パンと珈琲日記~整形外科じゃなくて成形~

パン焼きと珈琲を趣味とするある整形外科医の日記

将来の日本に対して自分が今できること

2011-05-30 21:29:51 | パン
震災前は子供たちに勉強しろとそれほどうるさく言ったりしていなかったが、震災後は勉強しろと言うようになってしまった。諸行無常、色即是空。形あるものはいつかは壊れてしまう。物は失ったり、盗られたりするが、身に覚えた知識や技はそうではない。本当に大切なものは形では残せない。「子孫に美田を残さず」土地、お金など有形の財産より、一人で生きていけるように、親を失っても生き残れるように教育という形であげたい。震災や津波の被害からそう思うようになったからかもしれない。

ただ勉強しろと言うだけではダメだと思うので出来るだけ一緒に勉強するようにしている。子供が受けている通信講座を一緒に見たりしている。その通信教育の理科と社会科は大人が見てもためになるし、本当に面白い。先週の社会科は濃尾平野と木曽三川、輪中と治水、信玄堤などについての学習だった。

木曽三川の河口は三角州があり洪水が当たり前だったことを今更ながら勉強させていただいた。昔は輪中による対策がとられていたが、それでは洪水対策として不十分で現代では水捌けをよくするように地下に排水パイプ、暗渠排水をめぐらし、強力なポンプで排水が行なわれていることを知った。技術の進歩で安心して住める様になったはつい最近のことのようだった。

その通信講座を見ながら思い出したのは昔旅したバングラデシュの風景だった。バングラデシュは洪水が起こるたびに大勢の人々が犠牲になり、土地も失われてしまう。国自体が三角州の上で岩などがないため、有効な洪水対策がとれない。もし、木曽三川の河口のように有効な洪水対策をとろうとすれば最新の技術で膨大なエネルギーを使用しないといけないだろう。エネルギーとそれを賄えるだけの経済力が無ければ安全も無い事に気がついた。

原発に変わる安全で安価なエネルギー供給が出来なければ日本はただ貧しくなるだけでなく安全も徐々に脅かされていく。それは困る。自分は未来の日本のために何をすべきか?結局、自分は自分に与えられた仕事をきっちり行い、自分の子供をしっかり教育して将来の日本を担ってもらう事が肝要なのかもしれない。だから勉強しろと今日も言うことにした。



1斤 X 4 =4斤を焼成。

これまでのイギリスパンと配合は同じ。これまでコールドスタート180度40分で焼成することが多かったが、今回は焼成をコールドスタート 230度 10分 200度 10分 180度 20分 としてみた。

色づきもよく焼成でき、釜のびもこれまでよりよくなった。いわゆる「天使のささやき」もうるさいぐらいに聞くことができた。

20mSv

2011-05-29 21:21:09 | パン
放射線を週1回以上は浴びているためフィルムバッヂで月々の放射線量をモニタリングしている。時に(たぶん年度初め)積算量を記したレポートをもらうが、1年間の積算量はだいたい多いときでもせいぜい年に3mSv台のようだ。思ったよりも多くない。仕事であれだけ浴びていても4mSvはいかないのだから政府が規定している限度量20mSv/年は多いと思う。
気になって福島県で発表されている福島市の放射線量を見てみた。どうも4月初めから1~2μSv/hrの値は下がっていないようだ。最新の値は1.36μSv/hrだ。年に換算すると約12mSv。自分が浴びている放射線量の実に3倍近い。しかも、自分の場合は外部被爆なのに対し、あちらは内部被爆も加わってくる。20mSv/年を時間で見ると約2.28μSv/hr。20mSv/年の科学的根拠がよくわからないし、この値を見ると福島市を非難区域に入れたくないために後付けで値を設定した可能性もあるのではないか。

本当に心が痛む。せめて子どもたちだけでも何とかできないものだろうか。



信州産こごみをいただいたのでゆでた後、アスパラと茄子、エリンギとともに炒めた。
最後にバターで香りづけ。

こごみなどシダ類はセシウムを濃縮するという話もあるらしい。一応、子どもたちにはあげず、自分で食べてしまった。信州産ということであまり気にせず食べてしまったが、どうだろう。

野沢菜おやきパン

2011-05-23 22:06:22 | パン
ちょっと前に駐車場の脇で2つ寄り添うように咲いていたチューリップ。ちょっと車の操作を間違えれば踏み倒してしまいそうな場所、花壇でもなんでもない場所。官舎に以前住んでいた人が植えたのかと思ったが、2株だけ植えるということもないだろうし、どう考えても植えそうに無い場所。チューリップは球根で増えるので不思議だ。
震災前は気にもとめなかった。





野沢菜のおやきパンを焼成。いつも通り、食パン生地で揚げたあとオーブンで焼成。

中身は買ってきた野沢菜漬とにんじん、しいたけなどをごま油で適当に炒めて作った。

やっぱり自粛かな

2011-05-15 06:23:20 | パン
福島第一原発事故の余波で浜岡原発の停止が決定した。今後、起こるかもしれな
い地震、津波などを考えると他の原発だって安全とは言えない。日本中どこにお
いても安全に原発が運用出来る保証は無いのだからこれを機会に脱原発の動きで
次々に原発が停止していく可能性はある。太陽光、風力、水力、地熱など自然エ
ネルギーを利用した発電も代替発電として開発中だが、コスト高や環境破壊など
の問題も否めない。日本が少子高齢化が進むとすれば生産人口は減少し、逆に扶
養人口が増加していくため経済規模も縮小していくだろう。さすれば高コストの
発電源にどれだけの需要があるかも疑わしい。経済規模が縮小してしまうと高コ
ストのエネルギーは採算が合わなくなり脱原発で太陽光発電など自然エネルギー
中心の発電を、と言うのは掛け声だけで夢と終わってしまうのではないか?炭酸
ガス排出も少なく環境に優しく安全なはずの電気が原発事故後、一夜にして高コ
ストで危険な物となってしまった。電気も値上がりするだろうし、もはや電気は
安くもなければ環境に優しいエネルギーではない。震災も原発事故もショックで
あったが、この価値の逆転にもショックを少なからず受けた。

経済成長が他の国と比べ相対的に鈍化して拡大が望めないならば、相対的な収入
だって減少していくことだろう。格差も拡大するかもしれない。格差是正のため
増税で低所得者へ分配をしても国全体の経済が落ち込んでいるところではさらに
景気を冷やすだけだろう。じゃあどうする?富める者も貧しき者も自己防衛のた
めに無駄を省いて必要のない物は買わないようにするしかないじゃないか。省エ
ネルギーというが、省エネも節約生活も根本的な考え方は一緒だ。生産者やサー
ビス提供者は「節電は節電、節電以上の自粛はしないで下さいね。それが経済の
ためです。」と言うが、節電だけで節約はしないなんて器用なことを出来る人は
そうそういないだろう。

リスクを受容しながら安いエネルギーコストで浪費生活を楽しむか、高いエネル
ギーコストをあきらめて身の丈にあった節約志向の消費生活で我慢するか、どっ
ちかだろう。安全で低いコストのエネルギーなんてありえない。エネルギーに高
いコストを払わなければならないのなら経済は停滞し、可処分所得は確実に減少
する。政治家は節電を御題目よろしく人に勧めながら金は使えという、本当にバ
カじゃなかろうか?

もう原発に頼れないとすれば省エネルギーと質素倹約は必須だ。身の丈以上の消
費生活をしなくても生活は楽しめる。子供たちはテーマパークやゲーム機で贅沢
に時間と金を浪費して遊ぶことよりも学習の楽しさやもの作りの楽しさ外で体を
動かして遊ぶことの楽しさを実感すればいいと思うし、そのような学習・遊びを
通して、しっかり自立した日本国民として成長してもらい、納税で日本に貢献し
てもらわねばならない。(やはり早期自立の第一歩としてbaby led weaningは必要
のようだ。1歳の子供が避難所で離乳食がないので困っているというニュースを震
災直後見たが、自立してもらわないと有事の際、困ってしまう)
大人だって自分に天から与えられた仕事・天職をまっとう出来るようにすべきだ
し、無駄に時間を浪費する前に日々の労働を楽しめながら行えるようにすべきだ
。極端に言えば、仕事中心、子供の教育中心でいいんじゃないか。老いても元気
ならば倒れるまで働く。それが行き過ぎならば70歳までは働いたっていいじゃな
いか。どうせ年金支給年齢も引き上げられることだし。高度経済成長以前を考え
れば今までが贅沢すぎただけだ。

そして余計な物は望まない。確かに消費生活で浪費して欲しい生産者やサービス
提供者はそうなれば打撃が大きいかもしれない。文句も出るだろう。でも仕方が
ない。旧来、人から支持されなくなった物は廃れていっていた。商売人だったら
消費者を責める前に支持されるように自分が変わらなければならない。自分のこ
とを言えば、不景気でスポーツ人口が減少したり、出かける事が少なくなれば怪
我しなくなるし、整形外科医だって商売上がったりになるかもしれない。いや、
風と桶屋の話じゃなくて社会保障費がカットされれば、医療施設だって倒産する
かも。現に倒産する病院、医院は実際には相当数あるという話だし、、、先の事
を考えると自分に必要な課題としてはスキルを他人にも見える形で維持、向上し
て行くこと。実績を目に見える形で積むこと。もちろん質素、倹約につとめ、子
供達をきちんと教育していくこと、だろうか。やはり自粛は必要そうだ。商売さ
れている方々には悪いけれど、、、、、

ただ、パン焼きぐらいはいいかな。実益を兼ねるだろうし(笑)



焼いたのは日々の糧としてのイギリスパン。
いつも通りのレシピで。1斤ずつ計4斤。
焼成をコールドスタート230度10分、180度20分としてみた。柔らかく出来たが、
ややケーブイン気味。もう少し、温度を上げるか、焼成時間を取るかした方がよ
かったようだ。



直火型エスプレッソマシン・モカ・マキネッタ

2011-05-12 00:08:14 | 珈琲
戸棚の奥から直火型エスプレッソマシンが出てきた。いつもはエスプレッソはRancilio Silviaで淹れているのだが、こういう素朴な器具もしばらくぶりに使いたくなって淹れてみた。確かにSilviaで淹れるエスプレッソはクレマもちゃんと出てその味はシェークスピアも詩で称えるぐらい素晴らしいのだが(笑)、それなりの電力と時間を必要とするのでエコではない。

以前にもこのブログで書いたが、今から四半世紀前、20世紀に初めて直火型エスプレッソマシンで飲んだエスプレッソはおいしくなかった。ただ、今あらためて飲んでみるとSilviaには負けるかもしれないが、おいしい。焙煎して時間のたっていないちゃんとした豆を使っているからだろう。

当時と比べて良い豆が安く簡単に手に入れられるようになった。失われた20年と言うが、あの頃と比べて物は溢れており、豊かにはなっている。

ただ、今後はどうだろう。


油で揚げずにオーブンで名古屋風手羽先、しかも、手間いらず

2011-05-08 15:43:54 | 料理
名古屋名物、手羽先を作ってみた。手羽先は油であげてからタレをからませるのが本式のようだが、カロリーも高いし、油で汚れるし、何よりもたくさん作るとなると手間もかかるので、オーブンを使用した。オーブンは本当に便利だ。皆さんよくヘルシオで作ったりしているようだが、鶏から油が出るので普通のオーブンで何も問題ない。

やはり手羽先は一皿に山盛りにして皆で食べるとおいしい。まもなく3歳になろうかといううちの一番下の子も骨までしゃぶりつつ夢中でいるためか、ベタベタにした手を上の子の服で拭いたりして、上の子と大騒ぎしながら食べている。一家団欒。

家族の食事といえば、老夫婦の幸せそうな食事風景を描いたあるCMがある。郊外の瀟洒な家で食卓に様々に並べられた美味しそうな惣菜。微笑んでいる妻と思しき女性。夫と思われる男性もニコニコしながら食事を楽しんでいる。老夫婦の微笑ましい食事風景。。。だが、何故かわからなかったが、このCMを見るとずっと不愉快だった。並んでいるのがこの夫婦の一つ上の世代だったら嫌がるだろうコンビニの惣菜だからではない。別にこの老夫婦が悪人に見えるわけではない。震災直後であったからではない。とにかくずっと不愉快だった。わからないけれど。

先日、このCMを見た直後、たまたま某番組で伊東四朗が話していた言葉でその理由が全てわかった。ちょうどチャンネルを変えたところで前後のつながりはよくわからなかったが、こう言っていた。
「一汁一菜の粗末な食事だったが、それを家族みんなで囲んで、、、」
粗末だが同じ物を食べて家族の気落ちがひとつになって物質的には貧しかったが、今よりずっと豊かであったというような事を言っていたと思う。

翻ってCMを見ると食卓に並べられていたのは種類も豊富で一見、豪華に見えるが、ご飯にパン、てんでちぐはぐでバラバラな惣菜だ。この夫婦は心が本当にかよっているのだろうか。こういう食卓ではこの老夫婦の微笑み、喜びの顔も仮面のようで虚しく見える。感情を奪われた人形のようで何となく不気味で恐ろしい。

この四、五十年の間、日本はとてつも無く豊かになった。しかし、本当に豊かになったんだろうか、物質だけの上辺だけ?しかも物質的にはいったん豊かになったのに今ではその豊かさも失われて行くような気がしてならない。精神的にも物質的にも貧しくなってしまったら何が残るというのだろう。そこら辺の言い知れない自分の不安感をこのCMは心の底からえぐり出す力を持っているのかもしれない。

だから、こうやって一皿に盛った手羽先を家族みなでわけあって食べられるというのは本当に幸せなんだろうなぁ、と実感する。東日本大震災以降、そう感じるようになった。しかし、まあ、手羽先なんて昔はもっと安かったように思うが、最近は名古屋めしの影響なのか、骨と皮が多いのにむね肉よりグラムあたりの値段が高かったりするから驚く。前世紀、2~30年ほど前だったら安い手羽先で貧しかった食事だったのかもしれないが、21世紀の手羽先は本当にごちそうだ。



手羽先
片栗粉
塩 手羽先 1kg に対して 2~3g
コショウ 手羽先1kgに対して1~2g
胡麻油 手羽先1kgにたいして大2~3

ビニール袋の中で上記をよく混ぜ合わせる。


【たれ】

ニンニク醤油 大 3 (にんにくを醤油につけたもの)
醤油 大 2
みりん 大 2
酒 大 2
蜂蜜 大 1
水あめ 大 1
パプリカ(唐辛子)大 1
白ごま 少々

混ぜて一煮立ちさせ、焼いた手羽先とからめる。
辛さはにんにく醤油と唐辛子の量で決定。

うちは辛さを抑えるためにパプリカとしています。


カンパーニュ 

2011-05-04 10:11:12 | パン
ライ麦でカンパーニュを焼成した。
クープを入れるとき、いつものように十字だと芸がないなぁとはたと思い、一瞬悩んだ。
悩んだ割には実用本位であまり芸術的でないクープだ。
あと生地が少しべたついていたので小麦粉を多めにふっておいたため粉だらけになってしまった。
ただ久々にしてはいい感じにできた、と思う。



ライ麦粉 200g
ブルーメ 400g
シラネ  200g

水分 65%
にがり 10g
塩   10g

ヨーグルト 5g
赤サフ   1g + 3g
ポーリッシュ法で