第13話
帰宅したラティーは、いつものようにメイドのジェーンを呼びつけますが、なぜかジェーンは反抗的です。そこへカオホームとランヤーが、ナーワーと一緒に戻ってきます。「食事に行ってきただけ」と言うランヤーに、ラティーはなんとなく不審なものを感じます。テーチットは、結婚前にラティーをこの家に招きたいと父に話します。父はテーチットが同居を急ぐ理由が分からないながらも、理解を示します。ランヤーに同居のことを申し出るラティー。ランヤーがあっさりと了解を出したことに、ラティーはさらに不信感を募らせます。ジェーンの部屋へ出向き、「なにか隠していることがあるんでしょう!白状しなさい!!」と詰め寄ります。ラティーに痛めつけられながらも、ジェーンは秘密を守り通します。
翌日、顔を腫らしたジェーンから、ラティーがみんなの態度に不信感を募らせていることを聞かされたランヤー。話をこっそり聞いていたラティーは、昨日からのことにようやく合点がいきます。テーチットが自分を屋敷へ入れると申し出たのも、結局はカオホームのためだと知り、ラティーはカオホームを殺す決意をします。フォンのタンブンのため寺へ出向いたカオホームとナーワー。ラティーが本当のことを知ったらどう思うか、カオホームはすっきりしない気分でいました。寺にはテーチットも来ていました。「ここでおまえに会うなんて」というナーワーに、「ラティーがいなければ、カオホームとランヤーさんの安全は守れる」と話すテーチット。ラティーがランヤーの娘ではなくても、ラティーと結婚するというテーチット。「責任があるから」と話すテーチットに、カオホームは改めて礼を述べます。
ナーワーに送られて帰宅したカオホームを、ラティーが待っていました。「買い物したいものがあるから、つきあって」というラティーに逆らえず、カオホームはラティーと一緒に家を出てしまいます。二人の様子を偶然目にしたメイドのジェーンがすぐにランヤーに報告。嫌な予感を感じたランヤーはカオホームに電話を入れますが、繋がりません。連絡を受けたナーワーがカオホームを見つけたとき、ラティーはナイフを持ってカオホームに切りかかろうとしていました。もみ合いになるラティーとカオホーム。ラティーは勢いあまって橋の欄干から転落し、行方が分からなくなってしまいます。後日、DNA鑑定の結果が出て、ランヤーとカオホームの親子関係が立証されます。ナーワーから事実を聞かされ、さっそく父に報告するテーチット。ナーワー親子、テーチット親子共々ランヤーのもとへお祝いにやってきます。
しかしこんなことで負けるようなラティーさまではないのです。
ランヤーはカオホームに「あなたのことをずっと見てきたから、あなたの考えていることは分かる。人には、愛する人と愛してくれる人が同じではないことだってあるのよ」と話します。「いつかナーワーを愛せる日がくると思う」と静かに話すカオホーム。ナーワーから、改めて婚約することを申し込まれ、カオホームはランヤーの言葉を思い出しながらも、申し出を受けることにします。二人の様子を見てしまったテーチットは深く傷つきます。トーファー村の孤児院再建プロジェクトが完了します。再建された孤児院を見て、ナーワーは企画を成功に導いたテーチットに改めて感謝を示します。「いづれここに、カオホームと暮らす家を建てるつもりだ」というナーワーに、「ふたりへのはなむけとして、自分に任せて欲しい」と申し出ます。
テーチットは、カオホームのためにすでに家を1軒建てさせていたのでした。一方カオホームは、ナーワーとの結婚に向けて、ウェディングフォトを撮ったり、雑貨を選んだりしていました。トーファー村に連れて来られたカオホームは、再建された孤児院を見てうれしそうな表情を見せます。「まだ言っていないことがあるんだ」と言うナーワーに連れられて、新しい家に案内されるカオホーム。家にはランヤーをはじめナーワーの父、テーチットの父もいました。「いつからこの家を準備していたの?」と尋ねるカオホームの前に、テーチットが現れます。今までずっと渡せずにいた腕時計を、結婚のお祝いとして渡すテーチット。「2、3年かそれ以上、アメリカで勉強するから結婚式に出られるかどうか分からない」というテーチットに、カオホームは表情を曇らせます。
テーチットの話を聞いてから、なんとなく気分の晴れないカオホーム。ランヤーが声をかけます。「お母さんは、時間を止めたいと思ったことはありますか?」と尋ねるカオホームに、ランヤーはカオホームがどうしてそんなことを聞くのか尋ねます。夜、屋敷の戸締りをしていたジェーンは、玄関の扉が開いているのに気付きます。不審に思って鍵をかけますが、なんと背後にはラティーがいました。「お母さんと、カオホームはどこ?」と詰め寄るラティーに、ジェーンはおびえながらも口を割りません。しかしそこへランヤーから電話がかかってきてしまいます。留守番電話へ残されたメッセージから、一同がトーファー村にいることを知ったラティー。ジェーンを殴りつけその場を後にします。翌朝、意識を取り戻したジェーンはすぐさまランヤーに連絡をとりますが、繋がりません。やっと連絡の取れた相手は、テーチットでした。
「幸せなときは、時間が止まればいいと思うこともあるけど、問題から逃げるために時間が止まればいいと考えるのはどうなのかしら?」まさにそのとおり!
テーチットのことを考えると涙の止まらないカオホーム。昨夜、ジェーンにカオホームが身につけるためのダイヤモンドを用意しておくよう連絡を入れたのに、テーチットの父から「迎えをやったけど、ジェーンは出てこなかった」と聞かされ、ランヤーは「カオホームはなにを身に着ければいいのかしら」と気をもみます。偶然にも、ナーワーの父がカオホームに渡そうと、亡くなったナーワーの母のダイヤモンドを準備してきていました。ランヤーに代わって自分がカオホームに渡しにいくというナーワー。テーチットのことを考え涙を流すカオホームに言葉を失います。「テーチットのことを考えるのは、これが最後だから」というカオホーム。そこへ背後からラティーが拳銃を持って現れます。「あんたさえいなければ!」とカオホームに銃を向けるラティー。
銃を置くよう説得にかかるナーワーに、ラティーは「あなたもおめでたい人ね。カオホームは、あなたのことなんか愛していないのに」と言います。カオホームを庇って背後から撃たれてしまうナーワー。「ラティー、やめろ」とテーチットもやってきます。「すぐに警察が来る。銃を置け!」というテーチットに、「あなたも私を騙した」と訴えるラティー。カオホームを人質にとります。「友達だったでしょう?」と必死にラティーをなだめようとするカオホームに、ラティーは銃を向けます。「これ以上罪を重ねるな!」というテーチットの言葉に、一瞬怯むラティー。テーチットともみ合いになるうち、尖った倒木の上に倒れこみ、命を落とします。すぐにナーワーのもとへ戻るカオホーム。「しっかりして」と励ますカオホームに、「心から愛した人のそばで、人生の最期を迎えられて、世界中で一番の幸せものだよ」と言い残し、ナーワーは静かに息を引き取ります。
ナーワーの葬儀がしめやかに行われます。「最高の幸せな日が、葬式になってしまうなんて」と嘆く父に、テーチットは「人生なんてそういうものです。いつまでもあると思っていた時間が、突然終わってしまったりするのだから」と話します。火葬されるナーワーの炉の前で、いつまでも涙を流し続けるカオホーム。ランヤーに促され、テーチットが声をかけます。「悲しんでいては、ナーワーも落ち着いて眠れないだろう」と言うテーチットに「彼は私をいつも気遣い、いつも優しくしてくれた。彼の愛情に、まだなにも答えていないのに」と涙を流すカオホーム。「ナーワーは、君の幸せを望んでいた。ナーワーに報いたいと思うなら、幸せに生きることだ。ナーワーもきっと見ているから」とテーチットは言葉をかけます。「カオホームが早く元気になれるように協力してね」と話すランヤーに、テーチットはしばらくアメリカへ行くことを告げ、そっと斎場を後にします。
ナーワーの最期には号泣・・・いい男だったのに!!
テーチットの出発の日。父に別れを告げ、家を出ようとするテーチットを、カオホームが待っていました。カオホームの訪問に戸惑うテーチット。「あなたが行ってしまう前に、どうしても話しておきたいことがあったから」と話すカオホームが、テーチットの贈った腕時計をしているのを見て、テーチットは安心した表情を見せます。「今まで散々、君にひどいことをしてきたのに、許してくれたんだね」と言うテーチット。カオホームに別れを告げます。「あなたを嫌いだと思ったことはなかった」というカオホームに、テーチットは足を止めます。「人はときに、心とはうらはらなことをせずにはいられないものでしょう」と言うカオホーム。「嫌いではないなら、もう一度チャンスをくれないか」とカオホームに跪くテーチットに、カオホームは「もうここに戻ってきているのに」と笑顔を見せます。
トーファー村の孤児院が再建され、子供たちが戻ってくることになります。ランヤーは、亡くなった前院長の志を引き次ぐことに。ナーワーの父も、ランヤーの友人として全面的に協力することを約束します。孤児院に戻ってきた子供たちに笑顔を見せるカオホームに、テーチットも笑顔を見せます。「こんな日がまた来るなんて、考えもしなかった。夢じゃないかと思ってる」と話すカオホームに、テーチットは「夢と現実、どっちがいい?」と尋ねます。「ナーワーとのことは、夢みたいだった」と話すカオホームに、テーチットは「ナーワーは、僕らの心にいつまでもいる」と話します。「これからは、君を大切にする。絶対に傷つけない。ずっと愛してる」とカオホームに話すテーチット。「君はどう?答えてくれなくても分かってるけど」と言うテーチットに、カオホームも笑顔を見せます。紆余曲折を乗り越え、二人は最愛の友人を胸に、永遠の愛を誓い合うのでした。
かなり長い台詞回しを頑張ったテーチット、本当にお疲れ様!
最終回・・・なんと2時間スペシャル!レビューも超ロング!!みなさん、お疲れ様でした。最後の場面でタイトルになっていた言葉「คนที่ยอมไม่ใช่..แพ้ แต่เป็นคน..ที่ไม่ต้องการ..ชัยชนะ」、物語を通してテーマとなっている言葉でもありますが「勝者じゃなくて構わない。だけど勝者になろうとはしない」、要は人生は勝ち負けではないということなのでしょうけど、なかなか含蓄のあるエンディングでしたね。ラティーが最後、お縄になることなく命を失うというのは、なかなかスッキリ度も高かったのではないでしょうか。テーチットを想い涙するカオホームを見たとき、ナーワーはどんな気持ちだったでしょう・・・ナーワーが死んでしまったのは残念でしたね。だけどこのまま無理をしてカオホームと一緒にいても、きっといつか辛い日は来る・・・100%納得できたわけではないけれど、いいエンディングだったと思います。トーファー村の美しい自然の風景にも癒されましたね。孤児から大富豪の一人娘になる、というのは、タイドラマでは結構ありがちというか、いかにもドラマっぽい設定ではありますが、親子愛、友情、三角関係といろいろあって見ごたえあったと思います。やっぱりなんといっても、いつも優しくてジェントルなナーワーと、不器用で素直じゃないテーチット、ふたりともいい男!!やっぱりドラマのなかくらい、夢みたいですよね~。カオホームとテーチットが心を通わせあうシーンでは、思わず涙が。ほんとハッピーエンドでよかったです。
終わってみれば典型的「ナムナオ(メロドラマ)」だったこのお話、みなさん楽しめたでしょうか?ナーワーも、テーチットも、カオホームも、役者としてはまだ新人・・・ナーワー役Nadechクン、テーチット役Markクンはそれぞれch3の40周年記念ドラマで主演を勤めることになっています。これからの活躍にも期待できそうですね。そして、ドラマ初出演ながら立派に悪役をつとめあげたラティー役Gupgipちゃん、実生活ではあのMarioの恋人、ということで、主演4人のなかでは当初から一番知名度はあった彼女ですが・・・彼氏Marioにも「ラティー・・悪い子だよね」と苦笑いされてしまうほどのハマりっぷり。今後にも充分期待できそうです。そして物語の中心人物カオホーム役のMintちゃん、泣くシーンが多くて大変だったと思いますが、ああいった落ち着いた演技ができて、なおかつ大人っぽい雰囲気をもつ女優はch3としては珍しいような?!これからの活躍に期待が高まりますね。本当にお疲れ様でした。
そしてこれはどうしても一言言いたいのですが・・・今回、タイの暴動で我らがch3は放火の悲劇にあってしまい、約1日半放送が出来なくなるという事態に陥りました。ch3のあるあたりは、ちょうど軍と反政府軍の衝突があった付近で、消防や警察がなかなか助けに入れなかったということもあり、被害が拡大したそうです。中に閉じ込められたキャスターや職員、タレントなども何名かいたようで、幸いけが人は出なかったものの本当に心が痛みます(人気MCのビーム・サランユーも閉じ込められていたようです)。二度とこんなことが起きないよう願うばかりですが、この問題はタイという国にとって本当に根深い問題・・・我々外国人がとやかく言う立場にないのは重々承知していますが、やはりおのおのが、問題の深さをきちんと認識し、相互理解につとめなければならない問題だと思います。こうしてタイドラマを毎日楽しめるのも、タイという国に平和があってのことですよね。亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、一日も早い被害の復旧と、タイの人たちの間に愛し合い許しあう気持ちが戻ってくるよう願っています。
帰宅したラティーは、いつものようにメイドのジェーンを呼びつけますが、なぜかジェーンは反抗的です。そこへカオホームとランヤーが、ナーワーと一緒に戻ってきます。「食事に行ってきただけ」と言うランヤーに、ラティーはなんとなく不審なものを感じます。テーチットは、結婚前にラティーをこの家に招きたいと父に話します。父はテーチットが同居を急ぐ理由が分からないながらも、理解を示します。ランヤーに同居のことを申し出るラティー。ランヤーがあっさりと了解を出したことに、ラティーはさらに不信感を募らせます。ジェーンの部屋へ出向き、「なにか隠していることがあるんでしょう!白状しなさい!!」と詰め寄ります。ラティーに痛めつけられながらも、ジェーンは秘密を守り通します。
翌日、顔を腫らしたジェーンから、ラティーがみんなの態度に不信感を募らせていることを聞かされたランヤー。話をこっそり聞いていたラティーは、昨日からのことにようやく合点がいきます。テーチットが自分を屋敷へ入れると申し出たのも、結局はカオホームのためだと知り、ラティーはカオホームを殺す決意をします。フォンのタンブンのため寺へ出向いたカオホームとナーワー。ラティーが本当のことを知ったらどう思うか、カオホームはすっきりしない気分でいました。寺にはテーチットも来ていました。「ここでおまえに会うなんて」というナーワーに、「ラティーがいなければ、カオホームとランヤーさんの安全は守れる」と話すテーチット。ラティーがランヤーの娘ではなくても、ラティーと結婚するというテーチット。「責任があるから」と話すテーチットに、カオホームは改めて礼を述べます。
ナーワーに送られて帰宅したカオホームを、ラティーが待っていました。「買い物したいものがあるから、つきあって」というラティーに逆らえず、カオホームはラティーと一緒に家を出てしまいます。二人の様子を偶然目にしたメイドのジェーンがすぐにランヤーに報告。嫌な予感を感じたランヤーはカオホームに電話を入れますが、繋がりません。連絡を受けたナーワーがカオホームを見つけたとき、ラティーはナイフを持ってカオホームに切りかかろうとしていました。もみ合いになるラティーとカオホーム。ラティーは勢いあまって橋の欄干から転落し、行方が分からなくなってしまいます。後日、DNA鑑定の結果が出て、ランヤーとカオホームの親子関係が立証されます。ナーワーから事実を聞かされ、さっそく父に報告するテーチット。ナーワー親子、テーチット親子共々ランヤーのもとへお祝いにやってきます。
しかしこんなことで負けるようなラティーさまではないのです。
ランヤーはカオホームに「あなたのことをずっと見てきたから、あなたの考えていることは分かる。人には、愛する人と愛してくれる人が同じではないことだってあるのよ」と話します。「いつかナーワーを愛せる日がくると思う」と静かに話すカオホーム。ナーワーから、改めて婚約することを申し込まれ、カオホームはランヤーの言葉を思い出しながらも、申し出を受けることにします。二人の様子を見てしまったテーチットは深く傷つきます。トーファー村の孤児院再建プロジェクトが完了します。再建された孤児院を見て、ナーワーは企画を成功に導いたテーチットに改めて感謝を示します。「いづれここに、カオホームと暮らす家を建てるつもりだ」というナーワーに、「ふたりへのはなむけとして、自分に任せて欲しい」と申し出ます。
テーチットは、カオホームのためにすでに家を1軒建てさせていたのでした。一方カオホームは、ナーワーとの結婚に向けて、ウェディングフォトを撮ったり、雑貨を選んだりしていました。トーファー村に連れて来られたカオホームは、再建された孤児院を見てうれしそうな表情を見せます。「まだ言っていないことがあるんだ」と言うナーワーに連れられて、新しい家に案内されるカオホーム。家にはランヤーをはじめナーワーの父、テーチットの父もいました。「いつからこの家を準備していたの?」と尋ねるカオホームの前に、テーチットが現れます。今までずっと渡せずにいた腕時計を、結婚のお祝いとして渡すテーチット。「2、3年かそれ以上、アメリカで勉強するから結婚式に出られるかどうか分からない」というテーチットに、カオホームは表情を曇らせます。
テーチットの話を聞いてから、なんとなく気分の晴れないカオホーム。ランヤーが声をかけます。「お母さんは、時間を止めたいと思ったことはありますか?」と尋ねるカオホームに、ランヤーはカオホームがどうしてそんなことを聞くのか尋ねます。夜、屋敷の戸締りをしていたジェーンは、玄関の扉が開いているのに気付きます。不審に思って鍵をかけますが、なんと背後にはラティーがいました。「お母さんと、カオホームはどこ?」と詰め寄るラティーに、ジェーンはおびえながらも口を割りません。しかしそこへランヤーから電話がかかってきてしまいます。留守番電話へ残されたメッセージから、一同がトーファー村にいることを知ったラティー。ジェーンを殴りつけその場を後にします。翌朝、意識を取り戻したジェーンはすぐさまランヤーに連絡をとりますが、繋がりません。やっと連絡の取れた相手は、テーチットでした。
「幸せなときは、時間が止まればいいと思うこともあるけど、問題から逃げるために時間が止まればいいと考えるのはどうなのかしら?」まさにそのとおり!
テーチットのことを考えると涙の止まらないカオホーム。昨夜、ジェーンにカオホームが身につけるためのダイヤモンドを用意しておくよう連絡を入れたのに、テーチットの父から「迎えをやったけど、ジェーンは出てこなかった」と聞かされ、ランヤーは「カオホームはなにを身に着ければいいのかしら」と気をもみます。偶然にも、ナーワーの父がカオホームに渡そうと、亡くなったナーワーの母のダイヤモンドを準備してきていました。ランヤーに代わって自分がカオホームに渡しにいくというナーワー。テーチットのことを考え涙を流すカオホームに言葉を失います。「テーチットのことを考えるのは、これが最後だから」というカオホーム。そこへ背後からラティーが拳銃を持って現れます。「あんたさえいなければ!」とカオホームに銃を向けるラティー。
銃を置くよう説得にかかるナーワーに、ラティーは「あなたもおめでたい人ね。カオホームは、あなたのことなんか愛していないのに」と言います。カオホームを庇って背後から撃たれてしまうナーワー。「ラティー、やめろ」とテーチットもやってきます。「すぐに警察が来る。銃を置け!」というテーチットに、「あなたも私を騙した」と訴えるラティー。カオホームを人質にとります。「友達だったでしょう?」と必死にラティーをなだめようとするカオホームに、ラティーは銃を向けます。「これ以上罪を重ねるな!」というテーチットの言葉に、一瞬怯むラティー。テーチットともみ合いになるうち、尖った倒木の上に倒れこみ、命を落とします。すぐにナーワーのもとへ戻るカオホーム。「しっかりして」と励ますカオホームに、「心から愛した人のそばで、人生の最期を迎えられて、世界中で一番の幸せものだよ」と言い残し、ナーワーは静かに息を引き取ります。
ナーワーの葬儀がしめやかに行われます。「最高の幸せな日が、葬式になってしまうなんて」と嘆く父に、テーチットは「人生なんてそういうものです。いつまでもあると思っていた時間が、突然終わってしまったりするのだから」と話します。火葬されるナーワーの炉の前で、いつまでも涙を流し続けるカオホーム。ランヤーに促され、テーチットが声をかけます。「悲しんでいては、ナーワーも落ち着いて眠れないだろう」と言うテーチットに「彼は私をいつも気遣い、いつも優しくしてくれた。彼の愛情に、まだなにも答えていないのに」と涙を流すカオホーム。「ナーワーは、君の幸せを望んでいた。ナーワーに報いたいと思うなら、幸せに生きることだ。ナーワーもきっと見ているから」とテーチットは言葉をかけます。「カオホームが早く元気になれるように協力してね」と話すランヤーに、テーチットはしばらくアメリカへ行くことを告げ、そっと斎場を後にします。
ナーワーの最期には号泣・・・いい男だったのに!!
テーチットの出発の日。父に別れを告げ、家を出ようとするテーチットを、カオホームが待っていました。カオホームの訪問に戸惑うテーチット。「あなたが行ってしまう前に、どうしても話しておきたいことがあったから」と話すカオホームが、テーチットの贈った腕時計をしているのを見て、テーチットは安心した表情を見せます。「今まで散々、君にひどいことをしてきたのに、許してくれたんだね」と言うテーチット。カオホームに別れを告げます。「あなたを嫌いだと思ったことはなかった」というカオホームに、テーチットは足を止めます。「人はときに、心とはうらはらなことをせずにはいられないものでしょう」と言うカオホーム。「嫌いではないなら、もう一度チャンスをくれないか」とカオホームに跪くテーチットに、カオホームは「もうここに戻ってきているのに」と笑顔を見せます。
トーファー村の孤児院が再建され、子供たちが戻ってくることになります。ランヤーは、亡くなった前院長の志を引き次ぐことに。ナーワーの父も、ランヤーの友人として全面的に協力することを約束します。孤児院に戻ってきた子供たちに笑顔を見せるカオホームに、テーチットも笑顔を見せます。「こんな日がまた来るなんて、考えもしなかった。夢じゃないかと思ってる」と話すカオホームに、テーチットは「夢と現実、どっちがいい?」と尋ねます。「ナーワーとのことは、夢みたいだった」と話すカオホームに、テーチットは「ナーワーは、僕らの心にいつまでもいる」と話します。「これからは、君を大切にする。絶対に傷つけない。ずっと愛してる」とカオホームに話すテーチット。「君はどう?答えてくれなくても分かってるけど」と言うテーチットに、カオホームも笑顔を見せます。紆余曲折を乗り越え、二人は最愛の友人を胸に、永遠の愛を誓い合うのでした。
かなり長い台詞回しを頑張ったテーチット、本当にお疲れ様!
最終回・・・なんと2時間スペシャル!レビューも超ロング!!みなさん、お疲れ様でした。最後の場面でタイトルになっていた言葉「คนที่ยอมไม่ใช่..แพ้ แต่เป็นคน..ที่ไม่ต้องการ..ชัยชนะ」、物語を通してテーマとなっている言葉でもありますが「勝者じゃなくて構わない。だけど勝者になろうとはしない」、要は人生は勝ち負けではないということなのでしょうけど、なかなか含蓄のあるエンディングでしたね。ラティーが最後、お縄になることなく命を失うというのは、なかなかスッキリ度も高かったのではないでしょうか。テーチットを想い涙するカオホームを見たとき、ナーワーはどんな気持ちだったでしょう・・・ナーワーが死んでしまったのは残念でしたね。だけどこのまま無理をしてカオホームと一緒にいても、きっといつか辛い日は来る・・・100%納得できたわけではないけれど、いいエンディングだったと思います。トーファー村の美しい自然の風景にも癒されましたね。孤児から大富豪の一人娘になる、というのは、タイドラマでは結構ありがちというか、いかにもドラマっぽい設定ではありますが、親子愛、友情、三角関係といろいろあって見ごたえあったと思います。やっぱりなんといっても、いつも優しくてジェントルなナーワーと、不器用で素直じゃないテーチット、ふたりともいい男!!やっぱりドラマのなかくらい、夢みたいですよね~。カオホームとテーチットが心を通わせあうシーンでは、思わず涙が。ほんとハッピーエンドでよかったです。
終わってみれば典型的「ナムナオ(メロドラマ)」だったこのお話、みなさん楽しめたでしょうか?ナーワーも、テーチットも、カオホームも、役者としてはまだ新人・・・ナーワー役Nadechクン、テーチット役Markクンはそれぞれch3の40周年記念ドラマで主演を勤めることになっています。これからの活躍にも期待できそうですね。そして、ドラマ初出演ながら立派に悪役をつとめあげたラティー役Gupgipちゃん、実生活ではあのMarioの恋人、ということで、主演4人のなかでは当初から一番知名度はあった彼女ですが・・・彼氏Marioにも「ラティー・・悪い子だよね」と苦笑いされてしまうほどのハマりっぷり。今後にも充分期待できそうです。そして物語の中心人物カオホーム役のMintちゃん、泣くシーンが多くて大変だったと思いますが、ああいった落ち着いた演技ができて、なおかつ大人っぽい雰囲気をもつ女優はch3としては珍しいような?!これからの活躍に期待が高まりますね。本当にお疲れ様でした。
そしてこれはどうしても一言言いたいのですが・・・今回、タイの暴動で我らがch3は放火の悲劇にあってしまい、約1日半放送が出来なくなるという事態に陥りました。ch3のあるあたりは、ちょうど軍と反政府軍の衝突があった付近で、消防や警察がなかなか助けに入れなかったということもあり、被害が拡大したそうです。中に閉じ込められたキャスターや職員、タレントなども何名かいたようで、幸いけが人は出なかったものの本当に心が痛みます(人気MCのビーム・サランユーも閉じ込められていたようです)。二度とこんなことが起きないよう願うばかりですが、この問題はタイという国にとって本当に根深い問題・・・我々外国人がとやかく言う立場にないのは重々承知していますが、やはりおのおのが、問題の深さをきちんと認識し、相互理解につとめなければならない問題だと思います。こうしてタイドラマを毎日楽しめるのも、タイという国に平和があってのことですよね。亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、一日も早い被害の復旧と、タイの人たちの間に愛し合い許しあう気持ちが戻ってくるよう願っています。