決まった「離乳」ではない。旧来の「離乳」の概念を捨てることが必要だ。だから育児・離乳を競争のように考えている、例えば「うちの子はまだ○○が食べれない、○○がまだ出来ない。発達は大丈夫か?同じぐらいの何々ちゃんは食べれるのに、、、6ヶ月なので早く○○を食べさせなければ、、、」と考えるような性格の方は向かないどころか、無理をしてしまうため危険だと思う。窒息で子供を殺したり、そこまでいかなくてもフラストレーションがたまるのでやめた方がいい。巷では極端な育児として1歳ぐらいまで母乳をあげておけば他はいらいない、と考えている方々もごく少数いるようだが、そこまで極端でなくても食べないなのならそれは乳児が欲していないため、大丈夫だし母乳を与えておけば問題ないという考え方ができないとBLWは不可能だ。それに食物で遊ぶので汚れる。この汚れを我慢できないようだとBLWは無理だと思う。いや汚れた赤ちゃんを見て楽しめるぐらいでないとBLWはできない。

固形物を与えて懸念されるのは窒息、誤飲であるが、きちんと座らせて食べるのを乳児にまかせて無理をしなければ大丈夫だ。ただ万が一のためにハイムリック、背部叩打などの対処法をきちんと覚えておく必要はある。でも窒息への対処を覚えておくことは従来の「離乳」でも同じことだろう。

思いつくままにまとまりなく書いてしまったが、最後に自分でBLWを実践して感じたことはBLWは一部、認知症の高齢者にも適応できる考えかただと言うことだ。高齢者の術後などでせん妄が強い時、BLWを知るまでは看護師や家族などに食事介助を頼んでいたりしていたのだが、誤嚥性肺炎をおこしてしまうことがしばしばだった。BLWを応用して食事時は最低限の手助けにして時間は何時間かかっても自分で食べさせるようにしたら誤嚥性肺炎が減少したような気がする。



※ パンの写真は本文と関係ありません(笑)。

Baby led weaning で食育、iPod で知育

2011-02-05 11:05:48 | Weblog
急激に冷え込んだためか最近、本業が忙しくなってパンを焼いたりブログを更新する余裕がない。というわけでパンとは関係ない育児?ネタを。。。。

小学生の子供用に携帯デジタルプレーヤーのつもりでiPod touchを購入したところ末の娘がはまってしまった。iPod touch を勝手に自分で使うようになってからあまり育児に手間がかからなくなってきた。最初はデジタル絵本や子供向けの動画を入れて操作して見せてあげたりしていたのだが、上の子供の操作を見よう見真似で覚えて自分で勝手に操作して絵本や動画を見たり、ゲームをしたり楽しんでいる。まだ「あいうえお」などはわからないようだが、絵と文字の形で認識しているようだ。2歳児にも使えるインターフェース・デザインを開発したアップルの技術力はすごいものがある。これから乳幼児にはiPod touchを与えて育児をするとよいかもしれない。子供の頃からデジタル機器を使いこなしている子供をデジタル・ネイティブ(キッズ)というらしい。末の娘は2歳7ヶ月だが、まさにそれで本当に驚く。

ただ、何事も過ぎたることは及ばざるが如し、長時間夢中になるのはよくない。そこであまり長時間やっているのを見かねて注意すると
「電池入れて」と言って充電しろとこちらに渡したり、強く注意した時などは
「はい、新聞だよ」と言って産経新聞アプリを立ち上げてこちらにご機嫌伺いのようにiPod を差し出す始末。

う~む。親のつぼを押えている。
一応、(デジタルでない)絵本も好きで読んでいたり、上の子供とも仲良く遊んでいるのでiPod の使いすぎで対人関係は破壊されてはいないようだ。きちんと親の監視下に使わせている分にはiPod touch は育児のいいツールとなると思う。

baby led weaning で食育
 ↓
iPod touch で知育

あと1年もすれば「育児の専門家」と称する方たちがそんなことを言い出して本を書くようになると思う。たぶん。