ゆうしゃケン  小心翼翼・平々凡々

団塊世代の技術系サラリーマンだった。引退した今は妻と二人で平和な生活を願いつつ、趣味と独り言でストレス発散

葉室麟さんトークショー

2015-04-08 20:55:08 | 平々凡々
 先日、孫たちと小倉謎解きウオーキングに参加したと紹介したが、その探検場所の一つに昭和館という小倉でも最古の映画館があった。この昭和館、昭和初期の開設で今年で76年になるという。平成の世になりポルノ上映館として細々と息をつないできたのだが、館主が娘に代わると今までの路線を180度変換し、デジタル対応機材を入れ、客席も入れ替えて再出発したのだった。封切映画館ではなく、マニア向けの特異な映画館として地位を固めつつある。先日の高倉健さんの没の際にも地場の映画館として高倉健シリーズを上映したのだった。

 
 葉室麟さんトークショー

 街なか探検で昭和館を探訪した時、紹介されたのが「蜩の記」。葉室麟さん原作の作品だ。藤沢周平と同系列の清冽な時代物を書く人なのだが、その葉室麟さんがこの昭和館での上映にあたり、トークショーを開くというのだった。これは逃がすわけにはいかないと、土曜日、ウオーキングを終えて駆け付けた。2時40分開演だったのだが、私が着いたのはその5分前。250の席はもう満員だったが私は階段に座ることができた。

 トークショーは女性館主との対談だったのだが、最初に北九州市長からの挨拶があった。彼もこの作家が好きだとのことで、誠実な話しぶりで小倉の誇りであるとの心情が汲み取れて非常に良かった。対談はおよそ40分、ペンネームの由来や映画「蜩の記」の撮影秘話、小倉の街の印象などが語られた。

 対談が終わって映画が始まったのだが、一本目は「ふしぎな岬の物語」。知らなかったのだが、吉永小百合のプロデュース作品という。我が国や外国の映画祭で賞を何個もGETしたとか。小百合ストである私、「これは良かった!」と喜んでみたのだが、途中からハンカチが手放せなくなった。TVでさえも涙ぐむことが多い私、こんな映画はもう絶対だ。別れのシーンで岬からフェリーに向かって懸命に手を振るあの顔が目に焼き付いている。それに、「美味しくなぁれ、美味しくなぁれ」とコーヒーにささやく姿も可憐で可愛い。小百合さん、やはり素敵です。私もこれに倣って、「美人になぁれ、可愛くなぁれ」、「怒らないで、優しくなぁれ」と密かに呟いている。もちろん近見の人、二人にですが。(笑)

 
 

 続いて「蜩の記」、葉室麟さんも述べていたが、山里の四季の移ろい、生活美が見事に描写されていて、あらためて高質なストーリー、生き様に感動したのだった。

 

 満足して帰宅したのが八時半。夢中で映画を見ていたのか空腹も感じなかった。その夜のビールは美味かった。

コメント (8)
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