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ネフローゼ症候群の漢方治療 医案28 腎炎、腎不全の漢方治療156報

2013-06-25 00:15:00 | ネフローゼ症候群 漢方治療症例の実際(医

?蕙氏 医案 湿熱瘀結 内風暗動案(中医雑誌2001年 第3期より)

氏は1936年生れ、四川省成都人 女性名老中医、現在成都中薬大学付属病院腎病内科主任教授

患者:張某 31歳 男性

初診年月日1997416

病歴

2年前、感冒後に眼瞼、顔面に浮腫が生じ、次第に四肢に波及した。尿検査で蛋白(4+)、円柱(2+)、原発性ネフローゼ症候群と診断される。ステロイドパルス療法、経口プレドニゾン毎日60mgを最大量に、現在は減量され30mg投与中であった。目下、浮腫は既に顕著ではないが、尿蛋白が持続するために、中医治療を求めて来院した。

初診時所見

満月様顔貌、顔面には痤瘡(ニキビ)が多数あり、尿黄泡沫、手足心熱、汗多く、足踝部分に軽度浮腫、舌暗紅苔黄厚膩、脈滑数。

尿蛋白(3+)RBC(0~4)、24時間尿蛋白定量3.67g、血清アルブミン2.5/dl、総コレステロール6.0mmol/L232.2mg/dL)、トリグリセリド1.1mmol/L93.5mg/dL)。

弁証論治

証は湿熱瘀結、内風暗動に属する。先ず清熱化湿、通絡熄風をもって治療する。

薬用

藿香15g 佩蘭15g 薏苡仁15g 黄芩10g 龍胆草6g 山梔子10g 法半夏15g 茵陳蒿15g 金銭草30g 車前草30g 滑石30g 地竜20g 白僵蚕20g 全蝎12g 毎日1剤 水煎服用。

430日二診

口苦や口の粘り、悪心、胃脘部の痞え、食欲不振などは基本的に消失。踝部分の浮腫は顕著でなくなり、舌苔も既に退いたが、舌質暗紅少津で、痤瘡はまだ散見し、小便をすると泡が立ち、手足心熱、汗が多かった。

尿検査:蛋白(2+)、24時間尿蛋白定量1.98g、病人の湿熱は既に退いて、陰虚火旺が次第に明らかになってきた。

原方を基礎にして、瀉火養陰、活血化瘀、熄風通絡を主とした。

薬用

北沙参30g 黄柏10g 薏苡仁5g 丹参30g 紅花15g 益母草30g 地竜20g 白僵蚕20g 全蝎12g 蜈蚣2匹 白花蛇舌草30g 半枝蓮30g

51日三診

痤瘡は軽減し、手足心熱、多汗も以前より明らかに減軽した。尿蛋白(+)、24時間尿蛋白定量は減少し0.42g、血清アルブミンは上昇し3.2g/dl

方意を継続、薏苡仁 半枝蓮をさり、芡実15g 金桜子30gを加味し、ステロイド減量を開始した。服用3ヵ月、患者の尿蛋白は完全に陰転し、病状は完全寛解となった。

評析

叶氏は腎病蛋白尿の発生発展に風邪がきわめて重要な役割を持つと認識する。風邪と水湿痰濁瘀血が挟雑すると、悪循環となり病状が更に頑固になると認識する。虫類の薬