パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

三洋 SOB-14 スチームオーブン化計画 補足

2008-03-05 21:48:51 | サンヨーSOB-14 チャレンジシリーズ
いつものようにオーブン内部が汚くてごめんなさい。なにせ7年ほど使っているもので、、、、(以前にも書いたが、かなり荒っぽく使っているのに故障知らず)


久々にSOB-14へのコメントがあったのでちょっと考察してみた。

SOB-14のヒーターは上火はミラクロンヒーター(石英ガラスヒーター)下火はシーズヒーターである。
安価なオーブン(含オーブンレンジ)はだいたいこの構造らしい。

ミラクロンヒーターは温度上昇が早く、温度調節に優れるという利点を持つ反面、ガラスなので振動や水をかけるなど急激な温度変化に弱いという欠点がある。
一方で、遠赤外線の放射率が高く、炭火に近い放射伝熱性がある()。
シーズヒーターは温度上昇が遅く、温度調節に劣るという欠点があるが、それは逆に冷めにくいという利点であり、シーズ(sheath 鞘)でカバーされているので液体や酸、アルカリなどや、急激な温度変化に強く、安全性に優れると言う利点がある。(

液体などがかからなく、焦げ目をつける目的が多い上火にミラクロン、液体などがかかる恐れのある下火にシーズというのは理にかなっている。そして、この特長を生かし、ミラクロンヒーターで強力な加熱と遠赤外線効果で焦げ目をつけたい時などは上の段に置くか、上火だけで加熱すればいい。また、じっくり加熱をしたいときなどはシーズヒーターの特長を生かし、下段に置くか、場合によっては下火だけで加熱(だいたいの場合、この方法では加熱不足になってしまうが、、、)すればいい。

ただ、この手のコンベクション機能のない電気オーブンは熱伝導率が低いので(3 表1)なんらかの工夫をしないと特にパンの焼成などではコンベクション・オーブンにはかなわない。しかし、SOB-14は内部容量が大きすぎず、比較的温度上昇も早い、ちょっとの工夫でコンベクション・オーブンなみの温度の安定が得られる。。。と思う。

工夫したのは以下の2点。

1)蓄熱性のあるピザストーンを併用する。

2)写真のようにシーズヒーターの中にプリンカップをおき、中に水を満たし、スチームをおこす。もちろん霧吹きも忘れない。
これは、加熱時に蒸気を加えることにより、蒸気が食品の表面上で凝縮する際に潜熱が発生して、食品の温度上昇速度が速くなるため。()また、この方法で電気オーブンの欠点である乾燥も防げる。

くれぐれも真似をする方は自己責任で(笑)
以上の工夫を凝らし、結構いい具合にパンが焼ける。ただ、ガスオーブンRMC-12Eと比べ、一回に焼ける量が少ないので、最近はついついガスオーブンを使ってしまいます。





最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (かおりん)
2009-09-27 10:14:41
orthoさんの記事を読んで、前からSOB-14に興味を持っていたのですが、すごく考察されておられますね。 まだ電子オーブンレンジが元気なので、すぐの購入予定はないけど、少し教えてください。

今調べると、庫内寸法:W29×D26×H23.3cm 受皿寸法:W28.3×D24.7cm とありました。電子レンジには負けるけど、結構な広さですね。
2段焼きはできるのでしょうか?
トースターとして使用する場合、何分くらいで焼きあがりますか?

何ヶ月か前、クイジナートのピザ用石焼釜レンジ(正確な名称は忘れました)が廉価で売り出されてました。確か、1万円くらいだったかしら?
ほしいなぁと思いながらも、もっと使いまわしのできるものに投資すべき(台所のスペースもお金も。)とかろうじて理性で考え直し、なんとか買わずに踏みとどまりましたよ。
返信する
SOB-14 (ortho)
2009-09-28 23:05:47
>2段焼きはできるのでしょうか?
>トースターとして使用する場合、何分くらいで焼きあがりますか?

ある程度の厳密な温度管理が必要なもの、たとえば、パンは無理だと思います。それ以外では、、、2段焼きは試したことがないのですが、工夫しないと焼きむらがかなりすごいことになると思います。また、受け皿と網がそれぞれひとつずつしかついてこないことから考えてもメーカーは2段焼きを想定していないものと思われます。

トースターとして使う場合、庫内が広いので途中でひっくり返さないといけません。その手間以外では普通のオーブントースターと比べて遅いという印象はありません。


クイジナートのピザ用石焼釜レンジってこういうやつですね。日本未発売の。アメリカでだいたい200ドル程度で売られているようなので1万円は安いですね。
日本でもこういうしっかりした卓上単機能電気オーブンがあるといいのですが、、
http://www.cuisinart.com/share/pdf/manuals/brk-100.pdf
返信する
Unknown (かおりん)
2009-09-28 23:35:06
私のPCはActiveXを許可してない設定のせいでしょうか、PDFが読み取れないのですよ。アメリカ製品にはいろいろと楽しいものがありますよね。食文化の違いでしょうね。とは言っても、日本ほど各国料理を食べられる国はないのではないかと思っており、政治の貧困はありますが、日本に生まれて来てよかったと思っています。あとは各家庭に備え付けのオーブンがあれば、言うことなしです。食器洗い機は要らないですね。現在私はこれを引き出しに改造中です。
返信する
日本はおいしい (ortho)
2009-10-03 23:04:39
確かにアメリカでも都会はそれなりに各国料理を食べることができますが、種類、値段、おいしさ、の点では日本にかないませんね。

ところで、PDFファイルをダウンロードすれば読めると思いますが、まあ、そこまで必要あるかどうか、、説明書です。
返信する
下火にミラクロンを使わない理由 (森山)
2009-10-10 14:24:32
通りすがりのものです。
下火にミラクロンを使わないという理由で思意当たることがあります。
ミラクロン管は一見絶縁物のように見えますが、赤熱するとある程度電流を流すようになります。我が家ではオーブントースターのミラクロンに、庫内に敷いたアルミホイルが触れてブレーカーが落ちてしまいました。メーカにて再現試験済み。
そんなわけで、金属食器やアルミホイルが触れやすい下火にはミラクロンを使わない設計をしているのではないかと思っています。
返信する
ミラクロン (ortho)
2009-10-12 17:29:41
森山さん、はじめまして、コメントありがとうございます。参考になります。

パナソニックなどの一流ブランドのオーブントースターでも下火にミラクロンを使っている機種があるみたいなので、そういうお話をお聞きするとSOB-14の設計は実にうまくできているな、と改めて思いました。
返信する

コメントを投稿