こうして毎日主婦として家にいる時間が長くなると、必然的にテレビや新聞から情報を収集する時間も増え、毎日いろいろ思うことも多いのですが・・・たとえば妊娠・出産について。
私は長男のときも今回も、それほど熱烈に子供を授かることを希望していたわけでもなく、なんとな~く子供がやってきた、という感じなのですが、世の中には子供が欲しくても授からない人、授かっても産むに至らなかった人、産むことはできたけど育てることはできなかった人など、本当にいろいろな人がいていろいろな思いがあるのです。逆に望まない妊娠で中絶をしたり、産んだものの虐待しあげく殺してしまったり・・・。ほんとひとそれぞれ、いろいろな選択や決断があって当たり前だとは思うのですが。
よく雑誌や新聞の投稿欄などに載っている「『子供はまだ?』の一言に傷ついた」という投稿・・・これだけ世間の価値観やライフスタイルが多様化してもまだ「結婚したら子供を作って産み増やすのが当然」という認識は消えないものなんですね。私は長男の妊娠が分かったときは、大学卒業目前で、家庭に入るなんてさらさら思っていなかったので(それこそ当時はフリーターになって、年に1回はタイに行き長期滞在するような生活がしたいと思っていました。もちろん結婚する気なんてまったくなし)、うれしく思う反面、人生の選択肢がちょっと減ったような気がしたものです。今回も、介護福祉士試験に合格し、子供も休まず保育園に通える体力がついてきたので、更なるスキルアップに挑戦しようと考えていた矢先の出来事・・・まぁ結果としてはいろいろ考える時間もでき人間的にも成長できたのでしょうけど、「もし妊娠していなかったら・・・」と考えることはあります。
子供のいない友人夫婦たちは、長期休暇の時期には旅行へ出かけ、週末には二人で趣味の時間を過ごし、家のなかだっていつもきれいに片付いている・・・そんな生活を羨ましいなぁと思うけど、逆にその友人は子供が欲しいので、子供に振り回され貧乏ヒマなしな私たちの生活を羨ましくみているようです。結局はないものねだりなんですね。
子供のいる生活はたしかにいろいろ制限もされるし、お金だってかかるし大変なことも多いです。だけど得るものもたくさんあって楽しいよ!というのではなく、「それはそれ」という見方が世の中には必要ではないかと思うのです。子供を産まない人生を選択したっていいのです。夫婦ふたりで歩んでいく人生だってきっとすばらしいものです。たくさんの家庭、たくさんの夫婦があるなかで、「こうあるべき」という形なんて絶対にないのですから。それぞれが自分達のペースで、自分達の生き方で幸せになればいい。それについて他人があれこれ口出しすることはないし、口出しするようなデリカシーのない人間の言うことに耳を貸す必要なないのです。
人間は決してひとりで生きているのではない。だけれども人生の主役、人生の中心人物は自分でしかない。やるべきことをやり終えたとき、それぞれたったひとりで死んでいくのです。