パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

ちまき

2010-06-28 23:43:34 | 菓子
1ヶ月以上前の話で恐縮だが、5月のある休日の翌日、当直明けで帰宅したらちまきがつるしてあった。皆で作ったとのこと。ちまきは縁起物で「難をさけて健やかに成長するように」という意味があって端午の節句にはかかせないが、別段そういう意図で作ったわけではなくてただ5月だから、という軽い気持ちから作ったようだ。

先日、新幹線のデッキにいたところ新幹線通学と思われる3人組の男子学生が自由席客室から出てきて
「今日は混んでいて一緒に座れないな」
「でも、あのおじいちゃん、おばあちゃん、日本人としてどうかと思うよ」などと話していたのを耳にした。
好奇心からちょっと自由席客室をのぞいてみたところ着席率が高いのに60代と思われる男女、おそらく夫婦?が3人がけを2つ占領して向かい合わせにして足を向かいの座席に乗せたりしていた。男性の顔は見えなかったが日本語のスポーツ新聞を読んでいるのが見えたので多分、学生たちが言うように十中八九、日本人だろう。女性は一生懸命化粧をなおしていて、男子学生の言ったことが聞こえたのかどうか
「自由席でまだ座席に余裕があるから、(いいよね?)」とか何とかよく聞こえなかったが言っていた。

マナー違反を訴える広告などでは座席で足を広げて占領するのはきまって「若い」男性で、化粧をなおしているのは「若い」女性のはずなのに「若い」3人のほうが「日本人として恥ずかしくない行動」を意識している。60代、団塊世代の方々を高齢者というのははばかれるが、年寄り、と言われた人たちの分別は日本では過去のものとなってしまったのか?あるいはマナー違反の広告の人たちがそのまま年をとったのか?全共闘世代の人たちなのでJRという権力に対して未だに反抗しているのか?

「若い者」の方がしっかりした分別を持っていることだってある。「若い人たち」=「分別がない」というようなステレオタイプの見方はいやだな。

看護学校の講師を始めてから「自分より」若い人たちを意識するようになった。人生の先輩として恥ずかしい行動はとりたくない、と思った。

まだ、自分も若いつもりでいるので今度ちまきを食べるときには難を逃れて分別を持った大人に健やかに成長できるよう願いながら食べようか、一応。



1.笹、ひもとなる井草は重曹で煮てあくをとっておく。
2.もち米を水に浸しておく。半日~一晩ほど。
3.笹で浸したもち米を包みこみ、井草で縛る。
4.1~2時間ほど水から煮る。
5.つるして乾かす。

Avalon (1CW) でイギリスパン

2010-06-24 06:44:36 | パン
日本製粉のAvalonという粉を用いていつものイギリスパンを焼成した。まあまあのできだが、窯のびはもう少しほしいところだった。

ところでこの強力粉、Avalonという名前がついているが、中身はカナダ産強力粉1CWのようだ。
Avalonとはアーサー王の遺体が眠る聖なる島の名前だ。墓場というとなんとなくいい感じがしなかったが、カナダにAvalon半島という風光明媚な所があるらしいのでこれから名前を取ったのかもしれない。



全粉乳をきらしてしまったので牛乳を一部加えた。窯のびが悪かったのもこれのせいかもしれない。

配合

アヴァロン    500g
水        290ml
牛乳       40g
塩        7.5g
砂糖       28g
全粉乳      6g
赤サフ      7g

小梅漬

2010-06-20 16:00:16 | 料理
小梅の季節になったので小梅漬を作った。小梅は出回る期間が2~3週間程度と大きい梅に比べ短い。しかもカリカリとした小梅漬を作るためには青い物がいいのだが、青い小梅で出回る期間はさらに短くなる。気をつけないといけない。

今年は忙しくて手に入ったのはやや熟し加減の小梅であったためカリカリ感がやや落ちている。



カリカリ感を保つためには常温でなく冷蔵庫で漬けるといいらしい。

1.小梅を洗い、水に2~3時間さらしてあく抜きをする。

2.水を切った後でへたを取り、ラム酒で洗い、表面を殺菌して水切り。

3.塩もみしてあく抜きしたシソと共に小梅の10%の塩を加え混ぜて漬物容器に投入。

4.ラム酒をだいたい小梅の5~10%程度(1kgに対して50~100ml)加えまぜる。

5.重石をしてもいいが、面倒ならば1日 1~2回混ぜながら1~2週漬けて出来上がり。


※だいたい1ヶ月ぐらいでカリカリ感が落ちてくる。冷蔵庫で数ヶ月持つが、1年近く保存するためには土用干しをする。その際、塩分濃度が低いので通常の梅干よりカラカラにしないといけない。

豆カレー

2010-06-17 22:59:49 | 料理
フレッシュコリアンダーとひよこ豆でカレーを作った。豆はまとめて茹でて冷凍しておくと解凍するだけで簡単に出来る。

香辛料はこのスパイスミックスを使うと簡単に出来る。本来はタンドリーチキン用の香辛料だが、カレーにも使える。なにしろ日本製のカレー粉でなくこれを使うと本場の味っぽくなる。





豆は一度沸騰させた後、なべひとつに大さじ1/2~ 1ぐらいの重曹を加え、少し煮てあく抜きをする。水を替えて再び軟らかくなるまで煮る。煮た後、冷凍保存可。

オリーブ油ににんにく、しょうがを加え、徐々に火を通して油に香りを移す。そこにレンジで一度火を通したみじん切り玉ねぎを加え炒める。じっくり火を通した後、香辛料を適量加え、豆を加える。火が通ったら塩で味付けして出来上がり。水を加えても良いがその時はたまねぎを炒めた後でチャナベッサン(ひよこ豆の粉)を加えて炒めるとよい。



ナン

2010-06-14 05:57:48 | パン

先日、妻の恩師がアメリカから遊びに来た。中国での招待講演の道すがら日本に立ち寄ってくれたのだった。わざわざ日本まで会いに来てくれた彼女に本当の日本食をご馳走しようと割烹にご招待した。彼女はいわゆる割烹会席料理は初めてだったようで鉄板焼き、寿司などアメリカの代表的な日本料理と違う彩りなどの繊細さに興味を示していた。子供たちにはお子様ランチをオーダーしたのだが、こちらにも興味を示していた。そこにはお子様ランチにつきもののスパゲッティーとハンバーグがあって子供たちは喜んで食べていたのだが、それを見て、自分の姪も子供でスパゲッティーが好きだ、どこも同じだね、どの子供は生まれついてのイタリア人なんだね、と言っていた。こちらもつられてハンバーグも好きだからドイツ人かアメリカ人かもね、と言った。

 

後からふと思ったことだが、日本の子供はカレーも好きなのでインド人的要素が入るのかもしれない。もっともインドのカレーと日本のカレーは違うが、、、、

 

日本のインド料理店ではナンがよく出てくるが、これはインドカレーだけでなく日本カレーにもよくあうと思う。冬はシチューの季節なら夏はカレーの季節、よってこれからはナンの季節だ。また、本当に暑い季節になってしまうとパンの発酵が進みすぎるのでいわゆるflat bread じゃないとうまく焼成できなくなってしまう。そういった点でもナンはこれからの季節にぴったりのパンであると言える。でも、焼成は高温で一気に行うため、作る側としてはつらいものがある。自分のナンはインド料理店のものと比べても遜色ないできと思っているし、家族も喜んで食べてくれているが、この苦労、わかってるかな?

 

 

本当はオイル抜きで捏ねてグルテンを出してからオイルを加えると良いが、今回は面倒で初めから全てを混ぜて捏ねた。あと300度にあがってそれほど時間をおかず焼成したのでピザストーンがきちんと温まらず予熱が十分でなかった。その2つの理由で少々、滑らかさが失われ、膨らみが悪くなってしまった。




強力粉 1CW    150g
薄力粉         150g

水            190ml
全粉乳          60g
ヨーグルト        10g
塩              3g
砂糖            15g
赤サフ            5g
オリーブオイル     15g

全てをキッチンエイドの中へ
こねた後1次発酵
分割 70~90g 
手で成形後、ピザストーンを入れたオーブンで300度予熱とし、
やけどに気をつけながらピザストーン上にナンを置いて焼成。


チョコレート・クリーム

2010-06-13 06:54:13 | パン
看護学校の講師を始めてこの2ヶ月、講義の準備などで忙しくてブログを更新する間もなかった。講義もひと段落してあとは試験(たぶん再試験も)とレポートの採点・評価だけとなり、少し気持ちの上でも余裕が出てきた。そこでちょっとブログ更新。

看護学校での講義は自分の知識の整理が出来ていい機会に恵まれたと思っているが、それ以上にいいというか興味深い経験だったのが、「ゆとり世代」の学生に接することができたこと。講義に臨むに当たって他の講師の先生から事前に「ゆとり世代に衝撃をうけるよ」と聞いていたが、看護学校は「職業訓練校」だし、目的をもって入学している以上、それほどひどくはないだろうと思っていた。しかし、その考えが甘かったのを思い知らされた。

実は「ゆとり世代」用に講義の内容やスライドの一部をインターネットで公開している。これでも十分に親切すぎると思っているのだが、それでも「パソコン立ち上げて見るのは面倒だから印刷したものをください」と言ってきた学生がいたのには驚いた。もちろん断った。ここをどこだと思っている。小学校じゃないぞ。小学生だってそんなこと言わない、と思う、多分。。。だからちゃんと自分で勉強してくれ。

ミニテストで毎回高得点をとる優秀な学生はいる。しかし、そのような学生は一部で重要な事項をくりかえしミニテストで出題しても何回も間違ったり、評価に直結するよと言ったのにもかかわらずレポートの期日を守らない学生があまりにも多い。ひどいのになると提出しないで知らん顔をきめている学生もいる。何で期日までに出さない?と聞くと提出期限日にたまたま風邪をひいて休んでしまって忘れました、といいわけ。それじゃ世の中通用しないよ。ほとほとあきれてしまった。

推薦とかAOなどで高校入学、看護学校入学と無試験に近い状態で生きてきた学生に成績の悪い者やだらしない者が多いらしいというのを学校で聞いた。試験の洗礼を浴びてこなかったためか、勉強の仕方そのものがわからないか、人生ちょろいものとなめてかかっているのだろうか? 

当初、どうせ国家試験となれば皆、勉強するのだからと甘い態度にしようと思ったが、あまりにもひどいので試験でどんどん落として再試験、再レポート提出は当たり前、それで根性をたたきなおして勉強してもらおうと仏から鬼に方針転換。が、ここで教務の先生から「きつくすると出来ない学生が萎縮して落ち込んだりするのでほどほどにしていただいた方が、、」と言われてしまった。そういえば、うちの病院でも半年たらずでやめてしまった新卒看護師がいたし、学生実習でも病院の指導看護師が学校からあまり厳しく指導しないでください、といわれていたことを思い出した。およそ看護学校、医学校なんてタイガーマスクの虎の穴みたいなもので、いったん入ったが最後、国家試験に合格して看護師、医師になれなきゃ「死」が待っているところだと思ってきた自分が間違っていたのか古い人間なのか? こんな芯からゆとり、ナイーブでやわな医療者ばかりで日本の医療の未来いや、日本そのものは大丈夫なんだろうか?

教務から厳しくしすぎないでと言われたが、国家試験受験とか看護師になってから泣かないようにやっぱりある程度は厳しくしよう。学校だって国家試験合格率が低いと困るだろう。でも、厳しい鬼軍曹はゆとり学生が萎縮してしまうため、今年でくびになるかもしれない。それならそれで、まあ、いいや。

人に厳しく、自分に甘くは世の常、ということでチョコクリーム(ガナッシュ)を作った。ウォータージャケット付きのキッチンエイドだと熱いクリームでチョコレートを溶かした後でもすぐ冷却しながらホイップできるのであっという間に完成する。実に便利だ。パンに塗ると最高だ。甘いものを食べながら試験問題を考えるといい問題が出来るかもしれない。鬼がチョコ食べている姿は滑稽だが、、、

チョコレートは大東カカオのスーペリオール・エカトゥールを使用。
ヴァローナが高級クーベルチュールの代名詞、と聞いたので以前にヴァローナ・アラグアニを使って作ったことがあったが、大東カカオの方がマイルドで好みだ。



クーベルチュールチョコレート 80~100g程度
クリーム 脂肪分 42% 200ml

沸騰させずに温めたクリームでチョコレートを溶かす。
あら熱を取った後、冷却しながらそれをホイップ。