テムテムな日常

頑張れみんな!頑張れ自分!

「トラーバープシーカーオ」第28話(最終話)

2010-09-21 | タイドラマ「白い罪」
第28話(最終話)
ゲーオの裁判が始まります。ファーの父は、ゲーオが殺人を犯したことは故意ではなかったと証言します。裁判の間中、アノンは気が晴れません。帰宅してからも悩んでいる様子のアノンに、母が声をかけます。「自分のしたことは間違っていたのかも」とドゥアンが死を選んだのは自分のせいだと悩むアノン。判決の日、傍聴席にアノンはいませんでした。ゲーオに14年の懲役が求刑され、裁判は結審します。退廷するとき、ソンクラーンと少し話をするゲーオ。「しっかりしなさい。アノンさんを父親だと受け入れて」と訴えるゲーオに、ソンクラーンは涙を流します。「私を心配するなら、私を安心させて欲しい」と言うゲーオ。職員に促され立ち上がると、そこにはアノンがいました。

アノンのゲーオ、視線が合いますがアノンは何も言えずにいました。アノンになにか言いたげなゲーオでしたが、職員に連れられ静かに歩いて行きます。姿の見えなくなったゲーオを慌てて追いかけるアノン。収監されようとしているゲーオに向かって、アノンは「全部許すから!!」と訴えます。アノンは自分を憎み、嫌っていると思っていたゲーオは驚き、涙を流します。「もう全部許すから。君にひどいことを言った僕を許して欲しい」と言うアノンを、ゲーオは受け止めます。抱き合って涙を流す二人。そしてゲーオは収監されます。すべてが終わり、呆然とその場に立ち尽くしてしまうアノン。まだ気持ちのなかでの整理はつきませんが、アノンはいつまでも涙を流すのでした。

ソンクラーンの今後を気遣うファーに、ソンクラーンも笑顔を見せます。ゲーオを見送り、呆然としているアノンに初めて「父さん」と呼びかけるアノン。「今、なんて言った?」と驚くアノンに、もう一度「父さん」という言葉を使うソンクラーン。ゲーオに言われたとおり、アノンを父と認め、一緒に生きていくことを決意したソンクラーンを、アノンは息子としてしっかり抱きしめます。見守っていたファーも笑顔になります。ゲーオは粛々と服役生活を送っていました。ソンクラーンは大学に入り、面会日には顔を見せてくれます。亡くなったドゥアンとウアイはもうゲーオのそばにいませんが、いつか出所し自由になる日を夢見てゲーオは服役生活を送ります。

6年の歳月が流れました。ゲーオは模範囚として、国王の恩赦を受け刑期を終えることになりました。出かける準備をしていたアノンに、母が声をかけます。「以前の私なら、ガーラゲート(ゲーオ)を受け入れることなんて出来なかった。だけどソンクラーンと暮らすようになって、あんな立派なよい子を育てた母親なら、きっといい人間に違いないと思えるようになった」と話します。出所したゲーオを出迎えたソンクラーン。「私に誰もいなくなっても、あなたさえいればいい」と涙を流すゲーオに「誰が僕しかいないなんて言ったの?」と笑うソンクラーン。ゲーオの後ろから、アノンが笑顔で歩いてきます。「これからの人生を、3人でやりなおそう」とゲーオに声をかけるアノン。仲良く歩く3人の姿は、まぎれもなくごく普通の親子の姿でした。

やはり最後はこうでなくては!!

ひとりで服役することになったゲーオ。裁判の様子は単語が難しくてほとんどよく分かりませんでしたが、求刑よりもかなり短い刑期になったようでしたね。服役の様子、塀の中での生活は日ごろ目にする機会がないので興味心身。金網越しに面会者と話すシーンは結構目にしますが、日本と似たところもあるし、違うところもあるし、興味深いです。ゲーオを頑なに許さなかったことで、ドゥアンは死んでしまったと自分を責めるアノン。だけどちゃんと自分の気持ちを整理し、ゲーオを許すことが出来て本当によかったです。人を許す、というテーマは、タイドラマに結構出てくるんですけど、最後は全員わだかまりなく、新しい人生を歩みはじめることができて安心しました。爽やかなエンディングでしたね。

さて、今回のドラマは「SingtoTheStar5がドラマ初出演」ということだったのですが、どうだったでしょうか。個人的には・・・Singto、俳優向きじゃないなと思ってしまいましたが・・・。ある意味、物語の核を握り準主演クラスの役柄であれはない!というのが正直なところです。主演陣が芸達者すぎた、というのもありましたが、すっかり喰われちゃってて影が薄かったですね。あと、Singtoならではの演出がなかったのも、ファンとしては残念なところだったのではないかと思います。電話越しに歌うシーンはあったけど、あれもちょっと、厳しいものがあったなぁ。Singtoについてはちょっと辛口になってしまいましたが、あとは素晴らしかった!アノン役テーンと、ゲーオ役ジアップ、落ち着いた大人の男女、といった感じで見ごたえありました。あと、意外だったのがウアイ役のペイちゃん。下品なくらいセクシーな悪役、というイメージが強かったですけど、人の後ろをついて歩く気の弱い女の子、という役柄が見事にハマっていましたね。普段はかなりさばけた感じの女優さんだそうで、私も好きなんですけど、今回ほんと見直しました。よかったです。

さて次のドラマは、「มาลัยสามชาย/マーライサームチャーイ(3人の男のマーライ)」、主演はオーム・ピヤダー、キャプテン・プータネット、オームを巡ってキャプテン、ゴーン・サハラ、ソンくんが壮絶な戦いを繰り広げる?感じなんでしょうか。若手爽やか女優Villちゃんも、ゴーンの娘役で出演、ペーン・オーンジラー、プーリ・ヒランパルックも出演するようなので、ch5メンバー総動員!って感じですね。楽しみです。



非常に濃い予告です。

「トラーバープシーカーオ」第27話

2010-09-17 | タイドラマ「白い罪」
第27話
ソンクラーンは追っ手を振り切り必死に公園へ走りますが、車とぶつかってしまいます。ぶつかって倒れた拍子に、先日の傷口が開き出血。それでもソンクラーンは必死に走ります。アノンはゲーオとドゥアンを見つけます。「ソンクラーンは?」と尋ねるゲーオに「自分ひとりだ」と答えるアノン。「ソンクラーンに、最後にもう一度会わせてほしい」と訴えるゲーオに、アノンは「君はそれでいいかもしれないが、ソンクラーンの心には、生みの母のことがない。それでいいのか!」と怒りをぶつけます。「本当は、あのとき引き金を引いたのは私だった」と、当時の状況を話すドゥアン。「ゲーオは止めようとしただけ。ゲーオは悪い人間じゃない。どうか情けをかけて」と必死に訴えるドゥアンでしたが、アノンは「できないんだ!」とふたりを拒絶します。

「あなたの許せない気持ち、辛い気持ちは分かる」と訴えるゲーオ。しかしいくらゲーオの言葉を聞いても、アノンはもうゲーオに対する愛情よりも憎しみのほうが強くなっていました。諦めたゲーオは「自首しましょう」とドゥアンと歩き出します。とそこへ、パトカーのサイレンが。「警察に言ったのね!」と気色ばむドゥアン。「知らない」と言うアノンに食って掛かります。ソンクラーンが家を出た後、母が通報していたのでした。警察に囲まれるドゥアンとゲーオ。「手を上げて、ゆっくりこっちに来い」という警官の言葉に、ゆっくりと手を上げるゲーオ。手錠をかけられます。ドゥアンはもう一度アノンのもとにすがりつき、再度許しを請います。「あの子は悪くない。どうかゲーオを許してやって」と必死に訴えるドゥアンを、アノンは退けます。ドゥアンに警察官が近づき、身柄を確保。「このまま捕まるわけにはいかないわ」とドゥアンは警官の銃を奪います。一同が一瞬怯むなか、自分に向け引き金を引くドゥアン。必死に走ってきたソンクラーンもドゥアンの最後を目の当たりにします。

急いでゲーオとソンクラーンがドゥアンに駆け寄ります。「私のこと、嫌いだったでしょう」と尋ねられ、ソンクラーンは「一度もそんなこと思ったことない」と泣きながら答えます。「出所したら、幸せに暮らすのよ。ずっと見守っているから」と必死に声を振り絞るドゥアン。とうとう息を引き取ってしまったドゥアンに、ゲーオは号泣。立ち尽くすアノンに「これがあんたの望みか」とソンクラーンは憤りをぶつけます。後日、ドゥアンの葬儀が行われます。花を手向けに来たアノンをソンクラーンは無視してしまいます。「もしも来世というものがあるなら、また親族になりたい」と火葬場でドゥアンに呟くソンクラーン。遠くからそんなソンクラーンの様子を見ていたファーは、「ソンクラーンはきっととても辛いでしょうね。あの二人も、お母さんのような存在だと言っていたから」と話します。その言葉にアノンはいたたまれなくなってしまいます。ファーの父も、「二人が自ら命を絶ってしまったのは、自分のせいだろうか」と苦しい胸のうちを部下に明かします。「悪い奴らだと思っていた。だけどごく普通の女でしかなかった。もし自分が同じ立場だったとしても、同じことをしただろう」と、亡くなったドゥアンとウアイに同情します。

ゲーオの裁判が始まります。囚人となったゲーオに会いにソンクラーンもやってきますが、ゲーオはソンクラーンに言葉をかけることができません。「アノンさんは?」と尋ねられるソンクラーンに、一瞬足を止めたゲーオでしたが、静かに法廷内へ入ります。アノンも法廷にやってきます。二人は視線を合わせますが、なにも言うことはできません。

「私に代わって、お母さんを大事にして」ドゥアン散る!!

ドゥアンの壮絶な死!ここまで言ってもアノンはゲーオを許そうとはしなかった・・・そのことに深く失望し、自ら命を絶ってしまったドゥアン。そして自分の感情のままゲーオやドゥアン、さらにソンクラーンの気持ちをも汲み取ろうとしなかったことにアノンは苦しみ始めています。ファーの父も、ドゥアンやウアイを追い詰めてしまったのは自分ではなかったかと自問していましたね。二人とも・・・もう遅いんだってば!!いくら嘆いても、もうドゥアンもウアイも戻ってこないのですよ。そしてゲーオは贖罪の日々を送ることに。「そんなつもりはなかった」と最後まで訴えていたゲーオ。だけどその言葉は、アノンには届かなかったわけで・・・。今後ゲーオの運命はいかに?!

「トラーバープシーカーオ」第26話

2010-09-17 | タイドラマ「白い罪」
第26話
自首することを決めて歩き出したゲーオとドゥアン。「きっと私たちは、一生服役することになる」とドゥアンが言い出します。ゲーオは、自身がまだアノンやソンクラーンに謝罪をしていないことが心残りでした。「私は人を殺してしまった。一生服役することになっても構わない。だけどどうかもう一度会って、ちゃんと謝罪をしたい」と苦しい胸のうちを語ります。「私がなんとかする」と言い出したドゥアンと一緒にソンクラーンが入院している病院を訪れますが、ソンクラーンはバンコクに転院したあとです。アノンは、退院したソンクラーンを自宅へ連れて帰ります。亡くなった妻を撮影したビデオテープをソンクラーンに見せますが、ソンクラーンにとって母はゲーオです。ゲーオを想いソンクラーンは涙を流します。

ファーの父からウアイの死を聞かされ、呆然とするふたり。ソンクラーンはアノンに、ゲーオが逮捕されないようにして欲しいと懇願しますが、アノンは聞き入れることが出来ません。「おまえの本当の母親を殺したんだ」と言うアノンに、「あなたは、母さんを愛していると言った。結婚したいとも言った」と訴えます。ソンクラーンにとっての母が亡くなった妻ではなく、今でもゲーオであることにアノンは苛立ちますが、ソンクラーンも「父親面するな!」と感情をあらわにしてしまいます。一方ドゥアンとゲーオは、ソンクラーンに会うためにバンコクへひそかに向かっていました。しかしファーの父も、二人が絶対にバンコクに現れるとにらんでいました。

ドゥアンとゲーオは、住んでいた家の隣人宅へひとまず向かいます。3人が過去に罪を犯した人間たちだったと聞かされていたおやじでしたが、ゲーオとドゥアンを温かく迎え入れます。「君たちのことは長い間知っている。なにか理由があってのことだったのだろう」と言う言葉に、ゲーオは少し安心するのでした。しかしウアイのことを尋ねられ、ふたりはウアイが逃げることに疲れ果て自殺をしたことを明かします。ドゥアンはアノンに電話をかけます。「私たちは、自首することに決めた。最後にもう一度だけソンクラーンにあわせて欲しい」と言われ、アノンは迷いながらも了解します。アノンがソンクラーンに会うことに納得してくれたことをゲーオは喜びますが、アノンは複雑な気持ちでした。

翌日、8時にふたりを迎えに行くと約束したアノンは、朝から落ち着きません。そわそわしているアノンを見て、ソンクラーンもなにかあるのではと不審に感じます。出かけようとしたアノンに、母は「本当に警察に言わなくていいの?」と声をかけます。「二人は自首しようとしている。ソンクラーンに会いたがっているだけだ」と言い切るアノンに、母は不安を感じながらも息子を送り出します。二人の話をこっそり聞いていたソンクラーンは、祖母の隙をついて外へ出ようとします。「全部知ってる。母さんは公園にいるんだろう!」と祖母に反論するソンクラーン。メイドたちも一緒になってソンクラーンを止めようとしますが、ソンクラーンは追っ手を振り切り、公園へと向かいます。

ソンクラーンの母はゲーオ以外にありえないのです。。。

アノンのもどかしい気持ちも分からなくはないのですが、ソンクラーンにとってやはり母はアノンの妻ではなくゲーオなのです。「おまえの母親だ」とビデオを見せられても、やっぱりその人は他人でしかないわけで・・・二人の気持ちがすれ違っているのをみるのは辛いですね。ゲーオは「わざとじゃない」といつも口にしていますけど、故意があろうがなかろうが、罪は罪。アノンにだって分かってはいると思うのです。ですが自分も長い間、妻を殺され息子と離れ離れになってしまった苦しみがある。もう少しアノンとゲーオに時間があればいいのですが。予告ではとうとう警察に囲まれていたドゥアンとゲーオ。果たしてふたりは捕まってしまうのでしょうか。

「トラーバープシーカーオ」第25話

2010-09-15 | タイドラマ「白い罪」
第25話
足早に急ぐドゥアンでしたが、女同士のケンカに巻き込まれてしまいます。遠巻きに見守っていたファーの父が、無線で「女たちがケンカをしているようだ。早く止めろ」と指示を出します。変装して隠れていた警察官が仲裁に入るのですが、無線機を落としてしまい、「警察だわ!」と大騒ぎになります。こんなところで見つかってはたまらないとひとりさっさと歩き出したドゥアンでしたが、その不自然な動向が逆にファーの父の目に留まってしまいます。すぐさまドゥアンを確保すべく走り出した警官たちでしたが、ドゥアンはとっさに隠れます。「そう遠くへは行っていないはずだ」と自分を探す警官たちに、ドゥアンはひとまず家に戻ることにします。

ウアイは、ひとりになった隙に自ら命を立とうとしていました。ナイフを手にしているところへ、ゲーオが帰ってきます。「なにしてるの!」とナイフを払い落としたゲーオでしたが、「もう逃げられない。今ここで死にたい」というウアイをゲーオは必死に止めます。「自首しよう。二人で自首しよう」とウアイに話すゲーオ。ようやく落ち着きを取り戻したウアイとともに歩き出そうとしたゲーオのもとへ、ドゥアンが帰ってきます。「さっきの話はどういうこと?」とゲーオに詰め寄るドゥアン。「あんたが私を警察に売ったの?」と怒りをあらわにするドゥアンに、ゲーオも、「私はそんなことしていない。だけど私たちは二人で自首する」ときっぱりいいます。「もう逃げることには耐えられない」と言い切るゲーオに、ドゥアンは「絶対に見捨てないんじゃなかったの!」と掴みかかります。もみ合いになる二人を見て、ウアイはもうとめに入る気力もありません。ふと見ると、ドゥアンのバッグからおちた拳銃が。ウアイは泣きながら自分に向けて引き金を引きます。「もうケンカはやめて」と、ウアイは静かに倒れます。

慌ててウアイを介抱したドゥアンとゲーオに、ウアイは自分の弱さ、今まで足を引っ張ってばかりだったことを詫びます。「もうケンカはしないで」と二人に言い残し、息を引き取るウアイ。ウアイを抱いてドゥアンとゲーオはいつまでも涙を流し続けるのでした。一方、ファーの父に3人を確保できたかどうかを確認するアノン。約束の場所に現れなかったと聞かされ、アノンは複雑な気持ちになります。話しを伺っていたソンクラーンは「母さんは捕まったの?」と尋ねます。「あなたは、母さんを愛してると言った。心にあるわだかまりを全力で取り除くとも言った。母さんが警察に捕まってもいいと思ってる?」とソンクラーンに尋ねられたアノンは、言葉を選びながら「私が最も愛した人のひとりを奪った。相手が誰であろうと、罪を償わなければいけない」と答えます。アノンも苦しんでいることを悟ったソンクラーンは、アノンから目をそらします。

悲しみのなか、ウアイのなきがらを弔ったドゥアンとゲーオ。ドゥアンは墓にむかって「もうこれ以上過ちは犯さない」と言います。「どういうこと?」と尋ねるゲーオに、自分ももう逃げるのはやめにして、出頭すると言うドゥアン。ゲーオもようやく少し安心した表情を見せます。一方、3人が隠れていたあばら家付近で、警察官たちはウアイの靴を見つけます。さらに墓らしきものを発見、掘り起こしウアイの死体を確認します。まだウアイだと身元は分からないながらも、ファーの父はここで3人になにかあったことを悟ります。

ウアイ散る!!女優魂の炸裂したシーンでした。

ウアイの死・・・ドゥアンとゲーオの迫力満点な口論シーンから涙が止まりませんでしたが、ウアイが自ら死を選んでしまうとは。いつも自分のことはあとまわし、まわりのみんなが幸せで過ごせるよう、明るくムードメーカー的存在だったウアイの死によって、ドゥアンもようやく目が覚めたようです。だけど、もうちょっと早く目が覚めればよかったのに!!3人で自首しようと思えば出来たはずなのに、もうウアイはいません。ソンクラーンもアノンが父親であるということに戸惑っているようです。生まれてこのかた、いないものだと思っていたのにいきなり父親だといわれても・・・しかもその「父親」が唯一の肉親だと思っていた母を警察に突き出そうとしているなんて。でもゲーオを思ってのことなんですよね。

「トラーバープシーカーオ」第24話

2010-09-15 | タイドラマ「白い罪」
第24話
ウアイは足の傷の治りが悪く、熱を出してすっかり弱気になっていました。「私のことはもう置いていって」というウアイに「なにがあっても3人で逃げる!」と言い張るドゥアン。ウアイはゲーオとふたりきりになったときにそっと「ソンクラーンには会いたくないの?」と尋ねます。ウアイの気持ちを察し、言葉を失うゲーオ。一方、病室で目を覚ましたソンクラーンに、アノンの母は「私が本当のおばあちゃんよ。ソンクラーン、具合はどう」と優しく声をかけます。しかしソンクラーンはそんな祖母に目もくれず「母さんと、叔母さんたちはどこ?」と尋ねます。「まだあの3人のことをそんなふうに言って!あの3人は、強盗犯なのよ」とソンクラーンをたしなめる祖母に、ソンクラーンはそっぽをむいてしまいます。

警察官であるファーの父のもとへ、ドゥアンの元夫ポーンが逮捕されたという連絡が入ります。ポーンはヌーレックに対する暴行容疑で捕まったわけですが、確認のため兄ウィサヌと一緒に警察署を訪れたヌーレックは早速ポーンに食って掛かります。ポーンも負けずに「こいつらは、あの店の女をさらって殺すよう命令したんだ!」と暴露。一方、病院でソンクラーンは、看護師から「なにか困ったことがあったらお父さんに伝えてください」と言われ、アノンの存在に戸惑います。アノンは19年前の出来事をゆっくりかみしめるようにソンクラーンに話します。ゲーオから聞いていた話とまったく同じ話をするアノン。改めて、アノンが父親であることをソンクラーンは理解します。

ちゃくちゃくと3人が国外逃亡する日は近づいていました。1時に金を払いに来いと連絡があり、ドゥアンはウアイとゲーオにもそのことを話します。「用を済ませてくる」と出かけようとしたドゥアンを、ウアイは引き止めます。「これを持っていって」と自分が身に着けていた金のネックレスをドゥアンに託すウアイ。わけも分からず受け取ったドゥアンでしたが、ウアイはもう、ドゥアンたちとともに逃げる力は残っていませんでした。走っていくドゥアンの後姿を涙で見つめます。このときドゥアンはなにも知りませんでしたが、密航船の船長は警察に通報していました。「明日の1時には3人がここにやってくる」と連絡を受けます。ファーの父はアノンにもこの話を伝えますが、大人たちが話しているのをソンクラーンはこっそり聞いていました。

病室で看護師に時間を尋ねるソンクラーン。「もうすぐ1時です」と教えられ、ソンクラーンは自分を置いて、罪から逃れるため逃げた母たちのことを想います。アノンも、ゲーオたちがもうすぐ警察に捕まるであろうことを想います。亡くなった妻の写真を眺めながら、ゲーオのことを考えます。「君は罪を犯した。罪を償わないといけない。僕は、やっぱり君の罪を許せない」と苦しい胸のうちを言葉にするアノン。船着場では、ファーの父たちも少し離れたところからドゥアンたちがやってくるのをじっと待っていました。頭に布を巻き、変装をしてまわりを気にしながら船着場へやってきたドゥアン。警察はまだドゥアンの姿を確認できずにいます。

亡くなった妻に対する想いが、ゲーオへの想いと交錯します。

ソンクラーンがとうとうアノンを父親だと知ってしまったわけですが、実の母親を殺したのはゲーオたち、ということを考えると素直に喜ぶ気持ちにはならないのもよく分かります。しかしソンクラーンにとって、今はアノンしか頼る人はいないのです。母となって自分を育ててくれたゲーオを愛するがゆえに、きちんと罪を償い、新しく生まれ変わって欲しいと願っているのはアノンもソンクラーンも同じこと。そんなアノンやソンクラーンの気持ちを知ってか知らずか、ゲーオも迷いが出てきています。自首することも考えつつあるゲーオと、心身ともに限界の近づいているウアイ。果たしてこの結論は、吉と出るか、凶と出るか。

「トラーバープシーカーオ」第23話

2010-09-10 | タイドラマ「白い罪」
第23話
撃たれてしまったソンクラーンを、アノンは必死に介抱します。混乱に乗じて逃げようとするドゥアンに、ゲーオは抵抗。しかし「ソンクラーンにはアノンがいる。父親がいる」と二人に諭され、とうとうゲーオもソンクラーンのそばから離れます。ひとまず警察からは逃げ延びた3人ですが、これからどうすればいいか途方にくれます。アノンはソンクラーンを病院へ運びますが、そこへ現れたファーの父に「あんたが警察をよこしたのか?」と食って掛かります。「パトカーのサイレンに混乱してこんなことになったんだ!」と怒りをあらわにするアノン。ソンクラーンは大量に出血していて余談を許さない状態でした。アノンは「僕の血を使ってください。父親です」と輸血に応じます。

警察の発見した遺留品に、アノンが19年前に撮ったソンクラーンと死んだ妻の写真がありました。さらに、アノンの母がソンクラーンに贈ったペンダントも見つかり、アノンは自分の早まった行動がソンクラーンを傷つけてしまったことを心から後悔します。ソンクラーンの体に入った銃弾は、心臓のすぐ近くで、ドクターからバンコクへ転院することを勧められるアノン。一方、警察から逃れる途中転んで足を怪我してしまったウアイは、緊張の糸が切れ泣き出してしまいます。「大丈夫だから」と必死になだめるドゥアン。古い山小屋でひとまず休むことにしますが、「いつまでここにいるの?」と逃げることに疲れたウアイが尋ねます。ドゥアンは「絶対に刑務所なんかには入らない。逃げるためなら、なんだってする」と二人を励まします。

家に戻ってきた父に、ファーは捜査のことを尋ねますが、3人は逃げ、ソンクラーンは撃たれて重傷を負ったことを聞かされ愕然とします。すぐさま病院へ駆けつけたファーは、アノンからソンクラーンの状態があまりよくないことを聞かされ、思わず涙を流します。アノンも母に、ソンクラーンが実の息子で、撃たれて重傷を負い入院中であることを話します。「実の息子にひどいことを言ってしまった」と、かつてゲーオとソンクラーンに対する自分の態度を反省する母に、アノンは「お互い誤解していたんだから」と慰めます。そこへヌーレックが「犯人はつかまりましたか?」とやってきます。ヌーレックがなぜ知っているのか訝しがるアノン。アノンに問い詰められ、ヌーレックは自分が警察に申し出たことを話します。「あなたの幸せを願って!」と自分を正当化するヌーレックに「今後一切関わらないでくれ」と言葉を荒げるアノン。

いつまでも続く逃亡生活にウアイの精神状態は限界に近づいていました。泣き言を言うウアイを慰めるゲーオは、ふと不信な物音に気付きます。ウアイを庇いながら物陰に隠れますが、物音の主はドゥアンでした。「もう逃げるのはイヤ!」と錯乱するウアイを必死になだめるゲーオとドゥアン。子供のようにおびえ、取り乱すウアイをもてあましつつも、ドゥアンは再び出発の手はずを進めようとしていました。一方、アノンは母と一緒にソンクラーンのもとを訪れます。病室に入ろうとしたところ、なにやらあわただしい様子で病室から連れ出されるソンクラーン。容態が急変し、緊急手術が行われることになったのでした。

身も心も限界が近づいています。

ひっぱります!!ソンクラーンが自分の孫だと知った母の豹変振り・・・この手の手のひら返しはタイドラマにはお約束なんですけど、あれだけゲーオとソンクラーンを貶め、「育ちの悪い子」とまで罵っていたのにいきなりおばあちゃん面するとは。そしてアノンのため警察に密告したことを咎められるヌーレック、このあとまたなにかやらかしてくれそうな予感です。逃亡生活を続けるドゥアンたち、ウアイの精神状態はもう壊れる寸前です。「絶対に逃げ延びてみせる!」と言い張るドゥアン、まさに鬼!いくら逃げても、罪は罪。犯した罪の重さからは逃げることができません。一刻も早く自首するほうがどれだけラクか・・・。物語は来週も続きます。

「トラーバープシーカーオ」第22話

2010-09-09 | タイドラマ「白い罪」
第22話
携帯電話を使える状態に戻したファーと、ようやくソンクラーンの電話が繋がります。ファーはソンクラーンに、「父が言っていた」と前置きし、ソンクラーンの母たち3人が人を殺してしまったこと、殺された女性はアノンの妻であること、そして、そのとき一緒にいた子供がソンクラーン、つまりソンクラーンはアノンの息子であることを話してしまいます。母たちが殺人を犯してしまったことまでは聞かされていたソンクラーンでしたが、自分がそのときの赤ん坊だといわれ混乱するソンクラーン。「嘘だ!君のお父さんは嘘を言ってる!!」と受話器を放り出してしまいます。一方アノンは、とうとうゲーオらしき女性を市場で発見、すぐさまあとを追いかけます。

ファーの父もチュンポーン県に到着。地元の警察に3人を手配するよう要請します。出発を明日に控え、ゲーオはソンクラーンに手紙を書きます。「この手紙を読み終わる頃、あなたはきっと怒っているでしょうね」と、まだ話していない事実を文字にするゲーオ。封筒に、先日購入した金のアクセサリーを入れ、ソンクラーンの出生の証拠とともに缶に納めます。部屋を出ようとしたゲーオの前に、アノンが!「どうしてここに?」と驚くゲーオに、アノンは「ソンクラーンはどこだ」と尋ねます。ソンクラーンを探し出すアノンに、ゲーオは「ソンクラーンは今いない」と告げます。「ソンクラーンをどこに連れて行ったんだ!!」と、アノンはゲーオの本名を告げます。アノンがすべてを知ってしまったことを悟り、ゲーオはショックを受けます。

アノンの妻を殺してしまったことは、偶然の事故だったと必死に訴えるゲーオ。アノンに跪き心から詫びるゲーオを退け、アノンはゲーオに自首を勧めます。「故意じゃなかったとしても、過ちは過ちだ」と静かに言うアノンに、ゲーオは観念します。「自首なんかしないわ」とドゥアンとウアイが戻ってきます。「早く荷物をまとめなさい!」とふたりをせかし、ドゥアンはアノンに銃を向けます。「このまま逃げ続けても、もう20年服役することになるんだぞ」と、警察にもうすべてがばれていることを話すアノン。隙を見て、ドゥアンの銃を取り上げようとします。つかみかかってくるドゥアンを振り払い、落とした銃を拾おうとするアノンでしたが、そこへソンクラーンが戻ってきます。すばやく銃を取り上げたソンクラーンは、アノンに銃を向けます。

「全部警察に仕組まれたことなんだろう」と不信感をあらわにするソンクラーンに、アノンは「全部本当のことだ」と訴えます。ゲーオも、「あなたが今撃ち殺そうとしている人は、あなたの本当の父親よ」と叫びます。ゲーオの言葉にはっと我に帰るソンクラーン。ゲーオの言っていること、つまり自分がアノンの息子であるという現実に、呆然としてしまうソンクラーン。すかさず銃を取り上げたアノンは、改めて「もう逃げられない」と3人に自首を勧めます。遠くからパトカーのサイレンも聞こえてきて、3人を焦らせます。空砲を撃ち「本気だ」と威嚇するアノン。観念したゲーオが「もう逃げるのはやめよう」とドゥアンに提案します。諦められないドゥアンはアノンから再び銃を奪おうとしますが、もみ合いになるうち誤ってソンクラーンを撃ってしまいます。

「ガーラゲート、いや、ゲオター!!」すべてを知られてしまったことを悟ります。

とうとうすべてを知ってしまったソンクラーン。そりゃ自暴自棄になってしまうのも当然のことでしょう。ゲーオが「不運な事故だった。故意じゃない」と何度も訴えていましたが、このあたりの往生際の悪さ、というか「わざとじゃない」ことを正当化しようとするのは、ちょっと日本人の感覚とは違いますよね。アノンはきっぱり「罪は罪」と言っていましたけど、ちゃんと罪を償いさえすれば、人は許せる、というタイ人らしい感覚を垣間見た気がしました。そしてこれまた「故意じゃない」にせよ撃たれてしまうソンクラーン。息子を殺してしまうことになるとは、アノンも考えが及ばなかったのでしょう。ソンクラーンは助かるのでしょうか。そして3人の行方は?!物語もクライマックスです!

「トラーバープシーカーオ」第21話

2010-09-08 | タイドラマ「白い罪」
第21話
ソンクラーンがチュンポーンから電話をかけてきたことを突き止めたアノンは、さっそく夜のうちにチュンポーンへ向かうことに。母は心配して止めますが、「今ここで逃げられたら、もう会うチャンスはないかもしれない」ときっぱり言うアノン。「息子だったとしたら、会えなくなるなんて耐えられない」というアノンに、母も反論ができません。翌日、国外逃亡をすることに決めたドゥアン。ソンクラーンは置いていく、ということにゲーオは身を引き裂かれる思いでいました。浮かない気分のまま床に就きます。ファーの父は、ファーの部屋に盗聴器を仕掛けていました。約束の時間に携帯電話のSIMを入れ替えようとしたファーでしたが、隠しておいた場所からSIMが見つかりません。SIMを探すうち、盗聴器を見つけてしまったファーは、父親に感づかれたことに気付きます。

ソンクラーンからの電話が鳴ります。ためらいながらも電話を取ろうとするファーの父たち。すばやく電話を取り上げたファーは、父に盗聴器を見せながら「どういうこと?」と迫ります。「悪いとは思ってる。でもこうするしかなかった」と弁解する父に、ファーは裏切られた気持ちでいっぱいになります。「私の気持ちを仕事に利用したのね」と涙を流すファーに、父は、ソンクラーンが母と慕う女性は、19年前の事件の容疑者で、ソンクラーンはアノンの息子、つまりゲーオとソンクラーンに親子関係はないことをファーに告げます。「嘘」と信じられないファーに、携帯電話を返すよう迫る父。ファーは電話を持ったままその場から逃げ出します。電話が通じないことにソンクラーンはファーの身になにかあったことを悟ります。一方、アノンの行く先をアノンの母に尋ねるもうまくかわされてしまうヌーレック。アノンのPCから、アノンが向かったのはチュンポーンだと知ります。そのころアノンはゲーオを探してチュンポーンに到着していました。振り返れば視界に入る位置にいたのに、まだお互い気付きません。

船を出してもらう予定の男のもとへ向かうドゥアンとゲーオ。早速出航の時間を確認します。一方、アノンはソンクラーンが電話をかけてきた番号を頼りに、公衆電話をしらみつぶしにあたっていましたが、なかなかそれらしい公衆電話を探し出せません。ヌーレックはファーの父親に電話をかけます。「アノンの秘書です」と言って自分を信用させたヌーレックは、今アノンがチュンポーンにいることをファーの父に告げてしまいます。すぐさま車をチュンポーンへ向かわせるよう要請するファーの父親。

ゲーオはソンクラーンが自分と別れても、無事に生きていけるようにとの願いを込めて、金行へ出向き金のアクセサリーを購入します。ファーは携帯電話を取り扱っている店に向かいます。その間もソンクラーンはファーに電話をかけ続けていました。何度電話をしてもファーには繋がらず、並んでいた人に「いつまでかかるの?」などと言われ、気まずい思いをしたりします。アノンも公衆電話の番号に電話をかけ続けていました。ソンクラーンが電話をかけようとした瞬間、公衆電話から呼び出し音が鳴ります。突然のことに困惑しながらも、ソンクラーンは思わず受話器をとってしまいます。「もしもし!聴こえますか!!」と必死に呼びかけるアノン。しかしソンクラーンは一旦電話を切ってしまいます。再び電話をかけると今度は話中になったことから、アノンは「今電話を使っている!」と気付きます。

「ソンクラーンを救うためなんだ!」まぁ一理ある説得ではありますが・・・。

引っ張ります!!ヌーレックが余計なことをして混乱を招いていますが、遅かれ早かれ、ソンクラーンの居所、そしてゲーオの居所はアノンにも警察にも明らかになりそうです。捜査のため、いや、自分の因縁のためファーを捜査に利用したファーの父。確かに仕方のないことだったのかもしれないけど、ファーにとっては利用された気持ちになって当然でしょう。ファーはファーのやり方でソンクラーンを助けようとしています。ファーにとってソンクラーンは大切な友人以上の人物。ソンクラーンとゲーオの絆もソンクラーンを想うファーにとっては大切にしたいものなのです。本当に3人はソンクラーンを置いて密航してしまうのでしょうか。そしてソンクラーンは、アノンが父だと気付くのでしょうか。

「トラーバープシーカーオ」第20話

2010-09-08 | タイドラマ「白い罪」
第20話
逃亡先で荷物運びの仕事をするソンクラーン。もらえる賃金の少なさに気持ちが沈みます。ドゥアンは、密航船の船長を尋ね、着々と国外逃亡する手はずを整えます。一方アノンは、ゲーオの家から持ち帰った髪の毛をDNA鑑定にかけます。持ち帰った髪の毛にはソンクラーンの毛も含まれているはずだと考えたのでした。弁護士とともに病院を訪れたアノンを、偶然ヌーレックは目撃してしまいます。アノンがDNA鑑定をしようとしていることはすぐさまアノンの母に伝えられ、帰宅したアノンは母からそのことを問い詰められます。「ソンクラーンは、僕の息子かもしれない」と言い出すアノンに、ヌーレックは仰天。「ありえない」と反論しますが、母は「なにがおきてもおかしくない」とアノンに理解を示します。

ソンクラーンは母に、先日預かった写真とペンダントの入った缶を返します。「この写真の女の人は誰?」と尋ねられ、ゲーオはとうとうソンクラーンにすべてを話すときがきたのだと悟ります。19年前の忌まわしい出来事をソンクラーンに話すゲーオ。「わざとじゃなかった」と、その女性を誤って撃ち殺してしまったことを話します。「その人が、この写真の人なんだね」とソンクラーンに尋ねられ、うなずくゲーオ。「それならこの赤ちゃんは?」と聞かれ、言葉に詰まります。「もうその子はいないんだね」と言うソンクラーンに、肯定も否定も出来ず、ゲーオは泣き崩れてしまいます。一方、プライファーはソンクラーンの友人のもとを尋ねます。連絡のとれないソンクラーンを心配し、ソンクラーンから連絡があったら教えて欲しいと頼みにやってきたのでした。

ファーがソンクラーンと連絡を取れずにいることを知ったファーの父は、あえて家にナットを呼びパーティーを開きます。ナットを快く思っていないファーは、父がなぜそんなことをするのか分かりません。理由を尋ねるファーに、父は「ゆくゆくは婚約して欲しいと思っている」と告げます。先日までソンクラーンとの交際を認めてくれていた父の変貌ぶりにファーは大ショックを受けますが、そうすることでソンクラーンたちの行方を探ろうとしていた父の苦肉の策だったのです。ちょうどソンクラーンから連絡を受けた友人のグンは、すぐにファーに伝えますが、アノンも「ソンクラーンのことで、ガーラゲート(ゲーオ)にどうしても確認したいことがある」とやってきます。「調子のいいことを言って、警察に通報するんだろう」とはじめはまったく相手にされずにいたアノンでしたが、ソンクラーンが自分の息子かもしれないとしつこく食い下がられ、とうとうグンはソンクラーンからかかってきた公衆電話の番号を教えてしまいます。そんなアノンの様子を、ヌーレックがこっそり見ていました。

グンから預かったSIMに差し替え、ソンクラーンからの電話を待つファー。久しぶりにソンクラーンの声を聞いてファーは思わず涙を流します。「どれだけ私が心配したか」というファーに、ソンクラーンも「僕だって」と優しく答えます。「あなたのお母さんのことで聞きたいことがある」というファーに、ソンクラーンは、母から聞いた話を簡単に説明します。「やっぱりあなたのお母さんたち3人は、私の父が探している事件の犯人なのね」とショックを受けるファー。「3人とも悪い人じゃない。いつかきっと、うまく解決するよ」とソンクラーンはファーを慰めます。「眠れないよ」と言うファーに、ソンクラーンは「君が眠るまで、そばにいてあげる」と、受話器越しに歌を歌います。

久々に登場のナット。明らかに迷惑そうなファー。

「いくら犯人逮捕のためとはいえ、お嬢さんの気持ちをそんなに傷つけるようなことをしなくても」と部下に言われていましたが、ファーの父のやってることはひどすぎます!父の思惑通りファーはソンクラーンと連絡をとっていますが、果たしてうまくいくものなのか・・・。そしてアノンも着々とゲーオのもとに近づきつつありますね。とうとうソンクラーンに、父親がアノンだと打ち明けることができなかったゲーオ。「わざとじゃなかたんだね」とゲーオに理解を示していたソンクラーンでしたが、わざとじゃなくても殺された女性の息子が自分であることを知ったらどう思うでしょうか。話が盛り上がってきました。3人は逃げ切れるのか、それとも捕まってしまうのか・・。

「トラーバープシーカーオ」第19話

2010-09-04 | タイドラマ「白い罪」
第19話
アノンは、警察官であるファーの父から、19年前の容疑者3人のプロフィールと、現在の3人のプロフィールを見せられます。今、アノンが愛しているガーラゲートは、19年前ゲーオという名前で、アノンの妻を殺した容疑をかけられていることを聞かされ、アノンは困惑を深めながらもどうしていいか分からなくなります。3人が行方をくらましてしまったことを知ったファーの父は、ふと、ソンクラーンと親密な関係にあるファーを利用すれば3人の行方が分かるのではないかと思いつきます。最愛の娘を事件に巻き込んでしまうことに不安を感じながらも、それとなくファーにソンクラーンとのことを尋ねるファーの父。アノンも、途方もない現実にやり場のない気持ちを抱えていました。

ファーも母から、ソンクラーンの母親が、自分の父が19年もの間ずっと探し続けてきた事件の容疑者だと聞かされます。「なにか過去がある家の子だと思っていたのよ」と勝ち誇ったように話す母に、ファーは「誤解かもしれない」と言いますが、不安になりすぐさまソンクラーンに電話をかけます。一方ドゥアンは、ファーの写真を眺めているソンクラーンを見て、ゲーオとウアイに「外国に逃げよう。ソンクラーンは、今ここにおいていく」と言い出します。あまりのことにもちろんゲーオは反対しますが、ドゥアンは「ソンクラーンの本当の母親を殺したのは自分たちで、ソンクラーンはアノンの息子だと言えばいい」ときっぱり言います。

アノンは意識を取り戻したヌーレックに、自身の息子のことを犯人は話していなかったかどうか尋ねます。ゲーオが怪しいとうすうす思いながらも、ヌーレックは「知らない。聞いていない」としらをきります。妻を殺した犯人がゲーオたちであるなら、ゲーオたちが自分の息子の行方をしっているに違いないと思いつくアノン。ふと目にした親子連れの会話から、ソンクラーンの母親としてゲーオのことを思い出します。ゲーオとソンクラーンがもしも本当の親子ではなかったとしたら・・・すぐさまファーの父に3人の妊娠経験を尋ねるアノン。ゲーオに妊娠した経験がないことを聞かされたアノンの脳裏に、とある考えが浮かびます。

ゲーオたちの店を訪れるアノン。隣の雑貨屋のおやじに、ゲーオの妊娠経験を尋ねます。アノンの剣幕におされながらも、おやじは「妊娠していたところは見ていない」と言います。ゲーオたちの店の中に案内されたアノンは、ゲーオと、死んだ妻をつなぐ手掛かりがないか必死に探します。しかしそれらしいものはなかなか見つかりません。19年前の過去を示すものは、ゲーオによってもう持ち出されてしまっていたのでした。途方に暮れながらも「どうか力を貸してくれ」と、亡くなった妻に祈るアノン。その祈りに答えるかのように、窓から吹き込む風がカーテンを揺らします。そしてアノンはとうとうゲーオの髪の毛をベッドから発見します。

「ろくな育ちじゃないと思ったのよ」・・・憎たらしいお母さん。

愛するゲーオが最愛の妻を殺し、息子を奪い、自分の人生をめちゃめちゃにした張本人だと認めたくないながらも状況証拠から認めざるを得ないアノンが気の毒です。ですが考えれば考えるほど、ゲーオが犯人だとしたら、という仮定がぴったりしっくりくるんですよね。そして「外国に逃げる」というとんでもない決断にでたドゥアン。「方法はある」と自信満々でしたが、大丈夫なのでしょうか。ソンクラーンから足がつく、と考えたのは正しいと思いますが、あまりにもソンクラーンが可哀想です。しかし3人が行動を共にしないと、絶対に罪から逃れることは出来ません。ソンクラーンの所在を巡って、ゲーオとドゥアンに亀裂が入りそうな予感・・・。