第23話
ヨットは相変わらずカジノに通い詰め、負けがかさめば家の財産を売って穴埋めしていました。ある夜、カノーンはヨットを殺そうとこっそり屋敷に忍び込みますが、見つかってしまいその日は決行することができませんでした。ヨットは無用心な屋敷の警備に不安を口にします。ばくちでの負けを取り返すために、屋敷の倉庫から金銀財宝の一部を取り出すヨット。初めて財宝を目にしたトーンはあまりの豪華さに目を奪われます。「あなたはばくちで失敗ばかりしているけれど、そんなことでは子供たちの将来が不安だわ」などと言葉巧みにヨットから鍵を預かる頃に成功するトーン。盗みだした財宝を土産に母のもとへ向かいます。
テープの行方は依然分からないままでしたが、ある日、とうとうテープが帰ってきます。久しぶりの再会と無事を喜ぶラオーオーン。生まれた子供と初めて対面したテープは表情を緩めます。バンコクから追放されることになったこと、いつか必ず戻ってくるつもりであること、そのときは家族のもとを離れないことを話すテープに、ラオーオーンは驚きながらも理解をみせます。子供たちとも再会を喜びあうテープ。その夜、自分の身になにかあったら財産のすべてはラオーオーンに譲るという遺言状をしたためたテープは、ラオーオーンに遺言状を渡します。「受け取りたくない」というラオーオーンでしたが、テープの置かれている現状をそれとなく察し、辛くてたまらなくなります。
親孝行のできない自分の不孝を母に改めて詫びるテープ。「あなたの信念がそうさせたのだから」と毅然とした態度でテープとの別れを惜しむ母を見て、ラオーオーンは涙が止まりません。迎えに来た兵士たちに囲まれ、テープは屋敷をあとにします。これからテープがどうなってしまうのか、テープと再び再会することがあるのか、ラオーオーンには分かりませんでした。子供たちも、これから父がどうなってしまうのか、そして自分たちがどうなってしまうのか分からず、不安でいっぱいです。遠ざかっていく船を、いつまでもただ見送ることしかできないラオーオーンたち。2475年7月、タイはクーデターにより、それまでの絶対君主制から立憲君主制へと移行します。
テープが追放されてしまったこと、その原因となったのは父だと知り、ナリンはイムの気持ちを考えるといてもたってもいられません。イムの友人でもある妹ジェットに「おまえにとってもイムは大切な友達のひとりだろう」と憤りをぶつけます。一方、テープが追放されてしまったことは、ヨットの家で働く使用人たちも知るところとなります。使用人たちの噂話を聞いたトーンは、「誰の話?」と間に入ります。ラオーオーンのことだと聞かされたトーンは大喜び。「当然の報いだわ」と、ラオーオーンの悪口を言います。「誰の話をしているんだ?」とヨットに言われ、慌てて「古い知り合いのことです」と話をそらすトーン。誰のことを言っているのかヨットが知らないのをいいことに、トーンは悪口を続けます。
これが今生の別れになってしまうのか・・・。
タイの歴史を知らなければなかなか難しい側面もあるのですが、世界大戦前後のタイは、対外的にも大きく変貌を遂げた頃です。軍人として歴史に翻弄されるしかなかったテープの運命を、ラオーオーンもとめることはできなかったのでしょう。終盤、使用人たちが「ラオーオーン様はすべてを失った」と噂していましたが、きっと家長でもあるテープを失い、家自体の存続も危ぶまれるようなことがあったのかもしれませんね。ナリンが「父さんのすることが、僕とスミッター(イム)の関係を壊す」と言っていましたが、当時は親の言うことは絶対です。おかしいと思いつつも、まだ子供であるナリンには当然逆らうことなどできないわけで・・・。激動の時代を生き抜いたラオーオーン、その後の運命はいかに?!
ヨットは相変わらずカジノに通い詰め、負けがかさめば家の財産を売って穴埋めしていました。ある夜、カノーンはヨットを殺そうとこっそり屋敷に忍び込みますが、見つかってしまいその日は決行することができませんでした。ヨットは無用心な屋敷の警備に不安を口にします。ばくちでの負けを取り返すために、屋敷の倉庫から金銀財宝の一部を取り出すヨット。初めて財宝を目にしたトーンはあまりの豪華さに目を奪われます。「あなたはばくちで失敗ばかりしているけれど、そんなことでは子供たちの将来が不安だわ」などと言葉巧みにヨットから鍵を預かる頃に成功するトーン。盗みだした財宝を土産に母のもとへ向かいます。
テープの行方は依然分からないままでしたが、ある日、とうとうテープが帰ってきます。久しぶりの再会と無事を喜ぶラオーオーン。生まれた子供と初めて対面したテープは表情を緩めます。バンコクから追放されることになったこと、いつか必ず戻ってくるつもりであること、そのときは家族のもとを離れないことを話すテープに、ラオーオーンは驚きながらも理解をみせます。子供たちとも再会を喜びあうテープ。その夜、自分の身になにかあったら財産のすべてはラオーオーンに譲るという遺言状をしたためたテープは、ラオーオーンに遺言状を渡します。「受け取りたくない」というラオーオーンでしたが、テープの置かれている現状をそれとなく察し、辛くてたまらなくなります。
親孝行のできない自分の不孝を母に改めて詫びるテープ。「あなたの信念がそうさせたのだから」と毅然とした態度でテープとの別れを惜しむ母を見て、ラオーオーンは涙が止まりません。迎えに来た兵士たちに囲まれ、テープは屋敷をあとにします。これからテープがどうなってしまうのか、テープと再び再会することがあるのか、ラオーオーンには分かりませんでした。子供たちも、これから父がどうなってしまうのか、そして自分たちがどうなってしまうのか分からず、不安でいっぱいです。遠ざかっていく船を、いつまでもただ見送ることしかできないラオーオーンたち。2475年7月、タイはクーデターにより、それまでの絶対君主制から立憲君主制へと移行します。
テープが追放されてしまったこと、その原因となったのは父だと知り、ナリンはイムの気持ちを考えるといてもたってもいられません。イムの友人でもある妹ジェットに「おまえにとってもイムは大切な友達のひとりだろう」と憤りをぶつけます。一方、テープが追放されてしまったことは、ヨットの家で働く使用人たちも知るところとなります。使用人たちの噂話を聞いたトーンは、「誰の話?」と間に入ります。ラオーオーンのことだと聞かされたトーンは大喜び。「当然の報いだわ」と、ラオーオーンの悪口を言います。「誰の話をしているんだ?」とヨットに言われ、慌てて「古い知り合いのことです」と話をそらすトーン。誰のことを言っているのかヨットが知らないのをいいことに、トーンは悪口を続けます。
これが今生の別れになってしまうのか・・・。
タイの歴史を知らなければなかなか難しい側面もあるのですが、世界大戦前後のタイは、対外的にも大きく変貌を遂げた頃です。軍人として歴史に翻弄されるしかなかったテープの運命を、ラオーオーンもとめることはできなかったのでしょう。終盤、使用人たちが「ラオーオーン様はすべてを失った」と噂していましたが、きっと家長でもあるテープを失い、家自体の存続も危ぶまれるようなことがあったのかもしれませんね。ナリンが「父さんのすることが、僕とスミッター(イム)の関係を壊す」と言っていましたが、当時は親の言うことは絶対です。おかしいと思いつつも、まだ子供であるナリンには当然逆らうことなどできないわけで・・・。激動の時代を生き抜いたラオーオーン、その後の運命はいかに?!
テープ母の毅然とした態度、ラオオーンと子供達がテープを見送るシーン、ほんと今回は泣けましたね。悲しくて涙が止まりませんでした。
先週はFang、トンくんも出てきたし、これで全ての役者が出揃ったかな。これからどういうふうにラオオーンと関わっていくのか、今週も見逃せませんね!
この物語はひとりの女性の人生を描くと共に、タイという国の激動をも描き出していると思います。
テープはきっと、政治的に失脚させられてしまったわけで、自分が正しいことをしたという信念があったのでしょうね。母の毅然とした態度からもよく分かります。
もうちょっとタイの歴史が分かっていればもっと楽しめるのになぁ~!!
家柄や財力で権力を誇れた時代が終わろうとしている今、これからラオーオーンがどう生きていくのかとっても興味深いですね。