新年早々、のっけからこんなことを言ってしまうのも申し訳ないのだが、実は
「新年あけましておめでとうございます」という正月の挨拶は好きではない。
「本年もよろしくお願いいたします」
という挨拶は気にならないが、頭に例の(言いたくもない)定型文を持ってこないとしまりが悪いものだから結局、自分の気持ちを抑えてしまうことになる。
昔はそうでもなかったが、年々抵抗があるようになってきた。正月三が日まとめて休んだことはほとんど無く、仕事をしているので「めでたく」ないからかもしれないし、正月でも入院中の患者さんに「おめでとう」というのに抵抗があるからかもしれない。
そして昨年の大震災や福島原発も収束していない影響もあって「めでたい」気分には特に今年はなれない。
一休禅師の歌に
「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもあり、めでたくもなし」
というのがある。昔は数えで年齢を数えていたので正月を迎えるということは今でいうところの誕生日が来るようなもので「新年あけましておめでとう」というのは「誕生日おめでとう」といった意味合いも含んでいたのだろう。年を取るということは無事1年過ごせたということでめでたいのだが、死へと近づいていることだからめでたくもあろうはずがない。
日本が正月なら西洋はクリスマス。同じような事をTS Eliotも'THE CULTIVATION OF CHRISTMAS TREES'という詩で言っている。
.....(抄訳)
人生の最後のクリスマスはこれまでの記憶が大きな喜びに凝縮されるとともに大きな恐れを伴ってやってくる。始まりは終わりを予感させ、キリストの生誕は再臨(最後の審判の日、あるいは個人の死の時、死後の審判)を予感させるからである。
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そうChristmas はmerry でもなければ新年はhappyでもない。ただ死への準備を思い起こさせるいいきっかけなのかもしれない。そう言えばこういう言葉もあった。
「一年の計は元旦にあり」
でも、計画たてるの苦手なんだよなぁ。。
大晦日にのんびり焼成したライ麦パン。いつもはクルミを入れているが、今回、ヘーゼルナッツで焼成した。大晦日はこのパンをカマンベールチーズとワインで楽しんだ。
基本的な配合他はいつも通り、ただ焼成時間を今回は蓋をしめて300℃20分、250℃10分、その後、蓋をとって250℃10分とした。